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2020年06月30日

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター 五十嵐貴久 双葉文庫

ちょっと軽い本を読みたくなったところへ、コンビニでタイトルを見かけて即買い。

44歳の平凡な主婦井口美恵子は、何故かバンドを組むことになる。経験もないのにギター&ヴォーカル。そして演奏するのはスモーク・オン・ザ・ウォーター。そこへ元プロが加入して猛練習の日々が始まる。

楽しい本だ。自分と同世代で洋楽を聴いていた人にとっては、懐かしくてその頃の自分が思い出されるバンド名や曲名がちりばめられている。学園祭や文化祭でバンドの演奏でもした経験があるなら、主人公たちにどっぷり感情移入してしまう。クライマックスでの美恵子の叫びは44歳の叫びではあるが、鬱屈としてありもしない出口を探していた思春期を経てなければ出てこない叫びだ。いやー、ロックだね。

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