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2018年10月19日

記述現代文の攻略 基礎編第4回 〜無駄な失点を避ける答案の作り方を知ろう〜

記述現代文の攻略第4回です。


※現代文の攻略記事まとめはこちら
現代文記事まとめ


__________________________________________________




今回は、初回にまとめた手順のうち、手順E〜Gを説明していきます。


手順E
本文の文章構造の保存を意識して、答案にまとめる。

手順F
過不足ない言いかえや説明になることを意識しつつ字数を調節する。

手順G
丁寧な字を意識して、解答用紙に答案を正確に記入する。






また、基礎編で解き方を説明した後は実践編ということで、

実際の二次試験を使いながら詳しく解説をしていきます。




教材は主にこちらを使います。

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__________________________________________________

それは本題に入りましょう。


今回で一応基礎編はおしまいです。

どのような手順を踏めば満点をとれる答案が作れるのかの説明も完結します。


前回までで傍線部の各要素の言いかえを完了させました。

その言いかえをつなぎ合わせるだけでもある程度の得点は取れるのですが、

より高得点をるための最後のステップについて今回の記事で扱います。





まずは手順Eです。


手順E
本文の文章構造の保存を意識して、答案にまとめる。



手順Eで行うべきことは2つあります。

まず一つ目は、傍線部の要素以外に必要な要素はないか検討することです。




どういうことかというと、傍線部を区切って、各要素の言い換えをパートの中を参考にしながら探していくというのは、どちらかといえばミクロな読み方なわけです。


ですので、マクロな読み方、すなわち本文全体の大きな流れを踏まえる必要もあるということです。



具体的に説明しましょう。


設問1を見てください。


設問1はパート1に対応しているわけですが、パート1のテーマはなんでしたか?


そうですね、「産業革命以前の教育について」でしたね。


でも、前回言い換えた要素を見てみると、産業革命以前という語がありません。


これでは、パート1の整理が問われている設問1の解答として十分とは言えませんよね。


つまり、傍線部の各要素の言い換えには入っていないけれど、1段落頭の「産業革命以前」というのも設問1の解答の一要素になります。



このように、傍線部の各要素の言い換え以外にも必要な要素が存在することがあります。

それに気づくためには、マクロな読み方を忘れないようにすることが大切なんですね。



では、ここで皆さんいったん前回作った答案に戻りましょう。

設問1は上で説明したとおりですが、ほかの設問にも、傍線部の各要素の言い換えでは不十分な問題があります。ですので、各設問に足りない要素はないか、上の説明を参考にしながら探してみてください。そして、探せたらその要素を組み込んだ新たな答案に作りなおしてみましょう。










次に2つ目は本文の文章構造を解答に保存することです。


例えば、本文には因果関係で書いてあるのに、解答用紙には因果関係で書いていないような答案は当たり前ですが減点されます。なぜなら、問題の要求は本文のまとめなので、本文と同じ文章構造で答案を作成する必要があります。


とはいうものの、減点される当の本人もこんなことは分かっています。
でもなかなか改善できないことが多いんですよね。


どういうことかというと、減点される答案を書く本人は因果関係であることは理解しているし、因果関係で答案を作っている「つもり」なんです。



具体例で説明しましょう。


実践編でも出てきますが、こんな模範解答があったとしましょう

台本には演技に精通した人の手が何重にも加わっているのでセリフの真意を理解することは極めて難しいということ。」


これはもちろん本文に因果関係が示されているわけです。


でも減点される人の答案はこんな感じです。


台本には演技に慣れ親しんだ人による介入が幾層にも加わっていセリフに込められた本当の意味は理解しにくいということ。」



確かに、この答案を読むと、書いた本人は因果関係で書いてあるんだろうなと思います。


でも、「〜であってー」というのは因果関係とは限らないわけです。


確かに、「風邪をひいて、学校を休んだ」は因果関係でしょうが、
「風邪をひいて、肺炎にもなった」だと添加のような意味になりますね。


なので、因果関係で書きたいならきちんと
「風邪をひいたので、学校を休んだ」と書きましょう。

添加で書きたいのなら
「風邪を引いただけでなく肺炎にもなった」と書きましょう。



このように、あいまいな分のつなぎ方をしないことを徹底してほしいと思います。


せっかく本文が因果関係で書かれていることを分かったのに、答案であいまいに文をつないでしまうと、採点する側からしたら「こいつはあまり考えずに適当に文を繋ぎよったな」となってしまって減点されます。




上の生徒の例でいうと、


台本には演技に慣れ親しんだ人による介入が幾層にも加わっているのでセリフに込められた本当の意味は理解しにくいということ。」


と書いてあげるといいんです。


なお、この問題は5点満点で、採点ポイントは
@台本には演技に精通している人の手が何重にも加わっている     1点  
A「@だから」という因果関係(@・Bがともに0点だと採点対象外) 2点
Bセリフの真意は極めて理解しにくい 2点
Cということ。                    不適切だと−1点



なので上の生徒の答案の採点結果は

改善前:@1点 A0点 B1点 合計2点
改善後:@1点 A2点 B1点 合計4点

という風に満点の40%分も得点が変わってきます。




このように、「本文の構造を保存する意識でもって解答を書く」ということがとても重要なんです。



ぜひ実践編の演習の際には気を付けてくださいね。




また、実践編では解答の添削も行います。

自分の書いた答案で何点なのか試してみたい方はぜひ利用してください。

詳しい依頼方法は実践編の記事に載せます。






というわけで手順Eをまとめます。

・傍線部の各要素の言い換えにとどまるな。以下をチェックしよう!
→パートの大きなテーマを把握したか?
 パートの中の段落を網羅した解答になっているか?

・解答の中にあいまいな接続はないか?
→因果関係なら「〜なので」と書く。
 添加なら「〜に加えて、〜だけでなく」と書こう。
→採点者に誤解されない解答づくりを心掛けるように。



__________________________________________________


では次の手順です。


手順F
過不足ない言いかえや説明になることを意識しつつ字数を調節する。



さあ、手順Eまでで高得点を取れる解答を作ることができました。


ここからは最後の仕上げです。




現代文のいやらしいところは字数制限があるということです。


もちろん、大学によっては明確に「60文字以内」などと制限されている場合もあります。


しかし、東京大学のように「2行以内」とだけで具体的な字数は制限されていないものもありますね。



前者の場合には何も言うことはないのですが、後者の場合には一つの目安として1行あたり30〜40文字と覚えておきましょう。


小さい字であればもちろんたくさん書けますが、たくさん書けばよいというものではありません。

短い字数で簡潔にまとめるほうがもちろん好印象ですしね。




ですので、今回の問題と実践編で扱う問題はすべて60字程度とします。



それでは皆さん、ここまでで作った答案を見て、70字以内に収まるように調整しましょう。


その時に注意してほしいのは、その解答だけ読んだ人でも本文の内容が正確にわかるようになっているかということです。時数を短くするあまり肝心の意味が劣化してしまっては元も子もないです。



字数調整が終わったら最後の手順へ進みます。



__________________________________________________



手順G
丁寧な字を意識して、解答用紙に答案を正確に記入する。

まあこれは説明しなくてもいいでしょう。



採点する側も人間です。

きれいな字の答案と、汚い字の答案。

どちらのほうが印象がいいか言わなくてもいいですね。



あたりまえですが印象が良いほうが甘めに採点してくれるものです。



ということで、できるだけ丁寧に解答用紙に記入しましょう。



さあ、では皆さん最後に、解答用紙に書いてみましょう。







これで一連の解答づくりのプロセスは終了です。

お疲れさまでした。



なお、実践編第1回で基礎編で扱った問題の模範解答を紹介します。








基礎編で説明した一連の流れで、解答をどのように作っていくのかある程度は理解できたと思います。

しかし、やり方がわかればすぐに高得点がとれるわけではありません。


実践編での演習を重ねることでしっかりと自分のものにしてくださいね。



実践編へは下のリンクから飛べます。

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現代文記事まとめ



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