a.百間川河口から上流をながめると、右前方に横たわる山塊(サンカイ=ひとまとまりの山)が芥子山(ケシゴヤマ)、今回はその頂上付近に咲いている百合(ユリ)の花を見に行こうと思う、
b.芥子山(ケシゴヤマ)はどんな山すか、
a.瀬戸内海から児島湾に入ってきた船が一番最初に目にするのがこの山じゃないかなあ、児島湾あたりからながめるのが一番姿も美しい、周りは平野だから、わずか233mなのに存在感がある、
b.でも、これを自転車で登るのは大変じゃないすか、
a.自転車で登れるのは220mまでだから海抜5mのふもとからそれほど登らないけど、前半にきっつい直線の坂があって、これが最大の難所、ここさえ我慢すれば何とかなる、
b.自転車で登るこの山の魅力とは、
a.とにかくながめがいい、南斜面は果樹園で樹木がないから、児島半島や百間川(ヒャッケンガワ)、吉井川など一望できる、またルート的にも頂上付近で周回できるから行きと帰りで景色の変化も味わえる、
b.しかし、えげつなくモヤってますね、
a.昨年の6月16日やけど確かにひどいな、児島湾と吉井川の河口がギリギリ確認できるほど、空気が澄んでたら対岸の四国まで見渡せるのに、
b.つまり、今回の目玉は見晴らしじゃなくユリの花ってわけか、
a.山頂手前の周回コースの一番目立たない場所に、驚くほど多くのユリがいっせいに咲いてた、これほど色とりどりのユリを一度にながめるのは生まれて初めて、わしは三国一の幸せ者や、
b.地元有志の方々が植えられたんでしょうね、
a.この山はとりわけ地元のヒトに愛されてるから、いつも誰かが登ってる、それにクルマでも登れるからここまでしっかりと手入れできるんやろうなあ、
b.それにしても見事ですね、
a.つぼみが裂(サ)けて花が開くから、「咲く」って読むんやな、
b.なるへそ、そりゃありそうですね、
a.そこでまじめに一句や、「ユリ裂(サ)けて 気もち色づく 芥子(ケシゴ)かな」
b.ところで、話はちがうけど、数年前に「日本縦断こころ旅」で、この山のふもとを一行が通り過ぎたとか、
a.あの道や、左下に線路とビニールハウスにはさまれた農道みたいな細道が見えてるやろ、
b.あれはJR赤穂(アコウ)線の線路、ここからどう行ったんすか、こころ旅軍団一行は、
a.JR岡山駅から出発して、ゴールは牛窓港やった、
b.直線で24キロ、じっさいは30キロくらいか、最近は火野さんの体調を考えて、20キロ弱で走ることが多いけど、
a.火野さんの何がすごいって、昭和丸出しのカラダにきっついタバコ「ハイライト」を吸って、酒も飲んで、食事は店屋物ばかりで、橋が怖くて、毎日カメラとマイクとオバチャンに囲まれて、おまけに60代中盤、これだけマイナスを背負って何年も日本縦断してるんやから、そのすごさは田中陽希君以上かも、
b.誰すか、田中陽希って、
a.昨年、南から日本百名山一筆書きを済ませ、今度は北から新たなる百名山一筆書きに挑もうとしている若き冒険家、火野さんと同じNHK・BSで昨年の一筆書きを再放送している、
b.スゴい人がいるもんすね、体力的に充実しきった30代とはいえ、
a.火野さんが平地や町をぬっての日本縦断、田中君はより険しい山々を結んでの日本縦断、ふたつセットで見ると面白さも倍増や、
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