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2017年07月27日

アガサ・クリスティから (143) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【9】)





(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【9】)





「わしももう長くないよ。自分でもよくわかる。何も言って下さるな、ペザリック。ただ死ぬ前に世界中の誰よりもわしの為に尽くしてくれたある人のためにわしの義務を果たしたいと思う・・・新しい遺言状を作りたいんだ。」





ペザリックは老人を安心させるために、要望を遺言書に作成してお送りしましょう。と伝えた。





しかし寝床にある老人サーモン・クロードは頭を振った。





そして、おもむろに自分の思いのみで作った遺言書(1枚の紙に殴り書きしてあった)を枕の下から取り出した。

もう自分は長くない、時間がないと悟っているらしかった。





・・・姪と甥のそれぞれに五千ポンドずつ与える。そして、残りの巨額の財産は全部ユーリディシー・スプラッグへ感謝と敬愛の印に残す・・・





ペザリックは正直困ったが、仕方なかった。





病的精神だから無効ということもありえない。
サーモン・クロードは正気だった。






(次号に続く)






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