1.はじめに
アガベを何種類か育ててるが,一番気に入ってるのが葉色がブルー系のアガベ・フランゾシニーという種類,ごつごつした葉の縁に赤黒いトゲトゲがある勇猛な感じのアガベだが,スタイルが良くてちょっと上品な感じがするアガベでもある,名前をフランゾシニー,仏蘭西竜と命名した先人の感性に脱帽
ところで,この手の観葉植物はあまり一般的じゃないから,栽培方法とかを検索してもあんまりヒットしない,アガベ・フランゾシニーを育て始めてから15年くらいだが,ここでは鉢物の観葉植物として管理する方法等に関して自分のためにも記録としてまとめてみた
2.アガベ・フランゾシニーの来歴
学 名:Agave franzosini(アガベ・フランゾシニー)
和 名:立葉竜舌/五葉竜舌/仏蘭西竜
耐寒性:マイナス6度程度
原産地:なぜか不明
大きさ:高さ3m,幅3mくらいになる大型種(ただし日本では冬の寒さがあるのでこの半分程度)
3.アガベ・フランゾシニーの植え付け用土
水はけの良い用土が適してる,私は,赤玉土1,ボラ土2,腐葉土0.5の用土にエコロングという180日効果のある緩効性肥料を混ぜた用土を,自作して使用している,なおホームセンターなどで販売されている「観葉植物用」の用土を用いる場合は水持ちが良すぎるので,「サボテン・多肉植物用」の用土等の,水はけの良い用土を半分くらい混ぜた方がいい
4.アガベ・フランゾシニーの肥料
植え付け用土にロングタイプの肥料を使ってるので,半年くらいは追肥とかはしないが,半年を経過したり,特に成育を促進したい時とかにはIB化成S1号という玉状の肥料を置肥してる,その場合6号鉢で1回に10粒程度を施してる,ちなみに前述のエコロングやIB化成S1号という肥料は農協(JA)の直売所で購入してる,農家とかの専門家用の商品なので一般的なホームセンター等では扱ってない
5.アガベ・フランゾシニーの環境
日当たりは好む植物なので1年中よく日が当たる場所で管理する,耐寒性は上述したように−6度くらいまでは平気なので,西日本の太平洋側の地域なら冬になったからといって特に寒さ対策は考えなくて良い,ただし,当然だが寒いと生育は鈍化する,また,寒さが続くと葉先が丸まって見た目が悪くなる,体表面積を小さくして寒さに対応してるんだろうか
6.アガベ・フランゾシニーの水管理
フランゾシニーに限らずアガベの仲間は,ほとんどが乾燥地帯の出身なので,基本的には乾燥には強い,通常は,1日とか2日くらい水やりしなくても大丈夫だが,最近の日本の夏は猛暑なので夏場は毎日水やりしたほうがいい,逆に梅雨期やあまり水を必要としない冬季には,根腐れに注意してやる必要がある
7.アガベ・フランゾシニーの植え替え
植え替えや鉢替えは4〜6月が適期である,梅雨が明けてからは暑さのショックを受けやすくなる,耐寒性はあるので,低温期の植え替えができないわけではないが,根の生長が悪いので,その後の成育がガクッと落ちてしまう
8.アガベ・フランゾシニーの増やし方
繁殖は側芽が出てくるのでそれをかぎ取って子苗とする,外国の文献を見ると花も咲くようだが日本での開花は難しいだろう
9.アガベ・フランゾシニーの病気
普通に管理されてる健全株なら病気はほとんど発生しないが,なんらかの要因で株が弱ったりすると炭疽病が発生する,たいてい黒褐色のアザみたいな円形斑点ができる,早めにエムダイファー,ジマンダイセン,トップジンM等の殺菌剤を散布するか,下葉とかなら切り取るという手もある,炭疽病は日照不足や過湿気味の管理で発生が助長されるので,日当たりや用土に問題が無いか環境改善を考えてあげよう
10.アガベ・フランゾシニーの管理の極秘テクニック
とにかく大きくしたいなら地植えすればいいが,鉢栽培でも大きく育てるテクニックがある,ここを訪問してくれた方々には特別にお教えしよう
写真のように横幅のある鉢に植える,ただこれだけでよい,写真の株で葉の展開幅が約80cmであるが,これくらいの株になると,けっこう迫力がある,フランゾシニーは地下の側芽を横に伸ばして子を吹きテリトリーを広げようとするが,径の小さい鉢では根や側芽がすぐに鉢の壁にぶつかってしまい,フランゾシニー自身がここはあんまり横に広がれない環境なんだなと判断してしまう
基本的に植物は地上部の展開幅と地下部の根圏には強い相関ある,そのため根が横に広がることが可能なんだと判断すればその範囲に地上部も展開しようとする,だから同じ容積なら縦型の鉢より横広がりの鉢を使用した方が,より大きな株に生長させることができるし,おまけに,この方法だと子株の芽吹きもよくなる,下の写真のように芽を吹いてくる
11.おわりに
このたぐいの観葉植物は日本ではあまり流通してなくて栽培法とかも手探りになる場合が多いが,そこをいろいろ探っていくのもまた楽しからずやである,あと,アガベ・アメリカーナとかアガベ・フェロックスなどの大型アガベは,大体同じような栽培方法でいける
スポンサーリンク