2015年05月11日
京都から岡山に引っ越して気づいたこと(五月生き物編)」
b.京都から岡山に引っ越してどうすか、チャリンコ的に、
a.リゾート地にいるような感じがする、自然豊かでクルマの来ない道ばかり走ってるし、写真で見ると美化されてなおさら、
b.この季節は森林浴というか、新緑まっさかりですが、
a.京都は杉が多かったけど、こちらは広葉樹や松も多くて、静かな山中を走ってると春ゼミの合唱によく出くわす、
b.ちょうどこの季節に広葉樹林で鳴くセミ、そんなんが居てるんか、
a.初めて聴いたときは、温暖化もここまで来たかって驚いたけど、実はそうじゃなくて、春の終わりに登場して真夏には店じまいしてる特殊なセミらしい、
b.絶滅危惧種に指定する自治体も多いとか、
a.あと京都と劇的に異なるのは悩ましいほどの毛虫、これにはちょっと参ったなあ、だいぶ慣れては来たけど、ちょうど今ごろ新緑のトンネルをくぐってると必ず上の方から自分の吐いた糸にぶら下がって、大小の毛虫さんが宙吊り状態になってる、いちいち避(ヨ)けるのも不可能やし、しょうがなく服に付けたまま走ることになる、
「生まれ出て 最初にさばる(=しがみつく) 服地かな」
b.付けっぱなしですか、
a.まあ三匹くらいが限度かなあ、もぞもぞ動いてるし、やっぱそれほど好きになれないし・・せっかくの出会いなんやけど路肩に止まってお別れや、
b.いちいち止まったら大変じゃないすか、走りながら指ではじき落とすとか、しないんすか、
a.下手すると潰(ツブ)れたり指にさばり付いたりするしなあ、それに生まれたばかりのひたむきな姿見てると心打たれるし、なるだけ落ちてる小枝をひろってそれに乗っけて道ばたの草むらへ置くようにしてる、ちょっとめんどくさいけど、
b.でも見えてない奴はやっかいですね、
a.そう、背中や首筋、あるいはヘルメットの中に来られるとホンマ困るし、そんな予感だけでも、虫嫌いなヒトは恐怖で走れなくなるかも、
b.毛虫のダメな人は絶対無理っす、
a.で、ぶら下がりの時期が過ぎると、今度はそれら毛虫さんが道に降りてきてモソモソと行進を始める、
b.ぶっとくて黒い毛足の長いやつは、ぶら下がらんと先陣を切っていきなり歩きはじめてますね、もぞもぞ、
a.あれは大きいから避けやすい、問題は小さい毛虫さんたちで、彼らはほとんど避けようがない、
b.毛虫に刺されたりカブレたりは無いんすか、
a.サイクリング中にカブレたことはないけど、京都にいたころ、ハチに刺されたことがあった、自転車こいでて、ほっぺたに何か当たってその瞬間もう刺されてた、速効で痛がゆくなって一週間ほど腫(ハ)れてたなあ、あと琵琶湖の近くで首筋がチクっとして反射的に手で払いのけたら、可哀想にてんとう虫を押しつぶしていた、そんなこともあったなあ、
b.春を過ぎるとヘビが道のど真ん中で日向ぼっこすることも、
a.ヘビもだんぜん岡山が多い、特に梅雨明けくらいからは気の毒なほど大小たくさんのヘビがクルマにひかれてペシャンコになってる、押し花はきれいやけど押し蛇はなあ、きっとバチ当たるで、
b.ヘビを自転車でひいたことは無いんすか、
a.たぶん1〜2度ほど、ほとんどはその手前でブレーキ間にあって、しばらくは立ち去るのを待ってる、
「道ふさぐ ボスヘビのたり のたりかな」、
「ヌシのヘビ 道あけるまで じっと待つ」、
「ボス蛇や 頼むし早う 退(ド)いちくり」、
b.でも、たいていは互いが互いにビックリして道を譲り合ってますね、
a.そう、ヌシのような大きなヘビはキモがすわってなかなか退(ド)いてくれないけど、たいていは互いにギョッとして、ブレーキと横断がちょうど良い呼吸で決まって、わりとスムーズに走れる、
b.春ゼミに毛虫やヘビか、岡山は生き物万歳ですね、
a.バンザイ過ぎてこっちが引くわ、