my本箱＊ミステリーツアー

（ミス・マープルと十三の謎＊動機　対　機会【16】）







「さてこれがわたしのささやかな問題です。はっきりと説明したと思いますが。皆さんのご意見をお伺いしたいものですな。」






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するとミス・マープルはくすくす笑い出した。
その笑いがなかなか止まらず、皆はびっくりするほどだった。





「なんです？ジェーン伯母さん、ひとり笑うなんてずるいですよ。」レイモンドが言った。






「あのいたずら小僧のトミー・シモンズのことを思い出したんですよ。わんぱくすぎるのは困るんですが、でもときどきとっても愉快なんですよ。しょっちゅう、なにかいたずらの種を探し回っている、無邪気なあどけない顔した子がよくいるでしょう？あれですよ。」






この後、ミス・マープルはそのいたずらっ子の話をした。





先週の日曜学校で、「先生、卵の黄身は白いっていうの？それとも卵の黄身は白です。っていうの？どっちがた正しい言い方なのかなぁ？」と先生に質問。
その質問を受けた先生は「卵の黄身が白い。でも、卵の黄身は白です。でも、どちらでもいいのだよ。」と真面目に優しく答えていたらしい。





「・・・すると、わんぱく小僧のトミーはいうじゃありませんか？・・・[僕だったら卵の黄身は黄色いっていうがなぁ]ですって。ずいぶんといたずらものなんですよ。でも昔からよくやることでね、私が子供の時分、よくやったものですけどね。」





「面白いですね、ジェーン伯母さん。」とレイモンドはつとめて穏やかに言った。

「だけど、ペザリックさんが話してくれたことと、面白い話とは何の関係もないことですよ。」





ミス・マープルはペザリック氏に、とがめだてするように頭を振った。





弁護士は目をぱちくりさせて、本当にミス・マープルが答えを分かったのかを聞いた。









（次号に続く）







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