新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2016年09月05日
5-2.ポーリング:添加物等の効果
添加物の効果
前回、ポーリングメディウムの性質について調べた
今回は添加物等の効果について調べる
調べるのは次の5つ
1. ジェッソ
2. グロスポリマーメディウム
3. シリコン
4. グロスバーニッシュ
5. イソプロパノール
1. ジェッソ
添加物の効果といいつつ下地の効果を調べます
ポーリングで気になることの一つにキャンバス地の見え方があります
絵の具の描く模様、テクスチャ(マチエール)、光沢感に加えキャンバス地の網目まで目立つと、もう情報過多と感じることも
キャンバス地の質感をコントロールできればポーリングの表現をもっと自在に行える
(8) 1. ジェッソ下地
Gesso
・Elmer's School Glue 2 mL
・Acrylic Paint (Tube) 1 g
・Water 1 mL / 4 mL
x 3 colors = 12 mL
・比較的流動性が高いだろうか?
1. 気泡 あり(少々)
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 マット
5. 混色度 中程度
(OK)ざらついた印象
・ポーリングミックスが流れやすくなったように感じた
・ジェッソによるキャンバス滑面効果は低い
・もっと厚塗りするべきか他のメディウムを用いるべきか
2. グロスポリマーメディウム
ポーリングミックスにグロスポリマーメディウムを加えるレシピをYouTubeでみたことがある
名前から光沢を増す効果が期待されるがどうだろうか
Elmer's School Glueでのポーリングはマットでざらついた印象になるのでグロスポリマーメディウムの効果を見やすいと思う
(9) 2. グロスポリマーメディウム
・Elmer's School Glue 2 mL
・Gloss Polymer Medium 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 1 mL
・Water 1 mL / 5 mL
x 3 colors = 15 mL
・流動性が低いか・・・色分離はいい
1. 気泡 多量!!
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 低い
(OK)色分離がいい
・(3)のElmer's School Glueに光沢が加わった
・粘性が高くなり、色分離もよくなったように感じる
・キャンバス地が目立たなくなったが、なぜか気泡穴が多数
・もう少し水を加えて粘性を低くして用いるべきか
3. シリコン
YouTubeでポーリングミックスを流す前にシリコンスプレーをひとふきしていることがある
流動性を増すためにしているのか、色分離をするためにしているのかと思ったが・・・
(10) 3. シリコン
・Pouring Medium 2 mL
・Acrylic Paint (Tube) 1 mL
・Water 1 mL / 4 mL
x 3 colors = 12 mL
+Silicone Spray 1-2 push
・マスクをして換気をよくしてスプレー
・流動性が高いか?
1. 気泡 あり
2. クラック 多数
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 高光沢
5. 混色度 高め
(OK)光沢がでた
・流動性が高くなったか?
・光沢がでた
・表面がシリコンオイルでツルツルしている
・クラックが多数観察される
グロスポリマーメディウムとシリコンの両方を加えているレシピも見られる
(11) グロスポリマーメディウム + シリコン x Elmer's School Glue
・Elmer's School Glue 2 mL
・Gloss Polymer Medium 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 1 mL
・Water 1 mL / 5 mL
x 3 colors = 15 mL
+Silicone Spray 1-2 push
・マスクをして換気をよくしてスプレー
・流動性が高いか?
1. 気泡 多数
2. クラック 縁
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 高光沢
5. 混色度 低い
(OK)多数の気泡穴と縁のクラック
・(9)と同じく気泡穴が目立つのでグロスポリマーメディウムの影響か
・縁にクラックが出たのはシリコンスプレーの影響か
・光沢がでた
・色分離がいい
(12) グロスポリマーメディウム + シリコン x Pouring Medium
グロスポリマーメディウム + シリコン添加の効果をPouring Mediumでも試してみる
Pouring Mediumは流動性が高すぎるので今回は水を加えない
・Pouring Medium 2 mL
・Gloss Polymer Medium 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 1 mL / 4 mL
x 3 colors = 12 mL
+Silicone Spray 1-2 push
・流動性がちょうど良いが色分離はあまり良くないか
1. 気泡 ある
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 高光沢
5. 混色度 高め
(OK)大セルができた
・セル(細胞)と呼ばれる構造ができた
・流動性は酔いが色分離はあまり良くない
・光沢が強い
・気泡を含んだようなポコポコした構造が見られる
・表面がツルツルしている
4. グロスバーニッシュ
グロスポリマーメディウムにせよシリコンにせよ光沢をつけることが1つの効果として現れる
光沢を付加させたいだけなら乾燥後に保護の役割も考えてグロスバーニッシュを使えばいいだけのような・・・
(GV) 4. グロスバーニッシュ
比較のために前回の(1), (2), (3)でポーリングしたキャンバスにグロスバーニッシュ処理する
処理後の変化がわかりやすいように左右をマスキングテープでマスクし中央部分のみグロスバーニッシュを塗る
(OK)光沢と色の鮮やかさ
・光沢が出ると共に色が鮮やかでみずみずしく感じる
・一方で光の入射角により反射で画面が見えにくくなる
・半光沢くらいで良いのではないか
・やはり表面に塗った光沢よりも内面から自然とでる光沢が良いか
・画面保護をすべきか
5. イソプロパノール
上記(12)でセルができた
これまでセルがあってもなくてもという感じだったけど、できてみると面白い
セルはイソプロパノール添加によっても作ることができる
(22) Isopro-P
イソプロパノールを添加したPouring Mediumの場合
・Pouring Medium 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Isopropanol 1 mL
・Water 1 mL / 5 mL
x 3 colors = 15 mL
・びしゃびしゃでやわらかすぎる
1. 気泡 ない
2. クラック ない
3. キャンバス地 目立たず(黒色のためか)
4. 光沢 高光沢
5. 混色度 非常に高い
(NG)びしゃびしゃ 失敗
・全くダメ
・青、白、黒のはずが、真っ黒の上に白いチリが乗っているような感じ
・他と違った雰囲気は面白いが目指したものとはチガウ(再度挑戦)
・イソプロ臭がするので換気が大切(慣れてないとクラクラする)
(23) Isopro-F
イソプロパノールを添加したFloetrolの場合
・Floetrol 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Isopropanol 1 mL
・Water 1 mL / 5 mL
x 3 colors = 15 mL
・少し硬めか
1. 気泡 少ない
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 中程度
(OK)セルが美しい
・少し硬めで流動性が低い
・色分離は比較的よくセルが美しい
・イソプロ臭がする
・イソプロを含むためか少し乾燥時間が短いように思う
(24) Isopro-G
イソプロパノールを添加したElmer's School Glueの場合
・Elmer's School Glue 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 1 mL
・Isopropanol 1 mL
・Water 1 mL / 4 mL
x 3 colors = 12 mL
・少し柔らかいか
1. 気泡 あり
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 マット
5. 混色度 低い
(OK)大小のセルが美しい
・大小のセルが美しいが色の重なりが少々不気味
・イソプロ臭がする
・少々柔らかく、色の重なりが少し気がかり
再検討
(22)と(24)について再度検討する
(22’) Isopro-P
・Pouring Medium 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Isopropanol 1 mL / 4 mL
x 3 colors = 12 mL
・水を加えないことにした
1. 気泡 なし
2. クラック なし
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 半光沢
5. 混色度 中程度
(OK)ひび割れた色の流れ
・これはこれで面白い
・(22)でも白がひび割れて細かくなっていたがこれはイソプロパノールとPouring Mediumの組み合わせによるものなのかもしれない
・イソプロ臭がする
(24’) Isopro-G
・Elmer's School Glue 1 mL
・Acrylic Paint (Tube) 2 mL
・Isopropanol 1 mL
・Water 0.5 mL / 4.5 mL
x 3 colors = 13.5 mL
・少々硬いか
1. 気泡 あり
2. クラック 縁に少々あり
3. キャンバス地 目立たず
4. 光沢 マット
5. 混色度 中程度
(OK)ラインとセルの調和
・少々硬めだがラインとセルの調和が面白い
まとめ
ポーリングミックスを作るときに添加物の効果や性質を知っている必要があり調べた
1. ジェッソ
ジェッソを1回塗っただけではキャンバス地を隠すのは難しい
複数回塗るか、硬めのジェッソをを使うか、ジェルメディウムなどで滑面化した方が良い
もしくはキャンバスではなく樹脂や木製のパネルを使った方が良いのかもしれない
2. グロスポリマーメディウム
グロスポリマーメディウムは光沢を持たせるために添加するが、ポーリングミックスの流動性を調節するのにも使える
アクリル絵の具のメディウム類は多様なものがあるのでそれぞれの特性を生かしてポーリングすると面白いかもしれない
3. シリコン
シリコンスプレーは色分離をよくしたり、流動性をあげる(粘性を低くする)役割に使えそうだがポーリングミックス全体の濃度の方が重要かと思われる
また、光沢を増す効果があるが、表面がツルツルした感じになるのは好みが別れるかと思う
4. グロスバーニッシュ
グロスバーニッシュを使えば光沢を持たせるとともに画面保護も行える
しかし、グロスバーニッシュによる光沢は少々不自然な印象になるのでグロスポリマーメディウムを使いこなした方が良いようにも思う
画面保護を目的にバーニッシュを使うにしても光沢が強すぎると光の反射で画面が見えにくくなるので半光沢を選択した方が好みに合う
5. イソプロパノール
セルを作るのにイソプロパノールを用いた
Pouring Mediumとの組み合わせでは今回うまくいかなかったがFloetrolとElmer's School Glueではセルを作ることができた
まとめ
全体としてポーリングミックスの濃度(流動性や粘性)が重要であることが再確認できた
再現性を得やすくするためにできる限りメディウムや水などの液量を一定比率にしているが、そのためポーリングミックスの濃度が一定ではない
ポーリングメディウムも添加物もそれぞれ粘性も流動性も異なるのでポーリングミックスの濃度を微調整する必要がある
結局、色々やってみて経験を記録し続けるしかない
始めたばかりなので当たり前だが、終わりが見えず、興味が尽きない
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ