2018年11月25日
11月25日は何に陽(ひ)が当たったか?
1978年11月25日は、アメリカ出身の女性歌手、Nicolette Larson(ニコレット・ラーソン)のデビュー・シングル、"Lotta Love(邦題:溢れる愛)"がBillboard HOT100シングルチャートで86位にエントリーした日です。終わりゆく70年代にて、ウエストコースト・ロックおよびカントリー・ロックにおける不朽の名作が誕生しました。
1952年7月17日、Nicolette Larsonはモンタナ州の州都ヘレナで誕生しました。10代後半よりサンフランシスコの音楽業界で活動を始めていたNicolette Larsonは、その澄み切った歌声が早くから評価されてカントリー界等でセッション・ヴォーカリスト等で経験を積みました。1975年頃にロサンゼルスへ拠点を構えると、彼女はEmmylou Harris(エミルー・ハリス)やLinda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)ら既に全米での人気を獲得したカントリー界、ロック・ポップス界からの女性歌手に激励され、多くの著名なアーチストのバック・シンガーとしてレコーディングに参加しました。知られるところでは、Emmylou Harrisの1976年のアルバム、"Luxury Liner(Billboard Top Country Albums1位)"収録の"Hello Stranger"でのデュエットや、カナダのシンガーソングライター、Neil Young(ニール・ヤング)がCrazy Horse(クレイジー・ホース)と組んでリリースした1977年のアルバム"American Stars 'n Bars(Billboard200アルバムチャート21位)"でのゲスト・ヴォーカルがあり、"American Stars 'n Bars"では同じくゲスト参加したLinda Ronstadtと一緒に全9曲中、5曲参加しています。また1978年にはウェストコースト・ロック・グループの代表格、Doobie Brothers(ドゥービー・ブラザーズ)の、のちの大ヒットアルバムとなる"Minute by Minute(全米1位。1978年12月リリース)"収録の"Dependin' on You"および "Sweet Feelin'"のバック・ヴォーカルを担当し、プロデューサーのTed Templeman(テッド・テンプルマン)に高い評価を得ました。
Neil Youngとの出会いは運命的なものとなり、Nicolette LarsonはNeilの次作"Comes a Time(邦題:カムズ・ア・タイム)"のレコーディングにも参加することになります。"Comes a Time"でNicolette Larsonは10曲中8曲バック・ヴォーカルで参加していますが、不参加の2曲のうち1曲が"Lotta Love"で、Nicoletteがこの曲を気に入り、Linda Ronstadtの後押しやNeilの提供も手伝い、Nicolette自身のデビュー曲として歌うことが決まりました。そしてTed Templemanのプロデュースのもと、"Lotta Love"を含むデビュー・アルバム"Nicolette(邦題:愛しのニコレット)"の制作が始まりました。
Nicolette LarsonのデビューアルバムにはRinda Ronstadtもバック・ヴォーカルで参加し、Ted TemplemanがプロデュースしているアーチストからDoobie BrothersやLittle Feat(リトル・フィート)のメンバーが参加した他、デビューして間もないEdward Van Halen(エディ・ヴァン・ヘイレン)もギターで参加しました。多くのサポート・ミュージシャンが集まった"Nicolette"はついに完成し、1978年9月29日にWarner Bros.レーベルよりリリースされました。ウェストコースト漂うロック・サウンドを筆頭に、R&BやAOR、カントリーを取り込んだ、実に馴染みやすい音作りで、その中にNicolette Larsonの爽やかな歌声がしっかりと溶け込んでおり、アルバム全編を通してゆったりと楽しく聴くことができます。カバー・デザインの長い髪を垂らして可愛くポーズをとるNicolette Larsonの愛らしい表情が素敵です。
このアルバムから先行シングルとして選ばれた"Lotta Love(邦題:溢れる愛)"も非常に爽やかで聴き心地良いポップ・ナンバーで、イントロのサックス、間奏のフルートが印象的です。プロモーション・フィルムも残っており、Nicolette Larsonのパフォーマンスが確認できます(映像はこちら。Youtubeより)。
陽の当たった1978年11月25日、Billboard HOT100シングルチャートで86位にエントリーした"Lotta Love"は翌週に76位にジャンプアップ、その後51位→41位と駆け上がり、エントリーして5週目に27位に飛び込み、Top40入りを果たしました。ただこの日は12月23日付ということもあり、翌週12月30日付はチャートが休業日のため、チャートは同じく27位でとどまりますが、1979年1月6日付で17位に大幅にアップし、Top20入りを果たしました。
この頃のHOT100ではRod Stewart(ロッド・スチュワート)の"Da Ya Think I'm Sexy?(邦題:アイム・セクシー)"、The Pointer Sisters(ポインター・シスターズ)の"Fire(邦題:ファイア)"、Earth, Wind & Fire(アース、ウィンド&ファイア)の"September(セプテンバー)"、Olivia Newton-John(オリヴィア・ニュートン・ジョン)の"A Little More Love(邦題:愛は魔術師<マジシャン>)"といった強豪が揃いも揃ってチャートを駆け上がっており、これらに押されたのか、"Lotta Love"のチャートアクションは翌週付は16位、その後15位→13位→11位と上昇はやや緩みますが、次の2月10日付で10位とTop10入りに成功、2月17日付から2週連続で8位を記録、これが最高位となりました。その後は9位→12位→24位→37位と下降、そして次週付94位まで下がった3月31日付には、次のシングル、"Rhumba Girl(邦題:ルンバ・ガール)"が84位にエントリーしました(最高位は5月12日付から2週連続47位)。結局"Lotta Love"はHOT100内に19週、Top40内に14週のチャートインで、1979年のYear-Endチャートでは100位中41位にランクされました。カナダのシングルチャート(RPMチャート)ではNeil Youngの効果があったのか4位と健闘、カナダのYear-Endチャートでは46位にランクされました。
Adult Contemporary部門での"Lotta Love"はまさに威力を発揮して、Billboard Adult Contemporary(当時は Easy Listening Chart)で堂々の全米1位、カナダのAdult Contemporaryチャートでも1位を獲得しています。1978年から79年にかけてはNicolette Larsonのキャリアで全盛期となり、Nicolette Larsonが参加した、Neil Youngの"Comes a Time"は"Nicolette"からちょうど1ヶ月遅れてリリースされ、Billboard200アルバムチャートで30週間チャートインし、1978年12月16日付から2週間7位を記録しています(カナダでは4位)。また1979年後半にはNicoletteがゲスト参加した、Doobie Brothersの"Minute by Minute"からのシングル、"Dependin' on You"が1979年10月13日付HOT100で25位を記録しています。またNicolette Larson自身2枚目のアルバム、"In the Nick of Time(邦題:愛の季節)"では全米47位(1979年12月8日付Billboard200)を記録、21週間チャートインしています。
その後もコンスタントにアルバムを発表し続けて、1990年にはセッション・ドラマーのRuss Kunkel(ラス・カンケル)と結婚、同年に一女を授かり、1994年には母親として愛娘に捧げる子守歌的なアルバム"Sleep, Baby, Sleep(邦題:スリープ・ベイビー・スリープ)"を発表し、音楽だけでなく家庭でも大きな幸福を得たNicolette Larsonでしたが、1997年12月16日ロサンゼルスにて、脳浮腫のため、惜しまれながら45歳でこの世を去り、全米で悲しみが広がりました。翌1998年にRinda RonstadtやLittle Featらによる追悼コンサートが開かれました。
1952年7月17日、Nicolette Larsonはモンタナ州の州都ヘレナで誕生しました。10代後半よりサンフランシスコの音楽業界で活動を始めていたNicolette Larsonは、その澄み切った歌声が早くから評価されてカントリー界等でセッション・ヴォーカリスト等で経験を積みました。1975年頃にロサンゼルスへ拠点を構えると、彼女はEmmylou Harris(エミルー・ハリス)やLinda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)ら既に全米での人気を獲得したカントリー界、ロック・ポップス界からの女性歌手に激励され、多くの著名なアーチストのバック・シンガーとしてレコーディングに参加しました。知られるところでは、Emmylou Harrisの1976年のアルバム、"Luxury Liner(Billboard Top Country Albums1位)"収録の"Hello Stranger"でのデュエットや、カナダのシンガーソングライター、Neil Young(ニール・ヤング)がCrazy Horse(クレイジー・ホース)と組んでリリースした1977年のアルバム"American Stars 'n Bars(Billboard200アルバムチャート21位)"でのゲスト・ヴォーカルがあり、"American Stars 'n Bars"では同じくゲスト参加したLinda Ronstadtと一緒に全9曲中、5曲参加しています。また1978年にはウェストコースト・ロック・グループの代表格、Doobie Brothers(ドゥービー・ブラザーズ)の、のちの大ヒットアルバムとなる"Minute by Minute(全米1位。1978年12月リリース)"収録の"Dependin' on You"および "Sweet Feelin'"のバック・ヴォーカルを担当し、プロデューサーのTed Templeman(テッド・テンプルマン)に高い評価を得ました。
Neil Youngとの出会いは運命的なものとなり、Nicolette LarsonはNeilの次作"Comes a Time(邦題:カムズ・ア・タイム)"のレコーディングにも参加することになります。"Comes a Time"でNicolette Larsonは10曲中8曲バック・ヴォーカルで参加していますが、不参加の2曲のうち1曲が"Lotta Love"で、Nicoletteがこの曲を気に入り、Linda Ronstadtの後押しやNeilの提供も手伝い、Nicolette自身のデビュー曲として歌うことが決まりました。そしてTed Templemanのプロデュースのもと、"Lotta Love"を含むデビュー・アルバム"Nicolette(邦題:愛しのニコレット)"の制作が始まりました。
Nicolette LarsonのデビューアルバムにはRinda Ronstadtもバック・ヴォーカルで参加し、Ted TemplemanがプロデュースしているアーチストからDoobie BrothersやLittle Feat(リトル・フィート)のメンバーが参加した他、デビューして間もないEdward Van Halen(エディ・ヴァン・ヘイレン)もギターで参加しました。多くのサポート・ミュージシャンが集まった"Nicolette"はついに完成し、1978年9月29日にWarner Bros.レーベルよりリリースされました。ウェストコースト漂うロック・サウンドを筆頭に、R&BやAOR、カントリーを取り込んだ、実に馴染みやすい音作りで、その中にNicolette Larsonの爽やかな歌声がしっかりと溶け込んでおり、アルバム全編を通してゆったりと楽しく聴くことができます。カバー・デザインの長い髪を垂らして可愛くポーズをとるNicolette Larsonの愛らしい表情が素敵です。
このアルバムから先行シングルとして選ばれた"Lotta Love(邦題:溢れる愛)"も非常に爽やかで聴き心地良いポップ・ナンバーで、イントロのサックス、間奏のフルートが印象的です。プロモーション・フィルムも残っており、Nicolette Larsonのパフォーマンスが確認できます(映像はこちら。Youtubeより)。
陽の当たった1978年11月25日、Billboard HOT100シングルチャートで86位にエントリーした"Lotta Love"は翌週に76位にジャンプアップ、その後51位→41位と駆け上がり、エントリーして5週目に27位に飛び込み、Top40入りを果たしました。ただこの日は12月23日付ということもあり、翌週12月30日付はチャートが休業日のため、チャートは同じく27位でとどまりますが、1979年1月6日付で17位に大幅にアップし、Top20入りを果たしました。
この頃のHOT100ではRod Stewart(ロッド・スチュワート)の"Da Ya Think I'm Sexy?(邦題:アイム・セクシー)"、The Pointer Sisters(ポインター・シスターズ)の"Fire(邦題:ファイア)"、Earth, Wind & Fire(アース、ウィンド&ファイア)の"September(セプテンバー)"、Olivia Newton-John(オリヴィア・ニュートン・ジョン)の"A Little More Love(邦題:愛は魔術師<マジシャン>)"といった強豪が揃いも揃ってチャートを駆け上がっており、これらに押されたのか、"Lotta Love"のチャートアクションは翌週付は16位、その後15位→13位→11位と上昇はやや緩みますが、次の2月10日付で10位とTop10入りに成功、2月17日付から2週連続で8位を記録、これが最高位となりました。その後は9位→12位→24位→37位と下降、そして次週付94位まで下がった3月31日付には、次のシングル、"Rhumba Girl(邦題:ルンバ・ガール)"が84位にエントリーしました(最高位は5月12日付から2週連続47位)。結局"Lotta Love"はHOT100内に19週、Top40内に14週のチャートインで、1979年のYear-Endチャートでは100位中41位にランクされました。カナダのシングルチャート(RPMチャート)ではNeil Youngの効果があったのか4位と健闘、カナダのYear-Endチャートでは46位にランクされました。
Adult Contemporary部門での"Lotta Love"はまさに威力を発揮して、Billboard Adult Contemporary(当時は Easy Listening Chart)で堂々の全米1位、カナダのAdult Contemporaryチャートでも1位を獲得しています。1978年から79年にかけてはNicolette Larsonのキャリアで全盛期となり、Nicolette Larsonが参加した、Neil Youngの"Comes a Time"は"Nicolette"からちょうど1ヶ月遅れてリリースされ、Billboard200アルバムチャートで30週間チャートインし、1978年12月16日付から2週間7位を記録しています(カナダでは4位)。また1979年後半にはNicoletteがゲスト参加した、Doobie Brothersの"Minute by Minute"からのシングル、"Dependin' on You"が1979年10月13日付HOT100で25位を記録しています。またNicolette Larson自身2枚目のアルバム、"In the Nick of Time(邦題:愛の季節)"では全米47位(1979年12月8日付Billboard200)を記録、21週間チャートインしています。
その後もコンスタントにアルバムを発表し続けて、1990年にはセッション・ドラマーのRuss Kunkel(ラス・カンケル)と結婚、同年に一女を授かり、1994年には母親として愛娘に捧げる子守歌的なアルバム"Sleep, Baby, Sleep(邦題:スリープ・ベイビー・スリープ)"を発表し、音楽だけでなく家庭でも大きな幸福を得たNicolette Larsonでしたが、1997年12月16日ロサンゼルスにて、脳浮腫のため、惜しまれながら45歳でこの世を去り、全米で悲しみが広がりました。翌1998年にRinda RonstadtやLittle Featらによる追悼コンサートが開かれました。
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posted by ottovonmax at 00:00| 洋楽