2017年11月04日
秋晴れのある日、「怖い絵」展に行ってきました!
みなさん、こんにちは。
ナツノナカノです。
今日は土曜日なので漫画ではない話をすこし。
実は先日、上野の森美術館で開催中の「怖い絵展」に行って来ました。
怖い絵展
この展覧会、マスコミでもずいぶん取り上げられていましたし、中野京子先生著書の「怖い絵」シリーズも刊行から十年経ってもいまだに人気のある御本なのでご存知の方も多いと思います。「怖い絵」に関しては私なんぞよりももっと詳しい方が沢山いらっしゃるとは思いますが、私が感じた事を今日書かせて頂きたいと思います
もともとこの「怖い絵」というものは友人のNちゃんが、こんな面白いのやってるよ、とNHKの番組を紹介してくれた事がきっかけで知りました。今から数年前だと思います。しかしその時はいつもその番組を見逃し、録画も忘れ…結局本屋さんで中野京子先生の著書を手に取るまで忘れていたのです。それがようやく二年前くらいだったと思います。そしてまた時が過ぎ、この「怖い絵」展が開催される事をネットで知り、たまたまNちゃんとお昼を一緒に食べた時に「そういえば…」という話になったのです。Nちゃんとはすぐに「行こう!」という話になりました。
今の時代ってすごいですね。公式ホームページを見ると沢山の情報が載っているし、ツイッターでは混雑状況まで教えてくれます。おばさん二人びっくりですよ
HPを見るととにかく大変な混雑具合という話だったので、10時オープンに合わせて9時20分くらいには現地に着きました。しかし、すでにけっこう人が並んでいました。すぐに並びましたがオープンの10時をまわる頃にはすでに後方が見えないくらいの列が私達の後ろに並んでいました。チケットを買うのにも時間がかかるという事で、私は前日にローソンでチケット購入を済ませていたのですが当日窓口に並んでいる方も沢山いらっしゃいました。でも、ローソンでチケットを買うと味気ないあのペラペラの印刷用紙になるのですが、窓口でチケットを購入するとレディ・ジェーン・グレイの絵が描かれたチケットが手に入るのですよ。ん〜〜。二回目だったら絶対あっちに並ぶだろうなと思いつつ10時になり、かなり最初の方で入ることが出来ました。
まずは音声解説のヘッドホン(\550)を借りました。これはお好みですね。私は今回の展覧会は説明を聞きながら絵を鑑賞したかったので迷わずレンタルです。ナレーションは吉田羊さんです
入場してヘッドホンを借り、まずは2階からの順路になっていました。最初の一枚目の絵は人だかりがすごすぎて見られませんでした。でも!間違えてはいけないのはこの展覧会、空いているところから先に見て、混んでいるところは後で見るという事が可能だという事です。完全な一方通行ではないのですよ。だから先に1階の絵から見てまた二階に戻ることも可能な訳です。なので私は早々にスルーして先に進むことにしました。
そして今回の「怖い絵展」メインはやはり「レディ・ジェーン・グレイの処刑」なのですが…。
実は私の今回の目的は別にありました。それは「サロメ」です。
いずれ「サロメ」の話は日曜の本の話でしようかと思っていたのですが、今回の「怖い絵」展ではビアズリーが描いた「サロメ」の挿絵も展示されているのです。
これは見たい。どうしても見たい!と思っていたのです。なぜなら、このワイルド原作の「サロメ」はビアズリーの挿絵に惹かれて購入したからです。いわゆる表紙買いですよ
「サロメ」の絵にたどり着くまでにはいくつかの絵を鑑賞し、ナレーションを聞き説明書きを見てじっくりと堪能することが出来ました。入場制限がかかっているのか、混雑も最初の方だけで順路を進むとゆっくりと絵を見ることが出来ました。
そしてついに「サロメ」の絵に対峙したのですよ。
ヨカナーンの首に顔を近づけるサロメの絵。
それはやはり、初めて「サロメ」の本を本屋さんで見た時の感動そのままでした。妖しくて、グロくて美しい、緻密で繊細で想像力をかきたてられる、まるで悪魔の書を垣間見てしまったかのような、見てはいけないものを見てしまったかのような背徳感。それが私がビアズリーの絵に感じたものです。
見る人によっては“怖い”とか“気持ち悪い”という意見もあるでしょうし、私は好きじゃないな〜と思う事もあるかもしれませんが、絵とはそもそもそういう色々な感じ方で楽しむものだと私は思うのです。私はとにかくその「サロメ」の絵を見て、
ビアズリー先生の生原稿…と思ったんですよ。
その感動って、以前に「楽園」の原画展で「中村明日美子先生の生原稿…」と思った時とひどく似ていましたが…ww
ビアズリー先生の絵は2枚展示されていました。ヨカナーンの首に顔を近づけるサロメ、と原作の最後で王によって殺されたサロメを棺桶に移す絵、ですね
私としてはもうそこはじっくりと見て、堪能させて頂いたのですが他の絵ももちろん素晴らしいものでしたよ。印象派の巨匠セザンヌが若い頃に描いた暗くて怖い絵…これも興味深かったですね。「怖い絵」展ですからとにかくそこかしこの絵が全て暗い!そして絵だけではわからない“暗い”時代背景などを中野京子先生の注釈やら吉田羊さんの音声解説で教えてくれるのです。
そして最後に「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が現れるのです。
サイズはセミダブルのベッドを二つ並べたよりも大きなサイズです。
壁一面に飾られたそれは、本当に美しく悲しく、残酷で怖かったです。死刑執行人が手に持っている斧が生々しく銀色に光っているのが印象的でした
はぁ…もうちょっと見たい…と思うようにあっという間に終わってしまいました。
会場がけっこう小さいんですよね。でも、私は思うのです。この企画展は必ず第二、第三がある…と。
次にまた期待しつつ、ショップでお土産を買って帰りました。
「サロメ」グッズも色々と売られていましたよ。Tシャツとか、カップとか。今回私は「サロメ」一筆箋とポストカードを買って帰りました。さて、この一筆箋で誰に手紙を書いてやろうか…シャレがわかる人じゃないとな…とかなんとか思いつつ会場を後にしたのでした。
これから行かれる方も沢山いらっしゃると思います。できればチケットは事前にローソンチケットなどを利用して入手していったほうがスムーズだと思います。また。会場は混んでいるので、早めに到着するようにして、人混みの中はマスクなどあったほうが安心だと思います。
また、遠方の方で会場には行かれない方はぜひ中野京子先生の著書をご覧ください。きっと絵に対して感じていた感じ方を肯定してくれる…そんな気がするのです。実際私も、絵というものに対して「怖い!」「気持ち悪っつ!」って感じてもいいんだよ〜と専門家である中野京子先生に言われた気がしたのです。
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)
絵に感じる感性はひとそれぞれですから、それでいいのだと思うのです
ナツノナカノです。
今日は土曜日なので漫画ではない話をすこし。
実は先日、上野の森美術館で開催中の「怖い絵展」に行って来ました。
怖い絵展
この展覧会、マスコミでもずいぶん取り上げられていましたし、中野京子先生著書の「怖い絵」シリーズも刊行から十年経ってもいまだに人気のある御本なのでご存知の方も多いと思います。「怖い絵」に関しては私なんぞよりももっと詳しい方が沢山いらっしゃるとは思いますが、私が感じた事を今日書かせて頂きたいと思います
もともとこの「怖い絵」というものは友人のNちゃんが、こんな面白いのやってるよ、とNHKの番組を紹介してくれた事がきっかけで知りました。今から数年前だと思います。しかしその時はいつもその番組を見逃し、録画も忘れ…結局本屋さんで中野京子先生の著書を手に取るまで忘れていたのです。それがようやく二年前くらいだったと思います。そしてまた時が過ぎ、この「怖い絵」展が開催される事をネットで知り、たまたまNちゃんとお昼を一緒に食べた時に「そういえば…」という話になったのです。Nちゃんとはすぐに「行こう!」という話になりました。
今の時代ってすごいですね。公式ホームページを見ると沢山の情報が載っているし、ツイッターでは混雑状況まで教えてくれます。おばさん二人びっくりですよ
HPを見るととにかく大変な混雑具合という話だったので、10時オープンに合わせて9時20分くらいには現地に着きました。しかし、すでにけっこう人が並んでいました。すぐに並びましたがオープンの10時をまわる頃にはすでに後方が見えないくらいの列が私達の後ろに並んでいました。チケットを買うのにも時間がかかるという事で、私は前日にローソンでチケット購入を済ませていたのですが当日窓口に並んでいる方も沢山いらっしゃいました。でも、ローソンでチケットを買うと味気ないあのペラペラの印刷用紙になるのですが、窓口でチケットを購入するとレディ・ジェーン・グレイの絵が描かれたチケットが手に入るのですよ。ん〜〜。二回目だったら絶対あっちに並ぶだろうなと思いつつ10時になり、かなり最初の方で入ることが出来ました。
まずは音声解説のヘッドホン(\550)を借りました。これはお好みですね。私は今回の展覧会は説明を聞きながら絵を鑑賞したかったので迷わずレンタルです。ナレーションは吉田羊さんです
入場してヘッドホンを借り、まずは2階からの順路になっていました。最初の一枚目の絵は人だかりがすごすぎて見られませんでした。でも!間違えてはいけないのはこの展覧会、空いているところから先に見て、混んでいるところは後で見るという事が可能だという事です。完全な一方通行ではないのですよ。だから先に1階の絵から見てまた二階に戻ることも可能な訳です。なので私は早々にスルーして先に進むことにしました。
そして今回の「怖い絵展」メインはやはり「レディ・ジェーン・グレイの処刑」なのですが…。
実は私の今回の目的は別にありました。それは「サロメ」です。
いずれ「サロメ」の話は日曜の本の話でしようかと思っていたのですが、今回の「怖い絵」展ではビアズリーが描いた「サロメ」の挿絵も展示されているのです。
これは見たい。どうしても見たい!と思っていたのです。なぜなら、このワイルド原作の「サロメ」はビアズリーの挿絵に惹かれて購入したからです。いわゆる表紙買いですよ
「サロメ」の絵にたどり着くまでにはいくつかの絵を鑑賞し、ナレーションを聞き説明書きを見てじっくりと堪能することが出来ました。入場制限がかかっているのか、混雑も最初の方だけで順路を進むとゆっくりと絵を見ることが出来ました。
そしてついに「サロメ」の絵に対峙したのですよ。
ヨカナーンの首に顔を近づけるサロメの絵。
それはやはり、初めて「サロメ」の本を本屋さんで見た時の感動そのままでした。妖しくて、グロくて美しい、緻密で繊細で想像力をかきたてられる、まるで悪魔の書を垣間見てしまったかのような、見てはいけないものを見てしまったかのような背徳感。それが私がビアズリーの絵に感じたものです。
見る人によっては“怖い”とか“気持ち悪い”という意見もあるでしょうし、私は好きじゃないな〜と思う事もあるかもしれませんが、絵とはそもそもそういう色々な感じ方で楽しむものだと私は思うのです。私はとにかくその「サロメ」の絵を見て、
ビアズリー先生の生原稿…と思ったんですよ。
その感動って、以前に「楽園」の原画展で「中村明日美子先生の生原稿…」と思った時とひどく似ていましたが…ww
ビアズリー先生の絵は2枚展示されていました。ヨカナーンの首に顔を近づけるサロメ、と原作の最後で王によって殺されたサロメを棺桶に移す絵、ですね
私としてはもうそこはじっくりと見て、堪能させて頂いたのですが他の絵ももちろん素晴らしいものでしたよ。印象派の巨匠セザンヌが若い頃に描いた暗くて怖い絵…これも興味深かったですね。「怖い絵」展ですからとにかくそこかしこの絵が全て暗い!そして絵だけではわからない“暗い”時代背景などを中野京子先生の注釈やら吉田羊さんの音声解説で教えてくれるのです。
そして最後に「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が現れるのです。
サイズはセミダブルのベッドを二つ並べたよりも大きなサイズです。
壁一面に飾られたそれは、本当に美しく悲しく、残酷で怖かったです。死刑執行人が手に持っている斧が生々しく銀色に光っているのが印象的でした
はぁ…もうちょっと見たい…と思うようにあっという間に終わってしまいました。
会場がけっこう小さいんですよね。でも、私は思うのです。この企画展は必ず第二、第三がある…と。
次にまた期待しつつ、ショップでお土産を買って帰りました。
「サロメ」グッズも色々と売られていましたよ。Tシャツとか、カップとか。今回私は「サロメ」一筆箋とポストカードを買って帰りました。さて、この一筆箋で誰に手紙を書いてやろうか…シャレがわかる人じゃないとな…とかなんとか思いつつ会場を後にしたのでした。
これから行かれる方も沢山いらっしゃると思います。できればチケットは事前にローソンチケットなどを利用して入手していったほうがスムーズだと思います。また。会場は混んでいるので、早めに到着するようにして、人混みの中はマスクなどあったほうが安心だと思います。
また、遠方の方で会場には行かれない方はぜひ中野京子先生の著書をご覧ください。きっと絵に対して感じていた感じ方を肯定してくれる…そんな気がするのです。実際私も、絵というものに対して「怖い!」「気持ち悪っつ!」って感じてもいいんだよ〜と専門家である中野京子先生に言われた気がしたのです。
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)
絵に感じる感性はひとそれぞれですから、それでいいのだと思うのです
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6930035
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック