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2020年06月28日

三善晃 「童声合唱とオーケストラのための響紋」

日本を代表する作曲家の三善晃ですが、実は音楽大学に行ってません。

子供の頃からピアノを弾き作曲をしと、神童と呼ばれていたんですが、フランスに留学したいという理由で東京大学の仏文科に入学して、在学中にフランス政府から給費を受けてまんまと留学。帰ってきて東京大学を卒業する頃にはすでに一流作曲家の仲間入りをしていたという超秀才。

本格派で硬質の作風は、聴き慣れないとなにがなんやらって感じ。聴くのにも勉強しないといけないというハードルの高さ。

なので、聴けば「すごいなー」とは思っていたものの、傾倒するまでには至ってなかったんですが、この「響紋」を聴いてなんかすっきり理解できたような気がしました。

曲の冒頭は相変わらずの三善節でしかめっ面の音楽なんですが、童謡「かごめかごめ」を引用した童声合唱が入ってくるところから印象はガラリと変わります。精緻で力強い、まるである面から見た世界の在りようを描いているよう。そして、曲はこれ以上ないくらいにスリリングに展開します。いったいこの先どうなってしまうんだろうと思いながら聴いていく末に到達する終結。この世は、愛が全てとでも言わんばかりです。

とかく難解な三善作品を聴くための入門曲として、最適じゃないでしょうか。

三善晃(1933-2013) / 響紋(2種)、樹を波と…、他 尾高忠明 、井上道義指揮東京フィル、他 【CD】

価格:1,012円
(2020/6/29 13:48時点)
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