カメラを語るとき、定期的にこの問題が浮上しますね・・・誰も買いそうもない、フィルムだけデジタルセンサーに換装(かんそう)しただけの、メチャ不便そうなカメラ、ノドから手が出るほど欲しい問題、
時々むしょうに、メチャメチャ不便でメチャメチャ引き締まった、ちょうどフィルムカメラ時代の銘機(めいき=傑作) PENTAX LX を現代によみがえらせたような、スタイリッシュなデジタルカメラとレンズが欲しくなるんや、
メチャ不便って事は、当然動画も撮影出来ないし、
そう、露出(明るさ調整)やピント合わせも自分の目と指先で、
だったら、このさい液晶も無しにしますか、
おお素晴らしい、だんだんチミも、引き算美学の趣旨が分かってきたみたいやな、
そうなると、どうしても使いたくなるのが、ペンタックスさんの光学ペンタプリズムファインダーすね・・・今のところ20万円前後で売られているK-3mark3 のみに搭載されているアレ、
カメラの歴史に刻(きざ)まれるであろう、高品位ガラス製ペンタプリズム光学ファインダーの素晴らしい視界を、より純粋に楽しむためには、液晶なんて無い方がええに決まってるし、機能を最低限に絞り込めば、その分より引き締まったボディに出来るし、価格もぐっと下げられるし、バッテリーもより小さくより長持ちするし、ええこと尽(ず)くめなんやけど・・・自分の言うてること、まちごうてるかな、
いや、ごく少数かもしれませんが、確実に存在するんちゃいます、この手のネオクラシックみたいな発想・・・ただ、いざ作るとなると、こんな頑固なカメラが果たして一定数、売れるのやら、
フィルムカメラがそろそろ終わりを迎えようとしていた1990年後半から、自転車とセットでカメラを趣味としはじめたんやけど、当時は、カメラが自動でピントを合わせるオートフォーカスが、手動でピントを合わせる昔の方式をどんどん駆逐(くちく=追放)していく時代でもあり、
ええ事やないすか、誰でも便利に使えるようになって、
けど、その便利さと引き換えに、カメラが家電化していって、高機能化するほど、それまであった美しさや気品が、どんどんそぎ落とされていくような時代でもあり、便利でありがたい反面、ホンマにこれでええんかなあという疑問も、一部のカメラファンには根強くあって、
そういえば、フィルムカメラも終わり頃になると、レンズの方も家電化して、安くて軽くて広角から望遠までもれなくカバーする高倍率ズームレンズが登場してきますね・・・ジャパネットで、家電化したカメラボディと抱き合わせで、今だけの大幅値引きとか、ハイテンションで売ってそうな、
この高倍率ズームレンズの登場とセットで「自重(じじゅう)落下」っていう変なカメラ用語が世に出たのもこのころで、
高倍率のズームレンズになると、望遠になるほど、カメラのサイズがメチャ長くなるんで、ぶら下げてるだけでみずからの重さで勝手にニョキニョキとレンズが伸びてしまうという、メチャだらしない現象すね、
これなんか、便利さばかり追求して、持つ喜びを無くした家電カメラの典型的なマイナスイメージやけど、じっさいズームの倍率は上がるし、ピント合わせは機械まかせやし、便利は便利・・・でもその反面、機能と価格に集中するあまり、どんどんオモチャっぽくなってくような、
つまり前世紀終わり頃には、すでにカメラが美しさや気品みたいなものを失い始めていたと、
なもんで、フィルムカメラ時代の終わりに、RICHO GR 初号機が世に出たとき、便利なほど正義とされる家電カメラの安っぽさとは一線を画した、気骨(=独自の信念)を感じさす、引き算の美学を体現するカメラが登場して、静かなる大ブレイクを引き起こしたんや、
なんで「静かなる」なんすか、
カメラ業界も、今とはまったく違って、作れば作るだけ売れる平和な時代やったから、RICHO GR の登場は、ごく一部の熱烈な支持者を獲得したけど、家電化していくカメラ業界全体の流れを変えるほどのチカラは無かったんや、
で、カメラもデジタル時代に突入して、さらに家電化が加速していくと、
それに加えて、動画撮影もふくめた果てしない高機能化を追求するために、ハイエンドモデルの価格が、大阪のギャグやないけど、ハイ100万円とか、異様に跳ね上がるというダブルパンチ、
そんな時代に逆行するかのように、ペンタックスさんが、今年に入って、フィルムカメラ再生プロジェクトを立ち上げましたが、これについては、
自分でフィルム現像するかなりな手間ヒマを考えると、フィルム部分だけをデジタル化しただけの、フルマニュアルカメラがどうしても欲しい・・・それ以上でもそれ以下でもないフィルムカメラみたいなデジタルカメラが、
AF機能が無い、自分の目と指先でピントを合わせる、マニュアルフォーカスレンズもセットで売り出して欲しいと、
最初のレンズとしては、現在売られているリミテッドシリーズの、標準マクロをそのまま流用して、スカスカしないピントリングに作り替えて、被写界深度が正確に計れる距離目盛りと絞り目盛りが刻印された、できればフードもスカスカしない固定式にして、
そういえば、リミテッドレンズシリーズの伸縮式フードは、いずれも見た目・使用感ともに何とかなりませんかねえ、
ともあれ、標準マクロに加えて、同じリミテッドシリーズから広角21mmと望遠70mmもフルマニュアルレンズにすれば、この3本でおおかた行けるんちゃうか、
ということは、APS-c のセンサーを使うと、
フィルムカメラとの統一性を考えると、フルサイズセンサーのほうがええか、
ペンタックスのフルサイズ一眼レフは、動画撮影とかあれこれ詰め込んでるんで、ボッテリ肥満気味で、見た目もイマイチなんで、PENTAX LX 風のスリムでスタイリッシュなフルサイズ一眼が登場したら売れるんちゃいます、
そういえば、フルサイズ用の標準レンズとかも色々あるもんなあ・・・レンズ構成はそのまま、AF機能無くして、よりスリムに小型化すればええか、
そうなると、動画や液晶を捨てきれない他社のフルサイズカメラと比べても、画期的にスリムなボディが実現するわけで・・・問題は果たして何台売れるか、
需要あると思うけどなあ・・・特にマクロレンズになると、自分の目と指でピントを合わせる機会がメチャ増えるし、スカスカしないトルク感のあるピントリングを自分の指で回す喜びもセットなわけやし、オートフォーカスのイラチ(せっかち)で安っぽいノイズも消え去るわけで、どんなに心静かで豊かなカメラ生活が送れることやろ、
くわえて、フルマニュアル化によって、液晶ほか、多くの部材が不要になって、コストダウンが図(はか)れるメリットも、
動画とかAI(人工知能)は、他のミラーレスメーカーさんに競い合ってもらうとして、ペンタックスさんには、カメラが最もカメラとして輝いていたその時代のエッセンスをとことん現在進行形で追求していって欲しいもんやなあ・・・じっさいそうとう需要あると思うねんけどなあ、