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2020年06月28日

モーツァルト 「交響曲41番ジュピター」

そういえば、モーツァルトがまだでしたね。

まあ、間違いなく天才ですよね、この人は。でも、過大評価されてる気もするするんですよね。若くして亡くなったというのも、それに輪をかけてるんでしょうが。

ハイドンがいなければモーツァルトはいなかったはずだし、孤高の天才というイメージは無くて、なんとなく楽しい事をやってたらそれが評価されちゃったラッキーな人という感じ。

もともとは、ハイドンの影響の下で厳格な音楽を書こうと思ってたんですが、いかんせん溢れ出るものが多すぎてその枠をはみだしちゃう。ところが、ハイドンみたいな型にはまった音楽よりも、モーツァルトの自由な音楽がウケちゃうんですね。

でまあ、モーツァルトもいい気になっちゃうわけですが、晩年(といっても30代)にこれじゃあいかんとでも思ったんですかね、いろんなチャレンジをしていきます。

まず、曲調から能天気な明るさが減っていきます。このへんは、世界情勢とも関係してるんでしょう。ちょうどフランス革命が起こって、貴族社会が没落し始めた頃ですから、宮廷に雇われてたモーツァルトも身の振り方を考えたんでしょうね。なにせ、次の才能ベートーヴェンが後ろに迫ってきてましたし。

で、交響曲40番なんて、およそモーツァルトらしくない曲を書いちゃうあたり逡巡してますね。

技法的にもソナタ形式一辺倒だったのが、対位法やフーガに色気を見せ始めます。なんか、おもちゃに飽きた子供が別のおもちゃで遊び始めるみたい。

で、そのモーツァルトのフーガの最高峰と言われているのが、交響曲41番ジュピターの終楽章なんですが、これが実に中途半端。厳密にはフーガじゃなくてフガートなんですが、やっぱりモーツァルトなので厳格なフーガを始めると何かが邪魔するんでしょうね、自分の中で。

いや、いい曲なんですよ、ジュピター。なんというか、モーツァルトの人間味が感じられるというか。なんか音楽サイボーグみたいな印象もあるモーツァルトが、人間だと主張するような感じがして。

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