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2023年10月16日

自分の不注意で立て続けに琵琶湖で亡(な)くしたコンデジ2台の思い出(前編)


カメラに目覚めたのはフィルムカメラ時代末期(まっき)・・・わずか数年後、デジタルカメラという明治維新なみの動乱が巻き起こるとも知らず、のんきに暮らしてたと、

いきなり、タラレバを言わせてもらうけど、もしカメラに目覚めるのがあと5〜6年遅かったら、庶民にも手が届く300万画素程度のデジタルカメラが出回っていたから、なにも迷うことなくデジカメひとすじで行けたんや・・・ところが、こともあろうか(=よりにもよって)1996年当時、フィルムカメラはジュラ紀の恐竜なみに市場を独占していたので、とりあえずそこに首までどっぷり浸(つ)かり、そのわずか数年後には、早くもフィルムカメラの深い沼からはいあがって、1からデジタルカメラと向き合う、という最もやっかいな道すじをたどることに、

でも、わずか数年間とはいえ、フィルムカメラの世界をかなり深く体験できて、それはそれで良かったんちゃいます・・・今じゃカメラもフィルムも絶滅の危機にあって、体験の幅もメチャ狭(せま)なってますし、

プラス思考は大事なんで、そういうことにしとくけど、アナログレコードを全部CDに買い替えたように、カメラも全部デジタルに入れ替えるには、経済的にも心理的にもけっこう大変なわけで、

ちなみに、どのへんでデジタルカメラに移行したんすか、

200万画素くらいだと粗(あら)過ぎて無理やったけど、300万画素を超えたあたりで、パソコンモニターで鑑賞する分には何とかいけそうな画質になってきて、価格もだんだん庶民的になったのも追い風となり、最初のデジカメはオリンパスの『ミュー10』を、

たしか実家で昭和40年代に購入した最初のフィルムカメラもオリンパス(現在の OM SYSTEM )製でしたね・・・ハーフサイズとかペンサイズとか言って、当時まだ高価だった35oフィルムを2枚分に分割して倍の枚数撮影できるどの家庭にも最低1台はあった国民的大ヒットコンパクトカメラ『オリンパスペン』、

ちなみに、実家にあった最後のフィルムカメラも、オリンパス製で、『オリンパスペン』と同じくらい国民に支持されたコンパクトカメラ『ミュー』シリーズの末弟(まってい=末っ子)、最もシンプルで簡易防水で広角35oのシブい奴(やつ)、

たしか、森山大道氏もこの機種だけで大阪中心部をスナップしまくってモノクロ写真集を出されたとかいう、

ところが、デジタルカメラになって登場した最初の『ミュー』は、フィルムカメラ時代の愛機 RICHO GR-1のシブいマグネシウムボディに比べると、何から何まで小学校低学年向けみたいなオモチャっぽさでガックリ・・・けれども、そんなガッカリと同時に、フィルムカメラで味わった現像の苦労から解放された喜びもかなりなもんで、

ちなみに、当時コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)とは対照的にデジタル一眼レフは、まだまだありえない価格帯で、しかも年々性能が上がっていくから、買ったとたんに次の新型に買い替えるという嵐のような状況が続いてたと、

だもんで、一眼レフなんかとても買う気になれず、性能がやっと安定期を迎えた2015年になって、ようやく最初のデジイチ(デジタル一眼レフカメラ)、1600万画素のPENTAX K-50を購入・・・それまでの10数年間は、ひたすらコンデジを渡り歩くことに、

そんなデジタルカメラ黎明期(れいめいき=幕開け時代)ですけど、自転車とコンデジをセットで考えると、身軽さという点ではかなり有利だったのでは、

たしかに、オリンパス『ミュー』シリーズなら、バックパックのショルダーパッドにベルクロで取り付けた小さなカメラポーチだけでじゅうぶん・・・モニター見ながら直感的・瞬間的に露出も決まってメチャ便利やし生活防水やし、電源スイッチを兼ねた大きなレンズバリアは安心感しかないし、とくに荷物を軽く小さくしたい輪行時は、これしかないほど便利で、

結果、フィルムカメラ時代よりも、さらにのびのびと、ほぼ毎週輪行するように、

カメラの画素数も、300万、500万、1000万(いっせんまん)と年々精細さを増し、価格もよりこなれてきて、320万画素のオリンパス 『ミュー10 (テン)』の次に購入したのが、500万画素の『ミュー40』、

これがびわ湖エリアで犠牲になった最初のカメラであると、

週末は京都駅で9割以上の乗客が降りてしまい、ニンマリするほどガラ空(す)きな琵琶湖行き普通列車を活用し、びわ湖エリアへの輪行も完全に習慣化したそんなある日のこと、夏の終わりか秋ごろだったか忘れたけど、その日は荒神山(こうじんやま)あたりの素晴らしい景色をミュー40で写しながら、気ままに移動していて、

荒神山ってどのあたりすか、

久々に地図でも埋め込んでおこうか、



なるほど、琵琶湖も東エリアの沿岸部としては珍しく、ここだけちょっとした小山が、

道も頂上まで完全に舗装されて走りやすく、その気になれば、自転車でも気軽に登れるくらいの坂で、頂上付近からはびわ湖が一望できたり、北麓(ほくろく=北の山すそ)は、県立の文化スポーツ施設が集中したり、ちょっと足を伸ばせば彦根の城下町もすぐそこという、カメラで撮影するには何かと楽しいエリアで、

そんな荒神山(こうじんやま)のすぐ北に広がる小さい沼地でやらかしたんすか、

ショルダーパッドのカメラケースからコンデジを取り出しては写し、またケースに収めての繰り返しもすっかり板について(=習慣化して)、なにも考えんでも自然な動作として出来るようになったのが良かったのか悪かったのか、ケースから取り出したコンデジ、ミュー40がスラッとスリム過ぎたのが仇(あだ)になったのか、わずかな気のゆるみから、カメラは手から滑り落ちて地面へ・・・それだけならまだしも、気が動転して自転車まで動き出し、前輪がカメラを押しつぶす結果に、

野田沼(のだぬま)っていうとこすね、

沼地という陰気な雰囲気は無く、すぐそばに広がる琵琶湖の良い面だけを集めてギュッとコンパクトにまとめたような静かで雰囲気の良い公園で、バス釣りの若者たちがいつも数名水辺に立っているような、

しかし、落とすだけならまだしも、前輪で踏みつぶすとは、

どう見ても修理不能というか、修理したら新品よりも高くなりそうで、これを機に、オリンパス『ミュー』シリーズからはいったん離れ、ずっと気になっていたキヤノンのハイエンド(イチバン性能の高い)コンデジ『パワーショットG7』を中古で購入、

これならひとまわり大きくグリップもそれなりに付いてるし、不注意から手を滑らして落とす危険性も少なそうな、

その代わり、カメラケースもひとまわり大きなモノが必要になり、大きめのレンズポーチをハンドル前に取り付けて、そこからG7を出し入れするように、

(後編につづく)
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