(注:柘植川を渡ってからの道すじに記憶ちがいがあるやも・・・)
b.平野が広がって、やっと山のはしっこが見えてきた、
「山の端(ハ)を右へ回れば都会かな」、
a.いやいや、伊賀上野の中心部はもうちょっと先、今しばらくは田園風景をながめていよう、
b.しかし、すぐ分かりますね、神社のある森って、
a.木が人格っていうか神格(シンカク)をそなえてるしなあ、たぶんモノ言うてるんちゃうか、
b.木がしゃべるんすか、
a.神様の木やし、きっとちょっとはしゃべるやろ、
b.陽夫多(ヤブタ)神社、ちょっと変わった名前、どういう意味かなあ、
a.さっそくウェブで調べちくりぃ、
b.この素晴らしいホームページによりますと、むかしは「薮田」という字が当てられた時代もあったとか、
a.そうか、じゃあきっと神社が造られたときは、このあたり一面、草木の生(オ)い茂る薮(ヤブ)がほとんど、それを切り開いて田んぼが点々とあるような、そんな原野に近い場所やったんかなあ、
b.なるほど、そんな出来たてホヤホヤの、か弱い農地が無事に作物を生み出すよう神様にお願いしたのかもしれませんねえ、
a.話ちがうけど、コレ、遅咲きの八重桜(ヤエザクラ)かなあ、桃のようにも見えるんやけど、
「参道の花はサクラかモモの花」、
b.同じバラ科なんでけっこう似てますね、
a.このあたり一帯、神社わきの歴史的集落もふくめて深い味わいをたたえていて、ずっと居たくなるほどやけど、城や峠も待ってるし先へ進もうか、JR関西本線をくぐって大きな川へ合流や、
b.柘植川(ツゲガワ)か、川ぞいに家々も軒(ノキ=屋根のヒサシ)を並べて、少し町になってきやしたぜ、親方、
a.川の向こう岸にそって大和(ヤマト)街道も走ってるそうや、
b.どことどこを結んでるんすか、
a.奈良と伊勢やろ、きっと、よう知らんけど、
b.さて昭和のおもむきただよう橋を渡って、柘植川(ツゲガワ)のむこう岸へ、
a.歴史の古そうな道やなあ、ゆるいカーブが心地いいや、
b.道と同様、この神社も古そうですね、
a.府中神社っていうんか、
b.明治42年より以前は若宮八幡宮(ワカミヤ・ハチマングウ)って呼ばれたそうです、
a.オマエなんで知ってるんや、そんなこと、
b.こちらのホームページから豆知識をお借りしました、
a.おお、コレもけっさくホームページ、この地域の街道はすべてカバーしてら、
b.ところで、「伊賀上野」の上野ってどういう意味すか、
a.広辞苑で「上野」っていうと、ここ伊賀盆地の中心部か東京の上野のどっちかやな、
b.いや、そうやなくって、もともとの意味、
a.高台っていうような事やろ、台地みたいな、少し高くて平べったい、
b.じゃあ、もしかしてあんな感じですか、
a.うむ、まさにアレちゃうか、あの高台に上野城や芭蕉の生家(セイカ)があるんやで、きっと、
b.ではさっそく上野の高台へ登ってみましょう、
a.なるほど、登ると風景がらりと変わんなあ、
「風景のがらりと変わる高台へ」、
「ちょっとだけ登れば一変(イッペン)城下町」、
b.ここが上野城の城下町か、町並みもそれ風に統一されて気分いいなあ、
a.そしてここが松尾芭蕉の生家(セイカ)、
b.とても賢(カシコ)そうな男子高校生二人づれが入って行きやしたぜ、生家の中へ、
a.俳句をたしなむインテリ高校生かなあ、なんか知的で気品があっていいねえ、
b.どうします、我々も入りませんか、
a.そうやなあ、入館料300円とられるしなあ、お城も見たいし、峠も待ってるし、次にしょうか、
b.じゃあ代わりに外灯でも写しときましょう、
a.ああ、こんなとき貧乏人はちょっとさびしいなあ、
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