どうしても、テレビで話題になっている事故に目が奪われがちで、ブロック塀は歩道側に倒れるものと多くの人は信じているようだが、現実は違う。
そもそも控壁が敷地にないようなケースでは当然だが、敷地側に倒れる可能性もある。
実際に、以下の論文では過去の地震被害の調査の結果、歩道側(敷地外)に倒れるのは8割で2割は敷地内に倒れるという数字を示している。
この敷地側に倒れるというものは、家の持ち主や住人(借家の場合もある)に被害が及ぶ可能性があるということだ。
他人に迷惑をかけるだけではなく、自分自身にも危害が及ぶ可能性がある、まさに、他人事ではないという意識は重要だろう。高齢者だからという場合も、もし、自分の孫が家に遊びに来て、庭で遊んでいたら地震でブロック塀が庭に倒れてきて、孫が下敷きになって死んでしまったらどうする?ということを考えてみてほしい。
また、通行人にはお孫さんと同じくらいの年齢の子どもたちもいる。実際に、高槻市では小学生の女の子が亡くなっている。
いつまでも、高齢者だからとか、お金がないからでは済まされない問題。
本来、自分で作ったものだから、それに対して責任をもつのは当たり前の世界だ。
例えば、葬式は税金でなされるべき?などと誰も考えないだろう。
なんでも税金で何かをしてほしいというのは勝手だが、そうした対応で税金が頻繁に使われるのは明らかに公平性に賭けるだろう。
参考)日本建築学会2008年の論文より、
テーマは、2007年新潟中越沖地震の柏崎市の被害調査
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijt/14/28/14_28_655/_pdf
さらに、大事なことは、地震でブロック塀で人が死ぬのは稀であること。
地震で人が死ぬのは、木造住宅の1階で寝ていて、2階が上から落ちてきて挟まれてしまって、圧死をしてしまうというのが典型的なパターン。
ほぼ、これしかないというほどあらゆる地震災害で起きているのが木造住宅での圧死。
ポイントは明確で、古い2階建ての木造住宅、1階で寝ている、2階が上から落ちてくる、そして圧死するということ。
これの逆は、木造住宅を耐震化する、2階で寝る、圧死まではしない(怪我をしないとは言い切れない)可能性が高い、ということ。
無料でできることは、古い木造住宅であっても地震に備えて2階で寝るということ。
豪雨災害に対しても、一つの安全確保法が2階に寝ることというのは気象庁も推奨しているところだ。
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