2017年08月29日
アガサ・クリスティから (148) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【14】)
(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【14】)
つまり、彼の言葉を借りると、遺言状に小細工する機会があったものには動機がなく、動機があったものには機会を持たなかった・・・と言うことだった。
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要約すると・・・こうだった。(以下)
遺言状にサイモン・クロード氏が署名をして、弁護士であるペザリック氏がそれに封をした。
その後、部屋を出て、偶然、廊下で会ったメリーと客間に行った。
客間ではメリーが外套を脱がせてくれて、 ジョージに渡した。
ペザリック自身は、ジョージが外套を椅子に掛けるまで、ずっと目を離さずにいた。
すっかり外套のことを忘れて帰ろうとしていた時に、気が付いて客間に戻った。
その客間にはスプラッグ夫人が一人でいて、なんやら不可解な動きをしていた。
手紙を抜き取ったり、盗み見したり、すり替える時間は確かにあった。
スプラッグ夫人の不可解な動きや言い訳も、手紙に触っていたとしたら、おかしくはない話である。
事実、弁護士が客間に入った時、封筒は外套のポケットから出て、床に落ちていた状態だった。
スプラッグ夫人なら手紙に白紙にすり変える機会は間違いなくあったのだ。
しかし、ここで大きな疑問にぶち当たる。
サイモン・クロードが署名をした本来の遺言書こそが、スグラップ夫人の望みではなかったのだろうか?
ほぼ全財産がスプラッグ夫人に入ってくるのが間違いない遺言状を、わざわざ白紙の遺言状にすり替えるだろうか?
遺言状が白紙ならば、本来の法に照らし合わせて、親近者に遺産が渡るのである。
スプラッグ夫人は他人ゆえに、サイモン・クロードの遺言状がない限り、1文たりとも権利がない状況に戻る。
スプラッグ氏も同じくだった。
確かに彼にも機会があった・・・弁護士が席を外した部屋にスプラッグ氏は数分間、遺言状が置いてある机の前にいた。
遺言状と白紙とすり替えることも可能であった。
しかしながら、スプラッグ夫人同様、わざわざ自分たちが不利になるようなことをする必要があるようには思えない。
スプラッグ夫人、スプラッグ氏には遺言状を白紙にすり替える機会はあったが、動機がなかった。
一方、親近者であるメリーやジョージは動機があるが、機会がなかった。
弁護士はその場にいて、遺言状から目を離す場面もなかった。
つまり、白紙と取り換える機会のあったふたりの人物はそうする動機がぜんぜんなくて、動機を持った二人の人物は全くその機会がなかったということだった・・・。
(次号に続く)
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