2016年05月22日
1-3. 墨流し:伝統的墨流し
伝統的墨流し
前々回(滴下方法)、前回(紙の違い)と『墨運堂 カラー墨流しセット 15630 教本付』を使ってカラー墨流しをした。
ここで、あらためて伝統的な墨流しをしようと思う。
伝統的な墨流しでは墨と松ヤニを水面に交互において年輪模様を作り、風を送り、波立たせて独特な模様を描く。
ここで、「液体の松ヤニ」というのがどういうものかよくわからない。
Wikipediaには「油」でできると書いてあるので油を使ってみる。
ちなみに紙は扱いやすい墨運堂の『板締和紙』を用いる。
油
@ オリーブオイル
キッチンにオリーブオイルがあったので使ってみた。
水面に油滴が乗ってしまい、うまく広がらない。
A サラダオイル
サラダオイルの方がいいのかなと思って使ってみた。
これも水面に油滴が乗ってしまい、うまく広がらない。
もっと大量の油を乗せる必要があるんだろうか。
B ハッカ油
水とのなじみの良さそうな油のイメージで『ハッカ油』を使ってみた。
広がるには広がるけどすぐに収縮するし、ハッカ油と墨液の境界が乱れる。
油を水で薄めたりしてみたが結果は同じ。
松ヤニ(固形)
松ヤニを調べてもバイオリンの弦に使う固形の松ヤニ(『PETZ バイオリン用 松脂(ロジン) 』)しか出てこない。
仕方がないのでそれを使ってみる。
松ヤニをこすって筆先につけたが、そんなのでうまくいくとは思えない。
意外なことに少しは効果があったのだけど・・・弱い。
松ヤニを何かの溶媒で溶かして使っているんだろうか。
そもそもバイオリン用の松ヤニとかじゃダメなんだろうか。
墨流し専用の松ヤニってどこかで手に入るんだろうか。
困ったなあ〜と調べていたら、洗剤が使えるらしいので使ってみる。
洗剤(界面活性剤)
@ キュキュット
家で使っている食器用洗剤がキュキュットなのでそれを使ってみた。
きれいに広がったので、はじめはうまく行ったように思ったが、墨の境界がだんだんと沈んで行ってしまう。
境界も乱れて白い部分が汚くなる。
界面活性剤なので墨をミセル化して水中に取り込んでいるみたいに見える。
A オックスゴール
化学洗剤だと強すぎるのかもと思い、水彩用の『オックスゴール』を使ってみる。
少しは効果が弱くなったように思うけど、似た傾向。
B 1/10 希釈 オックスゴール
界面活性効果を弱めるために水で1/10に希釈して使った。
まあまあいいかなとも思うけどまだ少し滲んでいるような気がするのでもう少し希釈して使った方がいいな。
白液
透明にする油や洗剤の代わりに白で染める方法もあると思って『ふしぎ染めの世界』に紹介されていた『墨運堂 白液 15625 120g』を使ってみる。
滲みも抑えられているし広がり方も自然。
少し波立たせて伝統的墨流しっぽくしてみた。
朱を使う。
さて、ひとまず白液で行こうと思えたので次は朱(『呉竹朱液』)も使ってみる。
ここでも問題が・・・
朱液が水面に広がらずそのまま沈んでしまう。
墨液が広がったので朱液も広がるものだとばかり思っていた。
朱液に白液を加えたら色が変わっちゃうので・・・う〜ん・・・とりあえずオックスゴール1/10量を加えてみる。
@ 1/10 オックスゴール朱液使用
オックスゴールが全体の1/10だと朱液の広がり方が弱い気がしたので1/5にしてみる。
A 1/5 オックスゴール朱液使用
朱が少し滲んでいるように思うけど・・・まあいいかな。
まとめ
というわけで、伝統的墨流しで白く抜けたところを作るだけでいろいろと試す羽目になってしまった。
いろいろ試して、目的を達成できない場合でも経験と知識にはなり、それがあとあと役に立つ時がくるはず。
記録を取っておけばそれが使えると思ってまとめてる。
動画をまとめておく。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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