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2018年12月20日

12月20日は何に陽(ひ)が当たったか?

 1952年12月20日は、生きた化石の魚類シーラカンスがアフリカ大陸東南部にあるコモロ諸島で現生種が確認された日です。

 シーラカンスは今から約4億1600万年前から約3億5920万年前、いわゆる古生代のデボン紀においては、乾季が原因で水中の酸素濃度が低い環境だったこともあり、このシーラカンスやハイギョなど、肺機能を持った魚が登場し始めました。今から約6550年前の中生代の白亜紀(ドイツ語でKreide)末期から新生代の古第三紀(英語でPaleogene)のちょうど間の時期に、巨大隕石の落下などによる恐竜などの大型動物をはじめ、大量の古代生物が絶滅した、"K-Pg境界"と呼ばれる事件があり、シーラカンス目もすべて絶滅したと思われていました。

 1938年12月22日、に南アフリカ・東ケープ州のカルムナ川河口で、漁船の網にかかった5フィート(約150cm)もある魚を発見しました。南アフリカの女性博物館員、Marjorie Courtenay-Latimer(マージョリー・コートニー・ラティマー。1907-2004)は「虹のような光沢、固い鱗、足のような4本のヒレ、子犬のような尾」と表現しました。コートニー・ラティマー氏はこの魚をタクシーに乗せて博物館に運び、生物学書で調べますが、どの魚とも特定ができませんでした。彼女は 魚類学者のJ. L. B. Smith(J.L.B.スミス。1987-1968)に見せたところ、1939年2月においてこの種がシーラカンスの現生種であると特定され、スミス氏はこの現生種をLatimeria chalumnae(ラティメリア・カルムナエ)と命名しました。Latimeriaはコートニー・ラティマー(Courtenay-Latimer)氏の名から、chalumnaeは発見地のカルムナ川(Chalumna)の名から取られました。コートニー・ラティマー氏と、当時発見されたシーラカンスの写真はこちらです(Wikipediaより)。

 そして陽の当たった1952年12月20日、モザンビーク海峡にある、コモロ諸島のアンジュアン島(ジョハンナ島)付近でシーラカンスが発見されました。スミス氏が駆けつけると、第一背びれが見当たらなかったため、コートニー・ラティマー氏の発見したラティメリア・カルムナエではないとそいて別の名を考えていましたが、学術調査が徹底的に行われて、結果的には背びれが欠損したラティメリア・カルムナエであると決着しました。この陽の当たった12月20日は、シーラカンスの日として讃えられています。

 その後、シーラカンスは1997年9月18日、インドネシア中部にあるスラウェシ島北東岸のメナド(Manado。マナド。北スラウェシ州の州都)で新種のシーラカンスが発見され、"Latimeria menadoensis"と名付けられました。

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