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2020年10月28日

交通信号機

行燈の灯からランプの灯へ、白熱灯へ、蛍光灯へ、そしてLED照明にと灯りは進化してきました。電気による灯りは白熱灯以降ですが、進化するたびに同じ明るさを得るのに消費電力は少なくなってきました。ただ単に新しい光らせ方だけでしたら世の中に普及はしません。安くてそれでいて劇的な効果がなければなりません。

LEDになって一番よかったなと思うのは交通信号機です。昼間の太陽の日差しの下でも、赤、黄、青(緑)がハッキリくっきり分かるのです。以前の信号機は太陽光が信号機に当たると、どの色が発光しているのがほとんど分からなかったのです。交通安全上とても良くなったと思っています。

信号機の発光部分は随分と薄くなりました。軽量化されたことはいいことです。重量物が頭上にあると思うとあまり気持ちの良いものではありません。幾分かでも軽くなるのは良いことだと思います。

LEDは1962年に赤色が発明されました。そして、1970年代までに赤、黄、橙(だいだい)、黄緑などの各色LEDが発明されました。ただこの色のラインナップだけでは照明の世界では需要が伸びません。白色が欲しいのです。

LEDで白色を出すには、先ほどのラインナップの他に青色のLEDが必要です。この青色LEDは誕生するまで難産でした。これを発明すればノーベル賞間違いなしとまで言われていました。その青色LEDは1993年に開発されました。こうして、白色LEDが世に出回るようになり、手ごろな値段で購入することができるようになったのです。

格安になったLEDをふんだんに使った信号機は日本中の交差点に設置されています。

ちなみに、2014年、青色LEDの発明と実用化に貢献したとして、赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の3名がノーベル物理学賞を受賞しました。

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(2014年10月8日 朝日新聞より)
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