覚園寺(かくおんじ)は、神奈川県鎌倉市二階堂にある真言宗泉涌寺派の仏教寺院である。山号を鷲峰山(じゅぶせん)と称する。本尊は薬師三尊、開基は北条貞時、開山は智海心慧(ちかいしんえ)である。鎌倉幕府執権北条家歴代の尊崇を集めた寺院である。相模国と武蔵国を結ぶ金沢街道から北に入った谷戸の奥に位置し、境内および周辺は自然環境が良好に保全され、都市化が進む以前の鎌倉の面影を最もよく残す寺の1つといわれている。境内は国の史跡に指定されている。
歴史
『吾妻鏡』及び現在の『覚園寺縁起』によれば、鎌倉幕府2代執権北条義時が建立した大倉薬師堂が覚園寺の起源とされる。建保6年(1218年)、薬師如来の眷属である十二神将のうちの「戌神」(伐折羅大将)が北条義時の夢に現れたことが薬師堂建立の端緒であったという。その後9代執権北条貞時の時代に正式の寺院となった。
境内
鎌倉の地形の特色である尾根と尾根の間に深く入り込んだ谷(やつ)が覚園寺の境内となっている。覚園寺のある谷は薬師堂ヶ谷と呼ばれる。鎌倉宮(大塔宮)から覚園寺へ向かう道の途中の、庚申塔の立っているところがかつての覚園寺総門跡であり、その左手の谷に大楽寺があった。境内には樹木が多く、自然環境が良好に保持されている。
入口正面には愛染堂が建ち、その脇の参道を進むと薬師堂、地蔵堂、鎌倉市手広から移築した旧内海(うつみ)家住宅などがある。このほか、境内奥には開山智海心慧と2世大燈源智の墓塔(ともに重要文化財)、鎌倉十井の一である「棟立の井」などがあるが、これらは非公開である。覚園寺の裏山である鷲峰山の山頂付近の谷合には、「百八やぐら」と呼ばれる中世の横穴墓群があり、前述の総門跡の庚申塔の右手の細い道が鷲峰山への登り口になる。
アクセス・拝観
JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅より京浜急行バス「大塔宮」(鎌倉宮)下車徒歩10分
所在地 神奈川県鎌倉市二階堂421
位置
北緯35度19分55秒 東経139度33分49.5秒
山号 鷲峰山
院号 真言院(眞言院)
宗旨 古義真言宗
宗派 真言宗泉涌寺派
本尊 薬師三尊
創建年 建保6年(1218年)
開山 智海心慧(ちかいしんえ)
開基 北条貞時
正式名 鷲峰山真言院覚園寺
別称 大倉薬師堂
札所等 鎌倉二十四地蔵尊 第3番
鎌倉十三仏霊場 第11番(阿閦如来)
文化財 開山塔、大燈塔、木造薬師三尊坐像ほか(重要文化財)
2024年07月27日
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