2017年12月12日
家政夫パタリロ!(3)ビストロ温泉パタリロ!魔夜先生の十八番、妖怪とギャグがてんこ盛りです!
家政夫パタリロシリーズとは…
老舗呉服問屋越後屋の御曹司として生まれながらも、父親が100億円の借金を残して死去。残された借金を前に途方にくれていた10歳の波多利郎は、祖父の知り合いであるアラファト家政婦派出協会の会長さんに助けられ、家政夫として働く事になり…仕事先のお金持ちの家で様々な問題を解決したり、女装して代理奥様として活躍したりする、借金返済物語なのです
ちなみにアラファト家政婦派出協会のアラファトとは、アソシエーション・オブ・ランダムアクセス・ファイティング・トルネードの略らしいです(あらゆる状況下において竜巻のように戦う機能集団の意)(笑)
家政夫パタリロシリーズとしては3冊目ですね。一冊目はオーソドックスな家政夫物語。2冊目は女装であまたの男性を翻弄する“男の娘”物語でしたwwさて今回は…
【ビストロ温泉パタリロ!】
日本に戻ってきたおパタとおクマさんは、新たなビジネスをして儲けようと考えます。そこで考えたのが、波多利郎の料理の腕を生かした「ビストロ」の経営でした。そしておクマさんが見つけてきたのが広尾の一等地にありながら家賃が月5万円といういわくアリの一軒家です。
その昔、日本軍が倉庫として使っていたその家は、経営者が全員行方不明になっているという怪しげな家でした。そうしておクマさんと波多利郎が居を構えると早速、元日本軍の兵士が妖怪となって現れます。しかし、二人は妖怪をも爆弾を使って撃退!その爆発でその土地には温泉が湧き、当初予定していた「ビストロ」に付加価値を付けた「ビストロ温泉」として店を開くことにするのです。
店全体に温泉を流し、テーブルの下で足湯に浸かりながら酒が飲める店、という奇想天外な発想を考えた二人。店は三階建てのビルを借金してまで建設しますが、やはり作業員が一人、またひとりという風に行方不明になっていきます。そこでおクマさんが呼んだのが、アラファト家政婦派出協会の“怪奇班”所属の主席調査官「山坂転太」(やまさかころんだ)です。ちなみに彼は黒いスーツに禿頭、鋭い眼光のおじいさんです。ビストロ温泉にしか出て来ませんが、彼はこの巻では毎度出てくるサブキャラクターです。
怪異専門家の山坂によれば、長年に渡り怪異(旧日本軍の妖怪)が存在していた空間がゆえに、この土地には暗黒空間が生まれそこに“悪しきもの”が引き寄せられるようになってしまったと…そこで、おクマさんと波多利郎は作業員行方不明の原因である、蜘蛛の化け物を退治するのですが…それはこの店の怪異のほんの序章だったのです…
さて、まるまる一冊妖怪のお話ですね。しかし魔夜先生の名作「妖怪缶詰」のような本格典なおどろおどろしいものではないです。だっておパタとおクマさんですよ(笑)存在がすでにギャグの二人ですから、妖怪もまぁギャグっぽいものばかり出てきます。そして山坂主任との協力で毎度出て来る妖怪を片付けていくというお話です。
しかし…おクマさんが出て来るようになって三冊目ですが、とにかくキャラが濃い!おクマさんは大きめの四角い顔につながった眉毛、剃ってはいるものの濃いめのヒゲ。赤い大きなリボンにポニーテールにした長い金髪のサラサラヘアー、大きな体格にお姉コトバ。そして自分が男性を悩殺してやまない一流の美女だと思っているんですよ。性別は多分男ですが、自分は女だといって聞かず、波多利郎ですら毎回つっこむことすら出来ないでいるという強烈なキャラです…はい。しかし、CIAの嘱託職員もやってるくらいですから、一流の身のこなしなんですよ。頭も良く、サバイバルの知識もあり、情報通で戦闘においては百人力です。素敵な(自称)女性なんですよww
この二人が活躍する物語はまだ続きます。この家政夫シリーズはやはりおクマさんあってのものですね。ぜひみなさんも読んでみてください!ほんと、面白いですから
あぁ、やっぱりパタリロは面白い!さて次回は紛失している「出戻り家政夫パタリロ!」の予定です…