鹿島神宮(かしまじんぐう、鹿嶋神宮)は、茨城県鹿嶋市宮中にある神社。式内社(名神大社)、常陸国一宮。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。
全国にある鹿島神社の総本社。千葉県香取市の香取神宮、茨城県神栖市の息栖神社とともに東国三社の一社。また、宮中の四方拝で遥拝される一社である。
拝殿(国の重要文化財)
社名
神宮は常陸国鹿島郡の地に鎮座するが、その地名「カシマ」は、『常陸国風土記』では「香島」と記載される。風土記の中で、「香島郡」の名称は「香島の天の大神」(鹿島神宮を指す)に基づくと説明されている。「カシマ」を「鹿島」と記した初見は養老7年(723年)であり、8世紀初頭には「香島」から「鹿島」に改称されたと見られている。この変化の理由は史書からは明らかでないが、神宮側では神使の鹿に由来すると説明する。この「カシマ」の由来には諸説がある。主な説は次の通り。
「神の住所」すなわち「カスミ」とする説
建借間命(たけかしまのみこと)から「カシマ」を取ったとする説
建借間命(建借馬命)は、『先代旧事本紀』国造本紀に初代仲国造(那珂国造)として、また『常陸国風土記』に記述が見える人物。
「船を止める杭を打つ場所」を意味する「カシシマ」とする説
『肥前国風土記』に「杵島(きしま)」の由来として見える記述に基づくもの。
なお、神宮では現在社名に「島」の字を用いているが、自治体の茨城県鹿嶋市は佐賀県鹿島市との区別のため「嶋」の字が使用される。
祭神
江戸時代の鯰絵。上が要石を祀る鹿島神宮、下が剣をもち大鯰を抑える武甕槌神。
祭神は次の1柱。
武甕槌大神(たけみかつちのおおかみ/たけみかづちのおおかみ)
『古事記』では「建御雷神」、『日本書紀』では「武甕槌神」と表記される。
別名を「建布都神(たけふつのかみ)」や「豊布都神(とよふつのかみ)」。
境内
神宮の鎮座する地は「三笠山(みかさやま)」と称される。この境内は日本の歴史上重要な遺跡であるとして、国の史跡に指定されている(摂社坂戸神社境内、摂社沼尾神社境内、鹿島郡家跡も包括)。
境内の広さは約70ヘクタールである。このうち約40ヘクタールは鬱蒼とした樹叢で、「鹿島神宮樹叢」として茨城県指定天然記念物に指定されている。樹叢には約800種の植物が生育しており、神宮の長い歴史を象徴するように巨木が多く、茨城県内では随一の常緑照葉樹林になる。
文化財
国宝
直刀・黒漆平文大刀拵(ちょくとう・くろうるしひょうもんたちごしらえ) (附 刀唐櫃)(工芸品)
通称「韴霊剣」。昭和30年6月22日指定。
重要文化財(国指定)
本殿、石の間、拝殿、幣殿 4棟(附 棟札2枚)(建造物) - 本殿は明治34年3月27日指定、他3棟は明治44年4月17日指定。
摂社奥宮本殿(附 棟札1枚)(建造物) - 明治34年3月27日指定。
楼門(建造物) - 昭和41年6月11日指定。
仮殿(建造物) - 昭和51年5月20日指定。
梅竹蒔絵鞍(附 四手蒔絵居木一双)(工芸品)
鎌倉時代の作で、蒔絵の和鞍の中で最古のものである。社伝では『吾妻鏡』建久2年(1191年)の記事にある源頼朝寄進の軍陣鞍とするが、通常の軍陣鞍とは様式が異なっており、祭事に使用したものと推測されている。昭和34年6月27日指定。
国の史跡
鹿島神宮境内 附 郡家跡 - 指定対象は次の4か所。昭和61年8月4日指定、平成元年・11年・13年・17年・20年に追加指定。
鹿島神宮境内
摂社坂戸神社境内
摂社沼尾神社境内
鹿島郡家跡
現地情報
所在地
茨城県鹿嶋市宮中2306-1
付属施設
宝物館 - 開館時間:午前9時から午後4時。直刀(国宝)等の宝物を展示。
交通アクセス
鉄道
東日本旅客鉄道(JR東日本)鹿島線「鹿島神宮駅」(徒歩10分) - 鹿島臨海鉄道大洗鹿島線も乗り入れ。
高速バス
都心方面(東京駅・羽田空港・東京テレポート駅)から、高速バス「鹿島神宮」バス停下車(徒歩7分)。(次のバス停である「鹿島神宮駅」との混同に注意が必要)
車
東京・千葉方面からは、東関東自動車道 潮来ICから、国道51号を鹿嶋方面へ約20分。
銚子・神栖方面からは、国道124号を経由、水戸方面からは、国道51号をそれぞれ経由。
駐車場:鹿島神宮第1・第2駐車場(有料)のほか、市営駐車場(有料)が鹿島神宮駅周辺に点在。
2022年10月31日
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