2016年09月08日
5-5.ポーリング:アクリル絵の具の種類
液体(系)アクリル絵の具
これまで一部の例外を除いてチューブ式(半練り)アクリル絵の具を使ってポーリングした
チューブ式アクリル絵の具は色によって多少硬さが違う(白は硬く、黄色は柔らかい)
そのため以下のようなことがおこる
1. 色ごとに流動性を調整する必要がある
2. 色ごとの比重の違いによる色の重なりが一定
液体アクリル絵の具なら
・色ごとの違いが大きくはないのではないか
・流動性を大きく変えずとも発色度を変えられるのではないか
・流動性(硬さ)のコントロールがしやすいのではないか
と思った
以前、(14) - (16)で使用した液体アクリル絵の具LIQUID に加えINKとFLUIDの計3種類の液体(系)アクリル絵の具を使ってポーリングテストする
![_DSC1484.jpg](/moyou/file/_DSC1484-thumbnail2.jpg)
@ FLUID 『ホルベイン アクリル絵具 アクリリックカラー フルイド 5色プライマリーセット AF192 35ml』
A INK 『ホルベイン 液状アクリル樹脂絵具 アクリリックカラー インク プライマリー シアン AI953 15953 100ml』他
B LIQUID 『リキテックス アクリル絵具 リキテックス リキッド 6色セット Aセット 30ml』
桐板にポーリング
前回、桐板にポーリングする方法を考えていて、ヤニ止めシーラー (Sealer)とジェッソ (Gesso)で処理する方法が安定していたので、この方法で処理した桐板にポーリングする
![_DSC1939-Edit-Edit.jpg](/moyou/file/_DSC1939-Edit-Edit-thumbnail2.jpg)
@ Sanding
A Sanding + Sealer (1)
B Sanding + Sealer (2)
C Sanding + Sealer (2) + Gesso (1)
D Sanding + Sealer (2) + Gesso (2)
E Sanding + Sealer (2) + Gesso (3)
液体(系)アクリル絵の具でのポーリングテスト
(33) Pouring Medium x FLUID
・Pouring Medium 8 mL
・Gel Medium (AM521) 8 mL / 16 mL
+Water 1 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (FLUID)
・柔らかすぎるか・・・+水 1mLはいらなかったか・・・
![_DSC2098.jpg](/moyou/file/_DSC2098-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 少々
2. クラック なし
3. 木地 少々目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 高め
(OK)金色の流れ
・Gel Medium (Holbein AM521)を使用
・柔らかすぎる
・小セルがいくつかある
・金色を使ったので、角度によって輝く
・FLUIDは透明度高めで、色は明るめ、発色はあまり強くない
半練りアクリル絵の具の代わりにGel Medium (Holbein AM521)を使用したが、半練りアクリル絵の具と比べても柔らかい部類に入るのでポーリングミックスの流動性調節に向かない
これ以降はGel Medium Heavy body(Holbein AM526)に変更
(34) Pouring Medium x INK
・Pouring Medium 8 mL
・Gel Medium (AM526) 8 mL / 16 mL
+Water 4 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (INK)
・Gel Medium Heavy body(Holbein AM526)に変更して粘度が高かったので水4 mLを加えたのが裏目に出て、まだ、少し柔らかい(色分離はいい)
![_DSC2101.jpg](/moyou/file/_DSC2101-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 なし
2. クラック 大きなきびわれが目立つ
3. 木地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低め
(OK)金脈と緑のグラデーション
・目立つ大きなひび割れが多数ある
・部分的に絵の具が痩せている
・INKは透明度高めで、色は暗め、発色は比較的強め
(35) Pouring Medium x LIQUID
・Pouring Medium 8 mL
・Gel Medium (AM526) 8 mL / 16 mL
+Water 3 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (LIQUID)
・流動性(硬さ)は丁度いいと思う
![_DSC2105.jpg](/moyou/file/_DSC2105-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 気泡多数
2. クラック なし
3. 木地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低め
(OK)暗い印象になってしまった
・色選びがよければもっと良いはず
・気泡由来の小セルが多数
・LIQUIDは透明度低めで、色は中間、発色は強め
(36) Floetrol x FLUID
・Floetrol 8 mL
・Gel Medium (AM526) 8 mL / 16 mL
+Water 3 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (FLUID)
・少し硬め
![_DSC2108.jpg](/moyou/file/_DSC2108-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 あり
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低め
(OK)グラデーショングリーン
・セルというよりプルキンエ線維の横断面のような模様が見える(落下模様?)
・細かい気泡セルあり
(37) Floetrol x INK
・Floetrol 6 mL
・Gel Medium (AM526) 6 mL
・Water 4 mL / 16 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (INK)
・柔らかすぎ
![_DSC2110.jpg](/moyou/file/_DSC2110-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 なし
2. クラック なし
3. 木地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低め
(OK)セルが広がりひび割れ様に
・柔らかすぎるせいか、多数のセルが広がって繋がりひび割れ模様になってしまった
(38) Floetrol x LIQUID
・Floetrol 4 mL
・Gel Medium (AM526) 8 mL
・Water 4 mL / 16 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (LIQUID)
・少々柔らかすぎ
![_DSC2113.jpg](/moyou/file/_DSC2113-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 なし
2. クラック なし
3. 木地 少々目立つ
4. 光沢 低め
5. 混色度 中程度
(OK)暗緑
・混色が高めのためか色が暗めになってしまった
(39) Elmer's School Glue x FLUID
・Elmer's School Glue 6 mL
・Gel Medium (AM526) 6 mL
・Water 4 mL / 16 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (FLUID)
・硬すぎる様に思うけど結果的にはあり
![_DSC2118.jpg](/moyou/file/_DSC2118-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 ミニセル
2. クラック なし
3. 木地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低い
(OK)蛍光ポーリング
・蛍光アクリル絵の具を使用
・蛍光ポーリングいいね!
・Elmer's School Glueはマットになりがちだけど、Gel Medium (AM526)の効果なのか半光沢になる
・今回の中で蛍光ポーリングが一番の収穫
(40) Elmer's School Glue x INK
・Elmer's School Glue 5 mL
・Gel Medium (AM526) 6 mL
・Water 5 mL / 16 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (INK)
・少し硬いけど丁度いいか
![_DSC2119.jpg](/moyou/file/_DSC2119-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 多数
2. クラック なし
3. 木地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低い
(OK)緑と白の小セル
・小セル多数
・ちと怖い感じになってしまった
(41) Elmer's School Glue x LIQUID
・Elmer's School Glue 4 mL
・Gel Medium (AM526) 6 mL
・Water 6 mL / 16 mL
↓distribute
4 mL x 4 colors (FLUID)
・まだ少々硬い印象
![_DSC2122.jpg](/moyou/file/_DSC2122-thumbnail2.jpg)
1. 気泡 多数
2. クラック なし
3. 木地 少々目立つ
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 高め
(OK)暗い
・小セル多数
・唐三彩風になるかと思ったのだけど・・・
・あらためて色の組み合わせが重要と思う
まとめ
今回、3種類の液体(系)アクリル絵の具LIQUID 、INK、FLUIDを用いてポーリングをした
半練り(チューブ式)アクリル絵の具に比べ液体(系)の方が扱いやすいのではないかと思ったが、結論からいうと、半練りと液体(系)では別物と思っていい
それぞれの絵の具の特徴を捉えて表現い合わせて使い分けた方がいい(無難な結論)
3種類の液体系アクリル絵の具の中ではLIQUID がもっとも発色がよく、スポイトつき瓶も定量的に扱うのに使いやすかった
FLUIDも悪くないが、これは他のメディウムを用いなくてもこれのみでポーリングに使えるのではないだろうか?
最後にINKは残念ながら、発色が弱く、沈殿しやすく、蓋も扱いにくい印象だった
もしかしたらINKは量が多いのでもっとたくさん使えばまた違った結果になったかもしれないが、それだとポーリングミックスの濃度調整が難しくなりまた別の方向へ進まなければならない
また、今回、初めて金色や蛍光のアクリル絵の具を使ってみた
金色はもう少し使い方を考えないとラメ入りな雰囲気で終わってしまい、金色ならではの効果が得られない
一方で蛍光アクリル絵の具の効果は絶大で一気にイメージが変わった
これまで蛍光(アクリル)絵の具の使い道がいまいち分からなかったのだけれど、使ってみると、色のもつ力強さに心打たれた
機会があったら、蛍光アクリル絵の具についてもう少し調べてみたい
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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