a.京都に居たころ住んでた嵐山のアパートは、裏手がすぐ山で、夜になるとシカがよう鳴いてた、
b.どんな鳴き声なんすか、
a.女性の悲鳴のような、最初聞いたときは何かの事件かと思ってギョッとしたほど、
b.でも、奈良公園のシカさんは可愛い声ですよ、
a.ほんまや、たぶん自分が聞いたんは、発情期のオスの声やと思う、縄張りを主張するために声をはり上げるとか、
b.ここは春日野(かすがの)、飛火野(とぶひの)とも呼ばれてるそうです、
a.そうか「とぶひの」が正解か、ずっと「とびひの」かと思うてた、
b.このあたりに「野守(のもり)の池」・「野守の鏡」と呼ばれる伝説の池があったそうです、
a.どんな池なんや、
b.「鬼の鏡」とも呼ばれていて、八方天地(はっぽうてんち=世界のすべて)を映し出すそうです、
a.どうやったら見られるんや、
b.鬼塚の前でしばらく祈ってると鏡をもった鬼が現れるそうで、その鏡にこの世界のすべてが映し出されるとか、
a.見たあとはどうなるんや、食われてまうんか、
b.いえ、鬼は鏡に世界のすべてを写したあと、大地を踏み破って地の底へもどって行くそうです、
「すべて見せ 大地を破り 消えていく」
a.その鬼が残したとされる松ぼっくりが、これか、
b.まさか、でも、そう言われると、この小枝も何かの骨のように見えるから不思議です、
YouTubeにアップロードされている謡曲「野守」。(作者のつごうで埋め込み禁止になっているため、リンク先をクリックしてご覧下さい)
https://www.youtube.com/watch?v=3AA-psjOi3U
a.そんな鬼が入って来られんよう、こんだけデカい門を作ったんか、
b.そういえば、このあたりは中世に入ると戦乱が続いて廃墟やったそうです、東大寺も全焼したんとちがいますか、
a.まさに野守(のもり)の鬼神(きしん)がこの地上をのし歩いてたんやな、
b.しかし、静かですね、
a.いつものスゴい群衆はどこ行ったんや、人気(ひとけ)が無いと、印象が全然ちゃうな(=ちがうな)、
b.これ、東大寺の南大門でいいんすか、
a.うむ、これも日本最大の山門らしい、
b.なんで平地なのに山門なんすか、
a.山岳仏教の名残やろ、
b.ところで、ようやく今回の旅も終わりを迎えますが、
a.自転車の移動には狭すぎたけど、さすがに奈良市の中心部は見所いっぱい、結果10回も続けてもうた、
b.最後になにかあればひと言、
a.そうやなあ、動ける時に動いといて、ホンマに良かったと思う・・・
今回の旅をスライドショーにまとめました。BGMはデクスター・ゴードン・カルテットの名盤「Biting the Apple」からスローテンポの「Sky Lark」を・・・ウトウトしないで見るのは至難の業(わざ)であります。
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