2024年11月12日
最強の毒パリトキシンに注意!毒を有する魚と症状を解説します。
“パリトキシン”はフグが持っていることで有名なテトロドトキシンよりも強い毒性を持ちます。
加熱しても毒性が消えず、釣れた魚を食べる際には知識と注意が必要です。
今回は、生物の持つ天然毒の中でも最強クラスのパリトキシンを持つ魚と、毒による症状を紹介します。
最強の毒“パリトキシン”
出典・illustAC
“パリトキシン”は天然の毒として最も最強と言われている海産毒素の1種。
その毒性の強さは、フグ毒としても有名なテトロドトキシンの数十倍といわれています。
食物連鎖による生物濃縮により毒性が強まる毒です。
さらには熱にも強く、加熱しても分解されない特徴があります。
テトロドトキシンよりも強い
釣りをする方ならばフグ毒で有名なテトロドトキシンはご存じでしょう。
このパリトキシンは、そのテトロドトキシンの数十倍もの毒性を持ちます。
ハワイの先住民は、狩りに使う矢の先に塗る毒として用いていたようです。
第一生産者は植物プランクトン
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パリトキシン毒がどういった経緯で魚に蓄積されるのかは完全には解明されていません。
ただ、第一生産者は有毒渦鞭毛藻(植物プランクトン)と考えられています。
有毒渦鞭毛藻(ゆうどくうずべんもうそう)はスナギンチャクと共生しており、スナギンチャクを捕食した魚の体内に蓄積されることで、パリトキシンを有する個体になるとされています。
パリトキシンの中毒症状
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パリトキシンは摂取後発症までに“3〜36時間”とかなりの時間差があります。
発症した場合は、回復に数日〜数週間を必要とします。
主な症状は、筋細胞が融解することによる筋肉痛で、重篤な場合には死亡した例もあるようです。
●消化器系
腎障害
●神経系
麻痺、痙攣、呼吸困難、動脈の収縮作用
解毒方法は?
現在、パリトキシンの解毒方法は見つかっていません。
発症した場合は、回復を待つしかありません。
対処方法としては、パリトキシン毒を有する可能性がある魚を知っておくこと。
パリトキシンを有する可能性がある魚
パリトキシンを有する可能性がある魚は、何種類か存在します。
個体差があるため、その魚を食べたら必ず食中毒を発症するわけでありません。
ここでは、比較的身近なパリトキシンを有している可能性がある魚を紹介します。
「アオブダイ」
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アオブダイは、綺麗な青の体色が特徴の大型魚です。
鳥のくちばしのような鋭い歯で、スナギンチャクをエサとして食べるので、パリトキシンを体内で蓄えやすい魚とされています。
「ブダイ」
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磯釣りをしてると外道として釣れることがあるブダイ。
アオブダイと同様に鋭い歯を持ち、底生のエサを捕食するので、パリトキシンを有する個体がいます。
「ソウシハギ」
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最大1メートル程にもなり、身体に青色の線が散在しているのが特徴のソウシハギ。
本来熱帯に生息する魚ですが、徐々に生息域が北上しています。
フグ目カワハギ科ウスバハギ属に属する魚で、カワハギやウマヅラハギと間違えて食べないように気をつけましょう。
「ハコフグ」
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箱のような身体が特徴のハコフグ。
パリトキシンを有する可能性があるとともに、危険を感じると皮膚から粘液と一緒にパフトキシンという神経毒を出すので、釣れた際は要注意。
「ウミスズメ」
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ハコフグの仲間になるウミスズメ。
地域によっては食用とされていますが、ハコフグ同様パリトキシンを有している個体も確認されているので、食べる際は注意が必要です。
猛毒パリトキシンに注意!
生物の持つ天然毒の中でも最強と言われるパリトキシン。
どのような魚が持っている可能性があるのかを知っておき、その魚を食べないことが一番の対処法になります。
大変なことにならないように、事前知識を持って備えておきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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