● 「上巳」の節句とは?
本日3/3は「五節句」のうち、1月の「人日」に続く2番目・「上巳」一名「桃の節句」、 一般に女の子のお祭りとされる「ひな祭り」でしたね。 元々上巳・端午の節句は共に男女の区別なく祝われて居たらしいのですが、 江戸時代に入って分かれて行った様です。
ところで、ひな祭りといえば、 やっぱり先ずサトウハチロー作詞による「うれしいひなまつり」のあのフレーズが思い出されますね。
〜 あかりをつけましょぼんぼりに
お花をあげましょ桃の花 〜
前回の記事が暦に関わるモノでしたから、 ここはやっぱり上巳が「桃の節句」と呼ばれる事に目が行きますねぇ。 この種の伝統行事は、元来旧暦が前提になって居ますから、 新暦(グレゴリオ暦)ではどうしても時期外れになって仕舞います。 やっぱりまだ桃の花には少々早いみたいですね…
そういえば、この歌の更に進んだ所で、
〜少し白酒めされたか赤いお顔の…
と、いうフレーズが出てきます。 Wikipedia の「雛祭り」の項目にもある様に、 この日は「ひなあられや菱餅を供え、白酒やちらし寿司を飲食して祝う」ものとされて… 居るものだと思っていたのですが、 昨今スーパー等のひなまつりコーナーを見て居て「白酒」が置かれて居ない事に気づきました。
流石に市中隈なく探した、というワケには行かないのですが、 いくつか訪れたスーパーには悉く置かれて居ないのです。 (念の為付け加えますが、何れも酒類を扱っている店舗です) で、代わりに置かれていた物は、これも悉く「甘酒」でした。
■ P.R.
今まであまり気にして居なかったので、今回この事に気が付いて少々面食らったのですが、 これ何時ごろからの傾向なんでしょうか? どうも、ショッピングサイト等で「白酒」と検索しても、(日本酒の)「白酒」と明確に名乗って居る商品、 ひな祭り向けに売られている商品は皆無と言ってよい状況の様です。 筆者が子供だった昭和(と、言ってもかなり範囲が広いですが…)の頃には確かにひな祭りを控えた時期には 「白酒」が売られて居て、 漫画にもひな祭りにおよばれして白酒に酔っ払って…等と云うエピソードがよく見られたモノなのですが…
この「白酒」と「甘酒」と云うのは、昔から結構混同されている様で、 筆者も子供の時分、この「白酒」に「甘酒」の様なモノを期待していたりしたのですが… Wikipedia の「白酒(日本酒)」の項目にもリンクが記載されている農水省の「甘酒と白酒の違いはなんですか。」と云うページにも記載されている通り、 この両者には明確な違いがあります。 「白酒」の方は酒税法で「リキュール」に分類される、レッキとした「お酒」です。
…なので、当然本来(現代の法律的には)子供が飲んで良いモノでは無い筈なのですが、 そこはまあ、昔は正月のお屠蘇等もそうですが、まあまあ、お祝い事だから、そうカタイ事言わずに… な〜んてノリだったワケで… 若しかしたら、企業コンプライアンスが口喧しく叫ばれるこの令和の世の中、 お屠蘇は兎も角、紛う事なき「酒」である白酒を、 子供のお祭り向けと称して売る事が避けられる様になったのかも知れませんねぇ… 以上は筆者の全くの想像なのですが…でも実際ありそうじゃありませんか!? ホントのところどうなんでしょう…?
こちらが Amazon.co.jp の雛人形の売れ筋だそうです。 まあ、今年のひな祭りはもう終わって仕舞いますが… シンプルでかわいらしい感じ(加えて低価格)のモノが人気?