新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2016年09月06日
5-3.ポーリング:他のポーリングメディウム
ポーリング
前回までにPouring Medium、Floetrol 、Elmer's School Glueの3種類のポーリングメディウムを使ったが、それぞれの性質が全く異なり少々困惑した
それとともに、これら3種類のポーリングメディウムをミックスして用いるレシピが存在する理由も合点がいった
この3つはポーリング専用メディウム(Pouring Medium)、ラテックス系の塗料添加剤(Floetrol)、スクールのり(Elmer's School Glue)とそれぞれ本来の用途が異なる
他にも何かポーリングメディウムとして使えるのではないか
別の”ポーリングメディウム”はまた異なる性質を示し、それによりまた違ったポーリング模様を描いたりしないだろうか
今回テストしたのは次の4種類
1. White Paint (ホワイトアクリルペンキ)
2. PVA
3. PVAc Glue
4. Gel Medium (ジェルメディウム)
1. White Paint (ホワイトアクリルペンキ)
White Paint (ホワイトアクリルペンキ)を2通りに使った
A. ポーリングメディウム
B. ホワイトベース
(13) 1. White Paint = A. ポーリングメディウム
Pouring Medium、Floetrol 、Elmer's School Glueは濃度の差こそあれ見た目はホワイトペンキと区別がつかない
・White Paint 2 mL
・Acrylic Paint (Tube) 1 mL
・Water 1.5 mL / 4.5 mL
x 3 colors = 13.5 mL
・ポーリングミックスとして使えているような・・・
・特に問題ないような・・・
・全体として色が白っぽい
1. 気泡 中程度
2. クラック 少々
3. キャンバス地 中程度
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低い
(OK)パステルカラー
・全体的にパステルカラー
・意外なほど混色度が低い
・白がベースになっているので白っぽさが出ているが悪くない
・クリアのアクリルペンキを使えばいいのかも
(14) 1. White Paint = B. ホワイトベース x Pouring Medium
・White Paint 2 mL
・Pouring Medium 2 mL
・Acrylic Paint LIQUID 10 drops / 4 mL
x 3 colors = 12 mL
・面白い、セルができている
1. 気泡 ほぼない
2. クラック 少々
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 なぜか高光沢
5. 混色度 低い
(OK)セル多数
・液体アクリル絵の具(LIQUID)を使用
・流動性も良い
・なぜセルができるのだろう
(15) 1. White Paint = B. ホワイトベース x Floetrol
・White Paint 2 mL
・Floetrol 2 mL
・Acrylic Paint LIQUID 10 drops
・Water 0.5 mL / 4.5 mL
x 3 colors = 13.5 mL
・少し粘性が高く感じたので水 0.5 mL追加
1. 気泡 ほぼなし
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立つ
4. 光沢 あり
5. 混色度 低い
(OK)小セルが多数
・全体的に白っぽい
・流動性がいい
・少しフラットすぎるか
(16) 1. White Paint = B. ホワイトベース x Elmer's School Glue
・White Paint 2 mL
・Elmer's School Glue 2 mL
・Acrylic Paint LIQUID 10 drops
・Water 1 mL / 5 mL
x 3 colors = 15 mL
・少々柔らかすぎた気もするがポーリング像は面白い
1. 気泡 少々
2. クラック へりに少々
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低い
(OK)BIG CELL多数
・流動性が高い
・大小のセルが多数できた(理由は不明)
・少々柔らかいがこれくらいでいいのかも
2. PVA
PVA (Polyvinyl alcohol) GlueとPVA Starchの2種類のPVA溶液をポーリングメディウムとして使用
(17) 2. PVA Glue = ポーリングメディウム
・PVA Glue 2 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Water 1.5 mL / 5.5 mL
x 3 colors = 16.5 mL
・(16)で柔らかめの方がよかったので水を多めに加えたが・・・少し柔らかすぎたか
1. 気泡 あり(少々)
2. クラック へりにあり
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 マット
5. 混色度 高い(黒に埋まる)
(NG)柔らかすぎる
・色が混ざりすぎ
・これはこれで雰囲気はあるが全体的に暗い
(18) 2. PVA Starch = ポーリングメディウム
・PVA Starch 2 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Water 1 mL / 5 mL
x 3 colors = 15 mL
・少々流れやすいか
1. 気泡 少なからず
2. クラック へりに少々
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 マット
5. 混色度 中程度
(OK)マットフラット
・少々混色があるが色分離は悪くない
・柔らかすぎてセルが流れている、もう少し硬くとも良いか
3. PVAc Glue
2種類のPVAc (Polyvinyl acetate) Glueをポーリングメディウムとして用いる
PVAc Glue @
PVAc Glue A
(19) 3. PVAc Glue @ = ポーリングメディウム
・PVAc Glue @   2 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Water 1 mL / 5 mL
x 3 colors = 15 mL
粘性が高く感じたので水 0.5 mL追加
1. 気泡 なし
2. クラック へりにあり
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 中程度
(OK)色分離が少々悪いか
・流動性は中程度
(20) 3. PVAc Glue A = ポーリングメディウム
・PVAc Glue A   1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Water 1 mL / 4 mL
x 3 colors = 12 mL
・流動性がちょうど良い
1. 気泡 なし
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低い
(OK)色分離が良い(緑色が少ない)
・流動性がいい
・表面がなめらか
4. Gel Medium(ジェルメディウム)
リキテックスの『ツヤ出し盛り上げジェルメディウム』をポーリングメディウムの代わりに使う
(21) 4. Gel Medium = ポーリングメディウム
・Gel Medium 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Water 2 mL / 5 mL
x 3 colors = 15 mL
・流動性、色分離とも良い
1. 気泡 なし
2. クラック へりに一部あり
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低い
(OK)グラデーションが美しい
・色分離が良い
・小さいセルが散見される
・表面はフラットながらも雰囲気がある
・他のアクリル絵の具用メディウム類を試すと面白いかもしれない
再検討
(17)は柔らかすぎたのでもう少し硬めに調整して再検討する(17')
(17') 2. PVA Glue = ポーリングメディウム(再)
・PVA Glue 2 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Water 0.5 mL / 4.5 mL
x 3 colors = 13.5 mL
・少々硬めすぎるか?
・水1 mLがちょうどいいか
1. 気泡 多量
2. クラック へりに一部あり
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 マット(漆喰のよう)
5. 混色度 中程度
(OK)マットで多孔
・マットな漆喰のような印象
・気泡穴が多数見られる
・粉をふいたようなテクスチャが独特の雰囲気を醸し出す
・これはこれで面白い
・(17)と比較すると、水の量が違うだけで印象がだいぶ違う
まとめ
今回、次の4種類をポーリングメディウムとして使ってみた
1. White Paint (ホワイトアクリルペンキ)
2. PVA
3. PVAc Glue
4. Gel Medium (ジェルメディウム)
4種類ともに適度な濃度に調整すればポーリングメディウムとして使用可能な印象
それぞれに特徴あるポーリング模様を描くが特別優れているというわけでもない
ポーリングメディウムの種類よりも素地だったり、色の組み合わせだったり、作品の大きさだったりの方が描かれる模様の見え方に影響を与えるのかもしれない
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ