日本ができないが、海外では可能ということでもある。
温度がポイントとなる台風については、意図的にその温度を変えることは理論的には可能だ。
人工地震といった話もあるが、人口台風(熱帯低気圧を台風にする)ということはあり得る話だ。
実際には既に他国では技術開発され、実用化済みかもしれないという恐ろしい話でもある。
Yahoo!より、
立ち後れる日本の台風観測、衛星技術の限界 「人工制御」へ進む研究
11/5(火) 7:12配信47NEWS
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191105-00000001-yonnana-soci
記事より、
台風19号(ハギビス)は、東日本を中心に大きな被害をもたらした。地球温暖化に伴い“凶暴”な台風の襲来は今後も増えるとみられている。
名古屋大学宇宙地球環境研究所の坪木和久教授(気象学)は、従来の衛星を活用した日本の観測方法には限界があり、19号のような大型台風では正確な予測が難しいと指摘する。観測に航空機を活用する米国などに大きく立ち後れているとして、早期導入を提唱している。
その先に、台風の人工制御も夢ではないと語る。
坪木教授に寄稿してもらった。
台風防災において、進路、強度、雨量の予測が最も重要である。その高精度化のためには台風の強度やその周辺の大気状態を正確に測定することが不可欠である。気象庁をはじめとする世界の気象予報機関では、台風の中心気圧などの強度を衛星で観測される台風の雲パターンから推測している。
この方法では、中程度の台風強度は比較的精度よく推定できるが、ハギビスのような強い台風になると誤差が大きくなる。また、近年の衛星観測技術の発達により、大気の河のような水蒸気の水平分布は宇宙から観測できるようになってきた。
しかし大気の安定度に直接関係する水蒸気の鉛直分布、特に大気下層の相対湿度を5%の精度で観測することはできない。これらの問題を解決するためには、台風の中心気圧や水蒸気の航空機による直接観測が不可欠である。
現在、世界ではハリケーンに対して米国が、台風に対しては台湾が航空機観測を実施している。
日本には毎年平均11個の台風が接近し、平均2〜3個が上陸し、毎年のように災害をもたらしている。それにもかかわらず日本は現業観測として台風の航空機観測を行っておらず、米国や台湾に大きく立ち後れている。
もし日本に接近するすべての台風について航空機観測ができるようになれば、台風防災に大きく寄与することは間違いなく、観測用航空機の早急な導入が望まれる。もし台風ハギビスが接近していたときに航空機観測があれば、より正確な台風の強度変化を知ることができただけでなく、雨量をより精度よく予測できただろう。
2017年から名古屋大学、琉球大学、気象庁気象研究所の研究グループは、航空機を用いた台風の直接観測を開始した。また、大気の河の観測も計画している。
これらは実験的な観測で1回のフライトに約1千万円かかるので、各年に1つの台風の観測が限界である。この経費は高額のように思われるが、例えば18年の台風21号の被害額が数兆円であったことを考えると、航空機観測は十分コストに見合うのである。
より正確な台風の予測ができれば、事前に対策を立てることができ、効果的な防災が可能になる。また、適切な避難につながることで、少なくとも人的被害を限りなくゼロに近づけることが可能である。
現実的なことを考えると、現在の日本で航空機を用いた現業観測が可能な組織は、航空自衛隊だけではないだろうか。ハギビスの場合もそうであるが、災害後に派遣される自衛隊の皆様のご活躍にはほんとうに頭が下がる。
台風は我が国に毎年大災害をもたらすことは明らかなのだから、台風の接近時、発災前にも活躍していただくことは、きわめて大きな国防上の意義があると思う。
さらにその先には台風の人工制御がある。台風の研究をしていると、台風を消したり、進路を変えたりできないのかという意見をしばしばいただく。いかに自然現象とはいえ、これほどの大災害を毎年のようにもたらす台風を、なんとかもう少し勢力を弱めたり、直撃を避けたりできないものかと誰もが思う。
私は台風の人工制御は原理的には可能であると考えている。その詳細をここで述べる余裕はないが、台風というのは実は非常にデリケートで、ちょっとした環境や構造の変化に対して敏感に強度や進路が変化する。
ただし、原理的に可能ということと実現できるということの間には天と地ほどの違いがあり、解決しなければならない課題は山のようにある。有人航空機、さらに無人航空機による台風観測の先には、台風制御が現実になる未来が必ず来るだろう。(名古屋大学宇宙地球環境研究所・教授=坪木和久、気象学)
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