2018年10月13日
記述現代文の攻略 基礎編第2回 〜本文を読んで、文章構造を正確にとらえられるようになろう〜
※現代文の攻略記事まとめはこちら
現代文記事まとめ
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記述現代文の攻略第2回です。
今回は、初回にまとめた手順のうち、手順Cを説明していきます。
手順C
パートごとに、文と文の関係性を正確にまとめる
また、基礎編で解き方を説明した後は実践編ということで、
実際の二次試験を使いながら詳しく解説をしていきます。
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それだけしっかり考えられて作られている問題で、
問題の作りも非常にシンプルで、素直な頭の使い方を習得できます。
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それでは本題に入りましょう。
手順C
パートごとに、文と文の関係性を正確にまとめる
本文を「読解する」とはどういうことなのでしょうか?
その答えは簡単に言うと、
「文と文のつながりを正確に把握できる」
「そのつながりを無視せずに全体をまとめることができる」
この2つだと思うんです。
ただし、本文全体をまとめるのはすごく難しいですよね。
だから、実際に入試ではそこまで求められません。
そこまで求めてしまうと受験生誰も解けなくなってしまいます。
入試では、傍線部を引くということによって、
各傍線部が担当するパートをまとめさせているわけです。
だから、せいぜい3段落のまとめくらいしか求められません。
で、じゃあその3段落をまとめるのにはどうすればよいのかというと、
まずは一文一文のつながりを正確に把握することです。
次に、一文一文のつながりを意識しながら、段落ごとのつながりへと徐々に視線を広げていきます。
文同士のつながり、段落同士のつながりにはいろいろな種類があります。
どのようなつながりがあるのか、以下にまとめておきます。
・言い換え(A=B)
・例示(A(B))
・因果関係(A⇒B)
・対比・逆説(AB)
・変化(A→B)
・譲歩(A<B)
・添加(A+B)
・並列(A,B)
・整理(A>B)
これらのつながりは必ず正確に把握できるようになりましょう。
ではここで、前回に使った問題用紙・解答用紙を準備してくださいね。
前回の作業をまだやっていない人は必ず先に前記事を見てください。
上にまとめたつながりを、この問題の中の文章を紹介しながら説明します。
全ては扱わないので、この記事を読み終わったら、ほかの部分については各自でやってみてください。
まずは言い換えからいきましょう。
言い換えは数ある関係性の中でも極めて重要です。
接続詞によって言い換えが示唆される場合もありますが、ほとんどは直接的な示唆がありません。
ですので、言い換えに気づくには練習や慣れが必要です。
ひとつ知っておいて欲しいのは、
接続詞のない連続した二文は言い換えの場合が多い
ということです。
この文章で言うと、三段落がわかりやすいですかね。
まず1文目の「これは逆に言うと、中性の教師は、近代の教師によりも、同時代の徒弟性の親方に似ていることを意味する。」と、2文目の「中性の教師は〜」との間には接続詞が何もありませんね。ですので、この1文目と2文目は言い換えの関係にあることが言えます。すなわち、1文目の内容を言い換えにより説明しているわけです。
では、2文目と3文目はどうでしょうか?この部分も接続詞がないので、言い換えになっています。前の2文の内容を受けて更に内容を説明しているわけです。
では、3文目と4文目は?もういいですね。間に「その意味では、」という接続詞が入っています。なので、3文目と4文目は言い換えの関係ではなく、整理の関係にあります。前までのまとまりを受けて、ひとつの論に整理しているわけです。
ここまで考えれば、傍線部Bの問題の「その意味では」という要素はどこかというと、三段落の1〜3文目になるわけです。
次に例示を説明します。
これは簡単ですね。「例えば」などの接続詞によって示唆されることがほとんどです。
で、もちろんですが、具体例は読まなくていいです。
具体例が解答の根拠になることはないですからね。
この文章で言うと、2段落の1行目にありますね。
次に因果関係です。
因果関係はもちろん「AだからB」というものです。
これもほとんど示唆されません。
ですので、本文を読む中で、これは因果関係だなっていうふうに気づく必要があります。
本文の場合で言うと、と紹介したいところなのですが、
紹介してしまうと、問題の答えを直接言ってしまうことになるので、
あえてここでは言わないようにします。
皆さんどこに因果関係が隠されているか探してみましょう。
次に譲歩を説明します。
譲歩は読解において極めて重要です。
また、接続詞による示唆が必ずあるので、知っておけばすぐに使えます。
譲歩は「たしかに(もちろん)(ただし〉〜、しかし、−」という形で書かれます。
この場合、本当に言いたいことは、「しかし」の後の内容です。
なので、「たしかに」と「しかし」の間に書かれてある内容は絶対に読まなくていいわけです。
この文章で言うと、5段落頭に「ただし」が出てきます。
なので、すぐにその後ろを読むのではなく、譲歩を受けている「しかし」を探します。
すると、6段落頭に「しかし」があるので、ここが譲歩を受けているとわかります。
ゆえに、5段落は全く読む必要がありません。6段落はしっかり読みましょう。
次に添加を説明します。
添加とは文字通り加えることです。すなわち、前の説明を補足する時になどに使われます。
これまた、接続詞による示唆がないことが多いです。
なので、自分で気づく必要があります。
これも因果関係と同じで、解答のキーポイントに添加があります。
なので、ここで紹介してしまうと良くないので、省略します。
各自でまた考えてみてください。
後のものはわかりやすいので省略しましょう。
現代文が苦手な人は、ほとんどがこういった繋がりへの意識が薄いです。
なんとなく文を読んでしまうというのがダメなんです。
読みながら、「あ、ここは因果関係になっているな」とか「譲歩が来たから読む場所に注意しよう」とかこういうことを考えながら読んでいく必要があります。
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では、ここで作業をしてください。
前回は傍線部を要素に分けましたが、いよいよ本文を読みましょう。
まだ、解答はつくろうと思わなくていいです。
とりあえず今回は「読みながら文と文のつながりを正確に把握する」ことが大事なので、
文と文のつながりを意識しながら読む作業をやってください。
腕で紹介した記号を使ってまとめてもらってもいいと思います。
そして、しっかり文と文の繋がりが把握できたなと思ったら次の記事へと進んでください。
次回はいよいよ解答を作っていくプロセスに入ります。
次回記事はこちらからどうぞ
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