それに対して、みずほ総合研究所では2018年までは年間84万戸で推移そのあとの10年間は63万戸との見通しを示している。
この数字はいずれも、NRIの過少予測よりも大きな数字だ。
さらに、サブシナリオで複数の想定をする、また、住宅残存率を低め(建替え更新のタイミングを早くする=現実的な数字にすることだと思われる)とすることで、63万戸の落ち込みにはならず年間90万戸まで上振れする可能性について言及をしている。
みずほ総合研究所より、
2016年1月4日
今後の住宅市場をどうみるか?@
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp160104.pdf
住宅着工は2020年代に60万戸台へ
○世帯数、建替え、ミスマッチの3要因 から住宅着工戸数の長期予測を行った。メインシナリオでは
2013〜18年 が年間84万戸、 その後の10年間は概ね年間63万戸となる見通し
○サブシナリオとして、総人口の下振れ・上振れケース を推計すると、2019〜28年の10年間に 着工はそれぞれ年間55万戸、72万戸となり、メインシナリオから7〜8万戸程度上下に振れる
○なお、住宅残存率を低めに推計(建替え需要の増加)すると、2019〜28年の着工は最大で10年間 に年間90万戸まで上振れるが、一方で空き家が著しく増加することになる
というものだ。
注意したいのは住宅着工数が増えると空き家が著しく増加するというのだが、果たしてそれは問題となるのか?というのが一つの疑問。
今ではまちなかでも老朽化したビルは実は倉庫として使われているようなところもある。
まるで沢山住宅が増えること自体が悪い、というような価値観がはびこっていることは大きな問題だ。
空き地よりも空き家の方が使い方が多様にあるのは明らかだ。
いつまでたっても世帯数よりも住宅数が多いのは過剰だという貧乏くさい考え方は止めた方がいいだろう。
例えば、日本の10世帯に1世帯が自宅(持家でも賃貸でもよい)の他に別荘を所有することは問題なのか?と問えば、誰だって何が?ということになるだろう。
空き家問題を必要以上に騒ぐのはナンセンスだ。
また、実際問題、古いあらゆる面で現代的な観点から古い住宅を維持して活用するよりも建替えて新築してしまった方が良いケースは多々あるということはまじめに考えなければならない。
建物というのは新築するコストよりも冷房暖房、給湯などのエネルギー消費のコストの方が長期に使う場合には大きくなる。
断熱性能が高い住宅は新築で作るのは簡単で安いが、既存の断熱性の低い住宅を高断熱にするコストは通常は割に合うものではない。
感覚だけで長寿命などについて議論するのは大きな間違いだ。
新築はあってもよいし、ある意味、建て替えでも新築である以上、新築があって当然なのだ。
今の住宅の総数はストックで6000万戸ある。
60年を住宅の寿命とすれば、年間60万戸を建て替えても100年かかる。
実際には60年が寿命だから100万戸を毎年建替えてやっと60年サイクルで建て替えができるということになるのだ。
今後、住宅の着工戸数が年間100万戸程度となることは当面新築として供給されるということは過大な数字でもなんでもないのだ。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image