アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2009年10月30日

釣り人の気持ち

この辺りで魚がよく釣れると聞き、

ある時期から釣り人を名乗るようになった。



釣竿、リール、クーラーボックス、一応必要な物は揃えた。

小型のボートも購入した。



小さなボートで大海原に漕ぎ出した。

辺りは釣り船がひしめいている。

釣り人は、周りを見回し豊漁を予感した。


最初の一尾は家用にしよう。

二尾目は近所のお土産にしよう。

沢山とれたら市場に出して換金しよう。

想いはバルーンのように膨らんでいった。



釣り人はオキアミを餌に仕掛けを投げ入れた。

“コツコツ”とした当たりが、竿先を通じて手元に伝わった。

仕掛けを上げてみると餌がない。

何かがいそうな予感する。

釣り人は鼓動が高鳴り、熱い血液が体に行き渡るのを感じた。



釣り人は撒き餌を繰り返しながら、

餌を付けては投げ入れる動作を何回も何回も繰り返した。

船の下にいるであろう魚は、

満腹になったのか、あの“コツコツ”が遠ざかって行った。



次の日、釣り人は餌をサンマに変えた。

狙いも底物に変えた。

おもりの先の釣り針にサンマを掛けて、

海底に仕掛けを投げ入れて当たりを待った。

大きな魚が食らいつくのを想像し、胸がワクワクするのを感じた。

しかし魚がいるのかいないのか、いくら待っても引きがない。



次の日、釣り人は餌をルアーに変えてやって来た。

初めに、赤い色のルアーを試してみた。

投げては引き、投げては引きを、何回も何回も繰り返した。

相変わらず当たりはない。

途中で青いルアーに変えても結果は同じだった。



魚がよく釣れると聞いたのはデマだったのか。

何かの聞き間違いだったのか。

不安と、苛立ちと、焦燥感で周りが見えない。

気を取り直して、ルアーの形を変えてみたが変化はない。



辺りをみると相変わらず、釣り船はひしめいている。

釣れているのか釣れていないのか、遠くからは分からない。



釣り人はどうして釣れないのか考えた。

考えても結論は出なかった。

場所が悪いのか。

時季が悪いのか。

餌が悪いのか。

道具が悪いのか。

腕が悪いのか。



それとも本当にデマだったのか。



読んでくれてありがとう。




ブログランキングに参加しました
にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ


つぶやき ブログランキングへ

記事の分類
検索



最新の記事
ランキング 気が向いたら・・・
にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ


つぶやき ブログランキングへ

写真ギャラリー
ファン
最新コメント
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。