どうすか、10年ぶりのポメラ、買い替えてみて、
このさき10年使い続けることを念頭に、トラブル未然防止装置用に、がんじょうな純正アルミケースも追加購入したばかりやけど、こいつがまた、なかなかええ感じで、
ポメラ用のしっかりした台としても使えそうすね、
こたつの座椅子で打つ時とか、この硬いケースを両ひざに挟んで台にしてやると、ちょうどぴったり、
しかし、スナップボタンで開閉するんで、そこの出っ張りが、
なもんで、ケースにタオルをかぶせてやれば、硬いアルミと柔らかいコットンの相乗効果により、さらなる安定感が、
このケース、出し入れのスペースが狭すぎるというレビューもありますが、
伸縮性のしっかりしたマチが付いてるんで、ちょっと強引なほど、上下にグイッと押し広げてやると、ポメラがちょうど入る設計なんで、これ以上開いてもあまり意味がないような・・・ただ慣れるのに少し時間かかるかも、
あとフォントが、メチャ滑らかになってません?
そこや…ほとんどのレビューが、ひとつ前のモデル DM200との比較なんで、まったく指摘されてないけど、ふたつ前のモデルDM100を使い続けてきた者として、このなめらかなフォントが、どれほど嬉しいことか、
なめらかフォントといえば、Windowsパソコンをずっと遠ざけてた最大の理由も、日本語のフォントがギザギザして見苦しいという、ただその1点だったわけで、
それにくらべて、Mac のほうは、2001年登場の『OSX(オーエス テン)』で、完全なる滑(なめ)らかフォントを実現・・・こっちしか買う気が起こらんかった、
20001年といえば、ちょうど傑作OSとして名高いWindows XP が生まれた年、
OS そのものは名作かもしれんけど、毎日目にする日本語が、カクカク状態ではなあ、見てるだけで、不快感が増してくるわけで、
パソコンの登場で絶滅していった日本語ワープロですけど、当時は各社とも競い合って、より美しいフォントの開発にチカラを注いでたような、
当時のことを知る人も少なくなってきたけど、このポメラに通じるような、高い携帯性・モバイル性を誇るワープロに、NECの『文豪キャリワードEX』っていう機種があって、
キャリワードを英語に直すと、『 Carry Word 』、まさに文字を持ち運ぶという、
上下二段式という変則的な設計にすることで、外に持ち出すときは、上の部分だけを取り外して、より軽快に持ち運べるようになってて、ワープロでいちばん好きなモデルやった・・・ポメラを打ってると、いつもこのワープロを思い出す、
ソニー・ウォークマンの登場で、お気に入りの音楽といっしょに、出歩けるようになったように、キャリワードの登場で、外出先でも、思い切り文章を打つことができるように、
まだ大学生やった1990年代の京都を思い出すなあ、
タバコ文化、喫茶店文化も、まだまだ根強い時代でした、
当時は、自転車で散歩しながら、いろんな喫茶店で打ってたけど、太秦(うずまさ)映画村に近い、とある寂(さび)れた喫茶店での不気味な経験は、今でもよく覚えてる、
あとから思えば、あれは閉店を数日後に控えた店だったんすね、
そうとも知らず、客も自分だけなんで、遠慮無くキーが叩(たた)けると喜んで打ってたけど、30分くらいしたころ、なんか自分に向かって話しかけるような声がして、
それが店のマスターだったと、
その店には自分とマスターの二人だけで、「ワープロ打つ音が耳ざわりやし、今すぐ出てけ」みたいな、そんな感じのことを言われて、
コーヒー代は払ったんすか、
こんな非常識な経験は初めてやったし、客も自分ひとりやったし、BGMもない店内は静かすぎたし、腹が立つというより、恐怖や気味悪さが圧倒的で、カネ払わずに出ようもんなら、さらになぐられそうな気もして、さっさと精算済ませて、逃げ出すように店をあとに、
そこって、嵐電(らんでん=嵐山に向かう路面電車)が走るにぎやかな三条通りぞいという最高の立地条件とちゃいますの、
じっさいその数年前まではメチャにぎわってて、自分もよく通ってたし、コーヒー豆もよく買ってた・・・なもんで、その寂(さび)れ方がなおさら不気味というか、理解不能で・・・いったいこの店に、何があったんやろな、
1990年代といえば、喫茶店でキーボードを打つ人もまれな時代だったんで、なおさら耳ざわりだったとか、
話は大きく変わるけど、それで思い出すのは、ニューヨークのとある飛行場に近いホテルのラウンジで、深夜まで続く新聞各社のタイプライターの騒音で、ますますギンギン状態で眠れなくなってしまった、映画の中のリンドバーグ、
翌朝には、最低でも44時間は起き続けて、ゴールのパリまで飛び続けなければならないのに、
1957年のアメリカ映画やけど、驚くほど鮮明なカラーで、当然のことながら音楽もオーケストラの生楽器演奏・・・じっさいに古風な複葉機が何機も登場するし、パリまで飛ぶために特別に設計されたセントルイス魂号(たましいごう)も、細かい部品から実機が忠実に再現されてくし、後年ハリウッドの悪趣味な名物となる銃撃戦や爆破シーンも皆無(かいむ)・・・何度くり返し観ても楽しい気分になれる、
とりわけ、フライト・シミュレーター好きにはたまりませんね、
リンドバーグが乗ってた、1920年代のメチャスリムなハーレー・ダビッドソンも登場するし、当然ながら、クルマもすべてクラシックカー、
すっかり話がそれてしまいましたが、そんなわけで、ポメラ買い替えで、日本語入力の楽しみがさらに増えたというか、ポメラという日本語ワープロ専用機は、不滅というか不可欠というか、
リンドバーグをパリまで運んだ Spirit of St.Louis(セントルイス魂号)やないけど、日本人の魂を汚れなき大空に飛ばしてくれるポメラって、まさに電子文具界の『日本語魂号(たましいごう)』や!