iPadで編集後、iCloudで公開しています。
https://www.icloud.com/journal/ja-jp/#1;CAEQARoQZERUuABtLukjz2Qbnzsg-w;7E51CBFB-1F3D-4C0D-94A9-E6D487E0F8B9
b.しかしなんだか心細いっすね、茶畑が見えなくなって、道は薄暗いし、ときおり視界が開けても、どこか分からない山並みが果てしなく続くばかり、
a.それに、ずいぶんクルマを見てないなあ、さきほどオフロードバイクの人とすれ違ったくらいで、
b.それにハイカーが全然いませんね、京都の保津峡(ホヅキョウ)ならもっとすれ違うけど、
a.まあ単調な山道だからなあ、ここ歩いても甲斐が無いやろ、
b.確かに、単調な道ですね、同じ森の中をグルグル回ってるようや、
a.ぜんぜん、腹も減ってないけど、ここらで休憩するか、ずっと地味に登りっぱなしで、先も長いし、ところで今何時や、
b.午後1時過ぎです、
a.近鉄奈良駅を出たのが9時半頃だから、かれこれ4時間か、
b.しかし、のぼり坂続くと、なんで食欲わかないんすか、エネルギー使ってるはずやのに、
a.きっと、胃に行く血液も坂を登る筋肉の方に行ってるんやろ、
b.おむすび飲み込むのもおっくうや、
a.ちゃんとゆっくり噛んで食べえや、じきエネルギーに変わるんやし、
b.もうここまで来たら、行くしかないっすね、
a.行くしかないっす、それに坂もそれほどきつくないからきっと大丈夫っす、景色は同じような森ばかりであまり楽しくないけど、
b.じゃあ、そろそろ行きますか、
a.しばらくアップダウンしながら、それでも少しずつ登って海抜500mくらいか、
b.ようやく人の気配を感じる畑が見えてきました、
a.おお、なんだかホッとするな、おまけに集落におそらく一つしかないであろうジュースの自販機には鮮やかな黄色のロードバイクに乗った若者もひとり、感じ良くあいさつされると何か照れるな、
b.ところで、この山村は明治時代に開拓された比較的新しい村なんすね、
a.名前が良いなあ、「童仙房(ドウセンボウ)」、
b.ウェブで調べたら、有機無農薬栽培の宇治茶を名産としてるようです、宇治といえば京都もずっと北の方ですけど、
a.実際には、ここ南山城村や和束町なんかが中心になって宇治茶ブランドとして売ってるようやな、じっさい宇治の方は家がいっぱい建てこんでるし、茶畑もだんだん南の山間部へ移ってきたんとちゃうか、
b.なるへそ、なんだか応援したくなってきたなあ、童仙房茶舗(チャホ)、
「山奥で農薬フリーの茶に挑む」、
童仙房茶舗さんのホームページ
http://dosenbo-chaho.com/
「Amazonさんからもお求めいただけます」
b.民宿とか、小さな小学校まであるのか、
a.いや、たしか小学校の方は廃校になって、校舎を再利用して陶芸家などアート関係の人たちが活動してるようや、
b.ぎりぎりの所でやってるんやろなあ、
a.のどかな場所やけど、住むとなったら大変だろうなあ、
b.そんな心細いほど人の少ない童仙房から野殿へとアップダウンがつづき、その小さな集落までとうとう無くなってしまいました、これほど人が恋しいと思ったことも久しぶりであります、
a.もうじき、左手に分かれ道があるから見落とさないように進もう、
b.もしかしてこれっすか、
a.伊賀と甲賀の分岐点か、まるで忍者の世界やな、
b.ここなら誰に気づかれることもなく、自由に移動できそうです、
「伊賀甲賀、入り乱れての三国越(ミクニゴエ)」
a.ところで、伊賀と甲賀ってどう違うんや、同じ忍者でも、違いがあるんやろ、
b.僕ら子供のころ、忍者ごっこっていうと、伊賀と甲賀に分かれて、背中に刀をしょって手裏剣投げ合ったけど、実際どうだったのか、
a.なるほど、ウェブにあったぞ、これによると、元々は山ひとつ隔てた同業者で協力関係もあったんやけど、信長亡きあと、伊賀は徳川に、甲賀は豊臣に仕えたんで、これがきっかけで対立関係が生じたとある、
b.じゃあ我らが向かうのは、豊臣側の陣営でござるな、
a.うむ、気をつけて参ろう、このあたり伊賀甲賀入り乱れておるからの、巻き添えを食らわんとも限らん、
b.じゃあこれで、ようやく三国越(ミクニゴエ)林道ともお別れということですか、
a.そうだな、ここからはおそらくひたすら下りが続いて滋賀県信楽町(シガラキチョウ)の中心部へ吸い込まれていくはず、
b.じゃあ次回は、久々にラクできそうですね、
より大きな地図で 三国越林道の中間部分 を表示
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image