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2017年12月21日

家政夫パタリロ!(4)出戻り家政夫パタリロ!愛と涙の人情漫画の決定版です

みなさん、こんにちは。
ナツノナカノです。

先日から、ブログのPC版での表記がおかしくなっているので、もぞもぞしている内に日が経ってしまいまして。すみません

相変わらずおかしいままなのですが、もうお構いなしに更新して参ります。スマホ表記だと通常モードで表記されておりますので…へへへ(2017年12月20日現在)

最近「パタリロ」というワード検索でたどり着いてくださった方も多くいて、本当に嬉しい限りですね。ありがとうございます。やはり魔夜峰央先生の「パタリロ!」という漫画は広く知られていて、多くの方に読まれている漫画なんだな〜と、改めて先生の凄さ、作品の凄さ、パタリロ殿下がどれだけ多くの方に愛されているのかを知り、本当に感無量です


また、期間限定で「パタリロ!」の文庫が無料で読めたり…と白泉社さんでも「パタリロ!」には会社をあげてプッシュをしていて、出版社サイドでも並々ならぬ想いがあるんだと、もう日々想いと妄想をはせておりますよ。


私などは1読者に過ぎませんが、魔夜峰央先生の「パタリロ!」をもっと沢山の方に知って頂けたらいいな、とまだまだこのブログは続けていきたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします


さて、今日は「出もどり家政夫パタリロ!」です。なぜか紛失していたこの巻ですが、見当たらないのでamazonキンドルで買い直しました。キンドルの良いところは数秒で手元に届く事ですね。しかしいかんせん、白黒!
demodori_kindle2.png



paperwhite(漫画モデル)なもんで、表紙も白黒なんですよ。もちろん、PC版やスマホのキンドルアプリを入れれば、そちらでは本来のカラーが美しく表現されております。
キャプチャ.JPG






さて、家政夫パタリロシリーズの4冊目です。100億円という莫大な借金を背負ってしまったお坊ちゃん“越後屋波多利郎”(えちごやぱたりろう)の人情劇です。このシリーズは一冊ごとにテーマがあるんですね
一冊目はタイトル通りの“家政夫パタリロ”二冊目は“女装娘パタリロ”三冊目は“妖怪ものパタリロ”そして今回のパタリロはずばり“愛と人情のパタリロ”ですね。そして「仁義なき家政夫パタリロ!」につながる布石である諜報活動(エスピオナージ)についてもちょっとだけ出てきます。






【出もどり家政夫パタリロ!】


前回、おクマさんと“ビストロ温泉”を経営し、順調に売上をあげていたおパタでしたが、前巻の最終話でうっかりのヘマをして、“アラファト家政婦派遣協会”に戻ってきました。つまり“出戻り”です。そしてすぐにお葬式の手伝いの仕事をするために、青山にある「本丸家」に派遣されていきます。

そして弔問客のための受付に座っていると、そこへ小さな子どもを抱いた若い女性がやってきました。その女性は亡くなった社長の愛人で、抱いている女の子は社長が認知した子供だというのです。

その女性が言うのには、「亡くなった社長にはお世話になり、またここにうかがえる立場ではない事は重々承知しているが、子供は難病を患っていて治療に大変なお金がかかる。自分の働きではとてもまかなえないので、今まで通り月々のお手当をちょうだいできないだろうか…」というものでした。

床に手をつき、頭を下げて頼み込む女性。しかし、喪主である社長の奥様は激昂し、「そんな子供が死のうが生きようが知ったことか!」そう言って手近にあったものを女性に投げつけました。

それは、女性の額に直撃し、流れる血を見た難病の少女は発作をおこし女性は慌ただしく帰って行きました。




社長の正当な娘“ひろ美”も奥様にとりなしてくれますが、頑なな奥様の心はほぐれませんでした。

ひろ美が言うには夫婦仲はもうずっと冷え切っていて、母もしょっちゅう家を留守にしていたがゆえだと…肩を落とします。

心配になったおパタは社長の隠し子である少女の入院先にも訪れますが、今度の発作で悪化した病気は手術しなければ助からない…と言われてしまいます。そしてその手術には二千万という大金がかかるというのです


おパタは奥様に頭を下げてお願いするのです。「人の親として、同じ母親として子供を失いかけてる、あの方のつらさをわかって欲しいと…」


それでも奥様は頑なな態度を崩しませんでした。


ところが、翌日女の子の入院先へ向かった奥様は二千五百万円が入った銀行口座の通帳と印鑑を母親に渡します。

そして「足りなければ言いなさい、そして子供が元気になったら今後の事を相談しましょう」と言ったのです。


実は奥様は昨夜、貧乏だった頃の夢を見たのです。社長が友人にだまされて多額の借金を背負い、会社が倒産した時の苦い思い出でした。


全てを失い生きる希望もつき、親子3人で心中を図ろうとしていた時に、まだ小さな幼子だった“ひろ美”が小銭の入った貯金箱を持ってきて使ってくれ…と言った時の事を。まだ小さな子供だったひろ美に奥様は心を救われ、そうして例え泥水をすすっても生き延びること、そしてどんなことをしてもこの子を育て上げるんだ、そう決心したのだそうです。自分たちは子供に救われた…でもあの若い女性は子供を失いかけている…そう思ったら同じ母親としてほうっておけなくなった、と奥様はおっしゃいました。


奥様…いい人でしたね…

この「出戻り家政夫パタリロ!」はこういう感じの、水戸黄門を彷彿とさせるお話がもりんこです。すれ違ってしまった人と人の心を結ぶきっかけを作る、おパタの活躍が見られますよ



出もどり家政夫パタリロ! (花とゆめコミックス)




魔夜先生の作品は全般を通して、悪い事をすると悪魔におしおきをされたり、良い人には幸せが待っていたりというような結末が多いですね。イソップ物語のような…。でも決して説教くさくないのは、そこにギャグがあったり、男女の恋愛を超えた愛があったり、近未来的なものや、大宇宙までにも話が及ぶからなのではないかと思います。人の心の機微を丁寧にすくい取って緻密で美しい漫画に仕上げる魔夜先生は、やはりすごい人だなぁと心から思うのです…



あぁやっぱりパタリロは面白い!
次回は家政夫シリーズ最終巻、「仁義なき家政夫パタリロ!」です

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