2018年08月27日
8月27日は何に陽(ひ)が当たったか?
1977年8月27日は、イギリスのプログレッシブ・ロック・グループ、Supertramp(スーパートランプ)のシングル"Give a Little Bit(邦題:少しは愛をください)"が、同年同月同日付、Billboard HOT100シングルチャートで、最高位15位を記録した日です。全米チャートでは、"Bloody Well Right(邦題:ブラッディ・ウェル・ライト)"が1975年5月24日付で35位に達して以来、2曲目のチャート・インとなりました。
活動拠点をアメリカに移して制作された前アルバム"Crisis? What Crisis?(邦題:危機への招待。1975)"は非常にクォリティの高い内容でしたが、前々作"Crime of the Century(邦題:クライム・オブ・センチュリー。1974)"の全英全米での大ヒットのインパクトが強すぎたせいか、陰に隠れてしまいヒット・ヴォリュームが落ちてしまいました。"Crisis? What Crisis?"からカットされたシングル("Lady","Ain't Nobody But Me")も内容は非常に良かったものの、全米全英チャートには振るいませんでした。ちなみに全英UKアルバムチャートでは"Crime of the Century"は4位に対して"Crisis? What Crisis?"は20位、全米Billboard200アルバムチャートでは、"Crime of the Century"は38位に対して"Crisis? What Crisis?"は44位でした。シングル"Bloody Well Right"は"Crime of the Century"からのカットで、イギリスでは"Dreamer(邦題:ドリーマー)"もシングルカットされUKシングルチャート13位、なかでもイタリアでは全伊Top10入りする大ヒットを記録しています(6位)。ちなみに"Crisis? What Crisis?"からのカットされた"Lady"はアイルランドのチャートには顔をのぞかせており、15位を記録するヒットとなっておりますが、"Lady"のB面にあたる"You Started Laughing"はその後のライブ盤(1980年の"Paris"、1988年の"Live'88"、2010年の"70-10 Tour"など)ではよくお見かけするナンバーです。
スーパートランプは、プログレ系サウンドを基調にハイトーン・ヴォイスを聴かせてくれるRoger Hodgson(ロジャー・ホジソン。vo,gtr,key)と、ブルージーかつジャジーなサウンドを基調にロウ・トーン・ヴォイスを聴かせてくれるRick Davies(リック・デイヴィス。vo,key)の、タイプの異なる2大看板ミュージシャンが奏でる音楽の融合が最大の魅力で、決して派手ではありませんが、洒落た感覚でクリエイトされる音作りにはとても評価が高く、独特のアート/プログレッシブ・ロック・サウンドで人気を博しました。こうした感覚のロック・グループでは他に、代表的なもので同じイギリスの10CCが挙げられます。
さて、"Crisis? What Crisis?"に続いて、約1年半ぶりにスーパートランプが発表した5枚目のスタジオ・アルバム"Even in the Quietest Moments...(邦題:蒼い序曲。1977年4月)"は、前2作のプロデュースを担当したKen Scott(ケン・スコット)の手から離れて、メンバーのセルフ・プロデュースで行われました。Rickの書いた"From Now On(邦題:フロム・ナウ・オン)"の、ゆったりとしたポップ・サウンドや、 ラストに収められたRoger作の11分に及ぶ"Fool's Overture(邦題:蒼い序曲)"のような、ウィンストン・チャーチル(1874-1965)の第二次世界大戦における有名なスピーチ"We shall fight on the beaches"からの抜粋の導入で始まる、ドラマティックさとしなやかさを併せ持ったプログレ・サウンドなど、バラエティに富んだ力作となり、メンバーが大きく前進したアルバムとなりました。その中でも1曲目に収録された、今回のメインテーマであります、"Give a Little Bit"がシングル・カットされて、欧米でのヒットに繋がっていきました。
"Give a Little Bit"はRogerが19~20歳頃に書いた作品(1969~70年頃)で、彼がThe Beatles(ビートルズ)の"All You Need Is Love(邦題:愛こそはすべて)"にインスパイアされて創ったといわれていますが、アルバムではRickとの共作としてクレジット表記されていることから、この曲に賭ける意気込みが伝わります。Rogerの12弦ギターが全編に冴え渡るポップな楽曲で、スーパートランプの音楽には欠かせないJohn Helliwell(ジョン・ヘリウェル)の奏でるサックスもこの曲の間奏部分で印象的に使われています。2004年にはアメリカン・ロック・グループのGoo Goo Dolls(グー・グー・ドールズ)によってカヴァーされるなど、世代を伝って後世に歌い継がれていきました。現在でもメディアで使用される、まさに名曲中の名曲です。
スーパートランプの"Give a Little Bit"は、Billboard HOT100シングルチャートにおいて、1977年6月4日に77位でニュー・エントリーしました。その後66位→63位→53位と駆け上がり、5週目で39位とTop40入りを果たし、その後35位→31位と、最高位35位だった前回の"Bloody Well Right"の記録を悠々と塗り替えました。そして次に27位→25位→23位→21位→17位と続き、陽の当たった8月27日付で15位まで上がり、次の週と2週連続で15位を記録、そのあと下降していきました。18週チャートインを果たし、1977年のYear-Endチャートでは、100位中77位を獲得しました。
ちなみにこの曲は、UKシングルチャートでは29位でしたが、オランダのチャートでは堂々の2位、ノルウェーで9位、カナダで8位を記録しています。このシングル・ヒットの効果もあって、アルバム"Even in the Quietest Moments..."はカナダとオランダでアルバムチャート1位を記録、イギリスUKチャートで12位、アメリカのBillboard200アルバムチャートでは過去最高の16位を記録し、いよいよ次作"Breakfast in America(邦題:ブレックファースト・イン・アメリカ)"で、ヨーロッパ各国のみならず、待望の全米ナンバー・ワン・アルバムに輝き、黄金時代を築くのでした。
活動拠点をアメリカに移して制作された前アルバム"Crisis? What Crisis?(邦題:危機への招待。1975)"は非常にクォリティの高い内容でしたが、前々作"Crime of the Century(邦題:クライム・オブ・センチュリー。1974)"の全英全米での大ヒットのインパクトが強すぎたせいか、陰に隠れてしまいヒット・ヴォリュームが落ちてしまいました。"Crisis? What Crisis?"からカットされたシングル("Lady","Ain't Nobody But Me")も内容は非常に良かったものの、全米全英チャートには振るいませんでした。ちなみに全英UKアルバムチャートでは"Crime of the Century"は4位に対して"Crisis? What Crisis?"は20位、全米Billboard200アルバムチャートでは、"Crime of the Century"は38位に対して"Crisis? What Crisis?"は44位でした。シングル"Bloody Well Right"は"Crime of the Century"からのカットで、イギリスでは"Dreamer(邦題:ドリーマー)"もシングルカットされUKシングルチャート13位、なかでもイタリアでは全伊Top10入りする大ヒットを記録しています(6位)。ちなみに"Crisis? What Crisis?"からのカットされた"Lady"はアイルランドのチャートには顔をのぞかせており、15位を記録するヒットとなっておりますが、"Lady"のB面にあたる"You Started Laughing"はその後のライブ盤(1980年の"Paris"、1988年の"Live'88"、2010年の"70-10 Tour"など)ではよくお見かけするナンバーです。
スーパートランプは、プログレ系サウンドを基調にハイトーン・ヴォイスを聴かせてくれるRoger Hodgson(ロジャー・ホジソン。vo,gtr,key)と、ブルージーかつジャジーなサウンドを基調にロウ・トーン・ヴォイスを聴かせてくれるRick Davies(リック・デイヴィス。vo,key)の、タイプの異なる2大看板ミュージシャンが奏でる音楽の融合が最大の魅力で、決して派手ではありませんが、洒落た感覚でクリエイトされる音作りにはとても評価が高く、独特のアート/プログレッシブ・ロック・サウンドで人気を博しました。こうした感覚のロック・グループでは他に、代表的なもので同じイギリスの10CCが挙げられます。
さて、"Crisis? What Crisis?"に続いて、約1年半ぶりにスーパートランプが発表した5枚目のスタジオ・アルバム"Even in the Quietest Moments...(邦題:蒼い序曲。1977年4月)"は、前2作のプロデュースを担当したKen Scott(ケン・スコット)の手から離れて、メンバーのセルフ・プロデュースで行われました。Rickの書いた"From Now On(邦題:フロム・ナウ・オン)"の、ゆったりとしたポップ・サウンドや、 ラストに収められたRoger作の11分に及ぶ"Fool's Overture(邦題:蒼い序曲)"のような、ウィンストン・チャーチル(1874-1965)の第二次世界大戦における有名なスピーチ"We shall fight on the beaches"からの抜粋の導入で始まる、ドラマティックさとしなやかさを併せ持ったプログレ・サウンドなど、バラエティに富んだ力作となり、メンバーが大きく前進したアルバムとなりました。その中でも1曲目に収録された、今回のメインテーマであります、"Give a Little Bit"がシングル・カットされて、欧米でのヒットに繋がっていきました。
"Give a Little Bit"はRogerが19~20歳頃に書いた作品(1969~70年頃)で、彼がThe Beatles(ビートルズ)の"All You Need Is Love(邦題:愛こそはすべて)"にインスパイアされて創ったといわれていますが、アルバムではRickとの共作としてクレジット表記されていることから、この曲に賭ける意気込みが伝わります。Rogerの12弦ギターが全編に冴え渡るポップな楽曲で、スーパートランプの音楽には欠かせないJohn Helliwell(ジョン・ヘリウェル)の奏でるサックスもこの曲の間奏部分で印象的に使われています。2004年にはアメリカン・ロック・グループのGoo Goo Dolls(グー・グー・ドールズ)によってカヴァーされるなど、世代を伝って後世に歌い継がれていきました。現在でもメディアで使用される、まさに名曲中の名曲です。
スーパートランプの"Give a Little Bit"は、Billboard HOT100シングルチャートにおいて、1977年6月4日に77位でニュー・エントリーしました。その後66位→63位→53位と駆け上がり、5週目で39位とTop40入りを果たし、その後35位→31位と、最高位35位だった前回の"Bloody Well Right"の記録を悠々と塗り替えました。そして次に27位→25位→23位→21位→17位と続き、陽の当たった8月27日付で15位まで上がり、次の週と2週連続で15位を記録、そのあと下降していきました。18週チャートインを果たし、1977年のYear-Endチャートでは、100位中77位を獲得しました。
ちなみにこの曲は、UKシングルチャートでは29位でしたが、オランダのチャートでは堂々の2位、ノルウェーで9位、カナダで8位を記録しています。このシングル・ヒットの効果もあって、アルバム"Even in the Quietest Moments..."はカナダとオランダでアルバムチャート1位を記録、イギリスUKチャートで12位、アメリカのBillboard200アルバムチャートでは過去最高の16位を記録し、いよいよ次作"Breakfast in America(邦題:ブレックファースト・イン・アメリカ)"で、ヨーロッパ各国のみならず、待望の全米ナンバー・ワン・アルバムに輝き、黄金時代を築くのでした。
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posted by ottovonmax at 00:00| 洋楽