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キャッシュレス、カード決済に対応する店はその分を価格に上乗せせざるを得ない。
便利なのは客だけだが、客が望むと、その分、値段は上がるという仕組み。
こうした仕組みがあるから、１５％還元といったキャンペーンが行われたりするわけだ。
現金払いで安くラーメンなどを提供している店にキャッシュレスを求めるのは筋違いだ。
認識が足りないだけで、その結果、安い店が普通の店になる、ということで、客も逃げてしまう。
店主は客に振り回されないようにしなければいけないだろう。

Yahoo!より、
キャッシュレスはつらいよ　人気ラーメン店「店にとって良いことが一つもない」
1/28(火) 6:00配信
日経ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/1888a8f7708bc64dba10578bfe6da52242cfbae2
記事より、
　「店にとって、良いことが一つもない」

　兵庫県加西市でラーメン店「桐麺（きりめん）」を営む桐谷尚幸氏は、キャッシュレス決済が広がる現状をこう切り捨てる。桐麺は週3日の営業で、来店客を各日50組に限定するこだわりが特徴で、日本全国からラーメンファンが訪れる人気店だ。最近はインバウンド（訪日外国人）の来店も増えてきたが、桐谷氏は現金払いのみで営業を続けている。

　その理由は、キャッシュレス導入のメリットを想定できないからだ。売り上げを集計して現金と突き合わせるレジ締め作業の効率化や、釣り銭トラブルの低減など、効果は考えられるが、コストと見合うのか確信が持てない。

　桐麺の場合、キャッシュレスに対応するためには、30万円ほどを投資して、今の券売機に機能を追加する必要がある。加えて売り上げの一定割合を決済事業者に手数料として支払わなければならない。「合計すると5％くらい持っていかれる感覚だろう。他の原材料アップもあるから、キャッシュレスにすると全商品を200円くらい値上げすることになりそうだ」とそろばんをはじく。

　ニッセイ基礎研究所によると、客単価が低く、規模が小さい業態ほどキャッシュレス化が難しい。同研究所の福本勇樹氏は「規模が小さい事業者は、キャッシュレス化で人件費や固定費などを削減しようにも、その余地があまりない」と説明する。

　キャッシュレス化は集客のための投資とも言えるが、負担は減らしたいのが本音。前述のカレー店が導入した機器は、実はクレジットカード決済にも対応している。だが「手数料が高いから、客にはクレカは使えないと言っている」と店主は打ち明ける。

コメント

キャッシュレス決済が普及するにつれて、消費者には便利な一方で、店舗側の負担が増大しているのは事実だ。
特に、低価格で提供しているラーメン店などにとっては、キャッシュレス決済の手数料は大きな負担となる。
導入コストや手数料を考えれば、その分を価格に上乗せせざるを得ないのは当然の流れだろう。

しかし、消費者の認識が不足しているため、「なぜこの店はキャッシュレス対応しないのか？」といった声が増え、
結果的に店舗側が無理に対応せざるを得ない状況になりつつある。
それが「安い店が普通の店になってしまう」現象を引き起こし、最終的には客離れにつながるリスクもある。

キャッシュレス決済の導入は、業種や店舗の経営方針に応じて慎重に判断されるべきものであり、
消費者側も「便利さにはコストがかかる」ということを理解する必要があるだろう。
むしろ、現金払いで低価格を維持している店の価値を再認識し、店舗の経営方針を尊重する姿勢が求められる。

店舗側も、無理に客の要望に振り回されるのではなく、
「現金払いのみでコストを抑えているからこそ、安価で提供できる」という明確なメッセージを発信すべきだろう。
English Comment

As cashless payments become more widespread, they offer convenience for consumers but also increase the burden on store owners.
For low-cost restaurants like ramen shops, transaction fees for cashless payments can be a significant financial strain.
Considering the setup costs and transaction fees, it’s only natural that businesses would have to increase their prices accordingly.

However, due to a lack of awareness among consumers, more people are questioning,
"Why doesn’t this store accept cashless payments?"
This growing pressure is forcing businesses to comply, which in turn causes "affordable shops to turn into just ordinary ones,"
ultimately leading to potential customer loss.

The introduction of cashless payments should be a carefully considered decision, depending on the type of business and its management strategy.
Consumers also need to understand that convenience comes at a cost.
Rather than demanding that all stores implement cashless systems, people should appreciate the value of businesses that maintain lower prices by keeping cash transactions.

Store owners, on the other hand, should not blindly follow customer demands but instead clearly communicate their policies.
They should emphasize that "by maintaining a cash-only system, we can keep prices affordable."
This kind of transparency could help customers understand the reasoning behind their decisions and support small businesses more effectively.