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2017年09月23日

アガサ・クリスティから (151) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【17】)





(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【17】)




弁護士は目をぱちくりさせて、本当にミス・マープルが答えを分かったのかを聞いた。






**********





ミス・マープルは1枚の紙にさらさらと何かを書いて、向い側に座っている弁護士にその用紙を渡した。




ペザリック氏はミス・マープルに渡されたその用紙を開き読んだ。
しばらくして感に堪えないようにして彼女の方をまじまじと見た。





「ミス・マープル、あなたは分からないことはこの世に何一つないようですね?」





「私は子供の時から知っていますよ。」ミス・マープルは言った。
「私もそれで子供の頃、いたずらしましたもの。」






「わたし的にはどうもこの問題はお手上げですな。」
ヘンリー卿は言った・・・。

どうもこの話の中に弁護士であるペザリック氏が巧妙な法律上の奥の手をかくしているような気がする・・・と元警視総監であったヘンリー卿は感じてるらしかった。





その疑問に関しては、弁護士はきっぱりと否定した。

「どういたしまして、そんなことは毛頭ございませんな。これは正真正銘、公正な話ですよ。ミス・マープルはこだわらないように。あの方はあの方、一流の見方でものをごらんになるんですからな。」





「考えて分からないことでもないですよ。」
レイモンドはややいらいらして言った。

「事実はたしかにはっきりしているようです。五人が実際にその封筒に手をふれている・・・スプラッグ夫人は確かに手紙に手をつけているが、すり替えると逆に不利になる・・・するとあとの三人。人の目の前でありそうもないことを手品師はやってのけますね。だから、ジョージ・クロードが部屋の隅に外套を持って行く際に、紙を引き抜いて代わりの紙にすり替えたのかも知れない。」





一方、ジョイスは言った。
「私はね、娘のメリーだと思いますの。女中がかけて行って、これこれこうですとメリーに話したんですわ。そこでメリーは別の青い封筒を持って来て、それとすり替えたのよ。」




それぞれ、遺言書の入った封筒を誰がすり替えたのか?考え巡らせていた・・・。





(次号に続く)






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