どうすか、ブルックスのサドル、
サドルやサドルバッグをつつむ箱や布や紙の質感からすでに異次元レベルというのか、
そういえば、イギリス製で何かを買ったのは、今回が生まれて初では、
そういえばそうや・・・これまで海外製品といえば、アメリカか東南アジア・・・どちらも、中身が保護されたらじゅうぶんといったドライでサバサバした感じに対して、外箱から入念に作り込んでくる英国老舗(しにせ)メーカーの物作りは、なにか根本的に異質な魅力があって、
創業1866年・・・自転車が発明されるはるか以前から、乗馬用の鞍(くら=サドル)なんかを作ってたんすね、
1920年代に全盛期を迎えたそうで、そのころはオートバイのサドルまで、
『シンプル・イズ・ベスト』なもの作りの典型を見ているような、
いかにも振動吸収性の良さそうな、ずっしりと長い鉄のサドルレールの上に 高級そうな分厚い牛革(ぎゅうがわ)を1枚乗せただけ・・・よほど自信が無いとできひんシンプルさ、
イタリア大手サドルメーカーの傘下(さんか)に入る以前は、サドルに使う理想的な牛革のために専用の牛まで育てていたとか、
箱をあけると革製品特有の香りが立ちのぼってきて、なんか懐かしい気分になるなあと思えばそのはず、これは小学校入学と同時に背負いはじめたランドセルの香り、
サドルバッグのほうはどうでした、
実用的と言うにはあまりに少ない容量で、完全に洒落(しゃれ)の世界・・・チューブとタイヤレバーと軍手でパンパンやけど、さすが専用バッグだけあって、これが有ると無いとじゃ、サドル後方からのながめに天地の開きがあって、どうせなら少し無理しても購入すべき・・・サドルの傾きを微調整するさい、いちいちサドルバッグを外さんでもええという地味な利点もあるし、
サドルを明るめのハニーブラウン、サドルバッグをおちついた暗めのブラウンとしたのも、色味(いろみ)に変化がついて正解だったような・・・で、かんじんの座り心地ですが、
乗り始めはしばらく硬いという感想がほとんどやけど、じっさいは言われるほど硬くもなく・・・というか、むしろ乗り始めからすでに快適、
皮革(ひかく)製品の保護と柔軟製を高める専用クリームについては、
皮革製品をよりしなやかにより長持ちさすために、いろんな天然成分がブレンドされてるみたいで、ハーブ系の深みある香り・・・最初は、柔軟性や耐久性のため裏側にもしっかりしみこませて、2回目からは数ヶ月おきにオモテ面をメインに時々裏側にも塗ってやればええみたい、
雨にはめっぽう弱いんで、濡れたらしっかり乾かしてすぐクリームを塗り込むとか、
なもんで、いつ降られても構わないよう、いつもスーパーのビニール袋を用意しておきたいし、なんならこのさいクラシックなフェンダーを付けてやるのも良さそうな、
購入から三ヶ月以内にウェブでサドルを登録したら長期保証が受けられるとか、
サドルの裏側に記号と数字が刻印されてるんで、この製造番号に個人情報をいくつか添えて送信すると、なんと3年保証が10年保証に、
じゃあ75歳までは安心できると、
こうなると、サドルよりカラダのほうが心配や、
そういう意味でも、この時期に購入しといて正解すね、
皮革(ひかく)製品の常として、年を追うごとに自分のカラダに馴染(なじ)んでくるし、使い込むほどに見た目も味わいを増すし、どんどん長生きしたくなるがな、
ランドセルの時は、そんなことを感じるまもなく中学生になってましたから、おなじ革(かわ)製品でも、還暦過ぎに出会った革サドルは、実用に加えて観賞用・長生き用としても、手入れのし甲斐(がい)があるような、
この革サドルと共に、最低でも100歳までは元気に走ろうって気になってくるもんな、
還暦過ぎといえば、大阪梅田でピストバイク専門店『マスターピスト』のオーナーをされている中瀬氏もブルックスを大いに評価されてました、
氏のモットーである『退化こそ進化』をこれほど体現したサドルも他に無いもんな、
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この世に自転車がまだなかった馬具(ばぐ)の時代から、一貫して革製品を大事にし続ける奇跡的メーカーとして、これからも大いに自転車乗りを楽しませ続けて欲しいすね、
ちなみに、ブルックスが1866年創業に対して、太田胃散を生みだした製薬会社『雪湖堂』も1879年創業と、なかなかなもんで、
ありがとう太田胃散、良い(イー)薬です、
ありがとうブルックス、良い(イー)サドルです、