しかし、就職活動が氷河期と言われた時代から、今は仕事は選べる時代になった若者からすれば、明らかに景気は回復しているのだ。
要するに高齢者バイアスがかかっている世界の言葉が、景気回復の実感がない、という言葉だ。
国民という抽象論ではなく、誰が発している言葉であるかに大きな意味がある。
Yahoo!より、
<衆院選>アベノミクス継続へ 消費増税実施が焦点に
10/22(日) 23:31配信 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171022-00000216-mai-bus_all
記事より、
衆院選で与党の勝利が確実となったことで、安倍政権は経済政策「アベノミクス」を継続する方針だ。足元の景気は回復しているものの「実感が乏しい」との指摘は多く、今後はいかに賃金の上昇などを実現できるかが課題・・・
いかに年金を上げるかということがベースに隠されている議論。
年金会計からは無理な話だが、あり得るとすれば、高齢者の年金だけをカットして低所得年金者にばらまくことだ。
記事において、
公約で教育無償化の財源とすることを掲げた消費税増税を、2019年10月に予定通り実施できるかどうかも焦点・・・
ってバカだろう。
すでに法律は国会で承認されており、どう考えても10%に+2%引き上げられることは織り込み済みだ。野党のようなくだらないことを書く毎日新聞は左翼だ。
実際、
選挙戦で野党が批判したように、景気回復の実感が乏しいとの指摘は多い。企業業績の向上や雇用の改善にかかわらず、賃金の伸びが鈍いためだ。年金など将来不安から消費の手控え傾向は続いており、大企業の収益改善が中小企業や個人に波及する経済の好循環は実現していない。物価上昇率も0%台にとどまり、デフレ脱却も道半ばだ。今後は、経済の実力を底上げするための成長戦略に腰を据えて取り組むとともに、社会保障の充実や財政健全化などで将来不安を軽減することが必要になりそうだ・・・
と野党の批判をそのまま引用している。
これは、
・景気回復は穏やかに続いていること
・賃金の伸びは退職して再雇用される高齢者の賃金が統計に反映されていること
・年金はデフレだから増えない
・物価上昇0%だからこそ豊かだが、金利は付かない
・大企業の収益改善は中小企業の仕事を維持し、海外への移転を防いでいる
・年金生活の高齢者は医療費以外には大きな出費はない
というのが実際の話で、これらを見えば、賃金が増えていくということが景気回復の実感の定義であれば、それは年金生活者がほとんどの高齢社会にはあり得ないという当たり前のことだ。
むしろ経済の低迷を防いでいるということは本来評価すべきことなのだ。
ちなみに、Yahoo!より、
景気回復期間“いざなぎ景気”超えの可能性に若者 「実感めちゃくちゃある」「国に携わる人だけ」
2017.10.05 08:00
https://abematimes.com/posts/3037124
記事から、
「めちゃくちゃある。業種的にも売り上げは伸びているし、いろんな回転が良くなってきていると思う」(23歳・男性/不動産業)・・・
「自分のお店にはお金持ちがよく来る。経営者だったりお医者さんだったり、お金持ちしか見てないから(景気が)どう変わっているのかわからない」(19歳・男性/クラブ店員)・・・
「全然ありだと思う。結婚願望も今の時代ないじゃないですか、若い人たちって。自分が生活して家賃払えるだけのお金を稼げるなら、フリーターはありなんじゃないかと」(20歳・男性/人材派遣業)・・・
こういう声を見れば、みんな一斉に高度経済社会のような価値観、右肩上がりサイコーみたいな時代ではないということも分かるだろう。
冷静な分析、同じくYahoo!より、
日米両国で「実感なき長期景気拡大」が長期間続く理由
ダイヤモンド・オンライン 高田 創 2017/10/03
https://www.msn.com/ja-jp/money/news/%E6%97%A5%E7%B1%B3%E4%B8%A1%E5%9B%BD%E3%81%A7%E3%80%8C%E5%AE%9F%E6%84%9F%E3%81%AA%E3%81%8D%E9%95%B7%E6%9C%9F%E6%99%AF%E6%B0%97%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%80%8D%E3%81%8C%E9%95%B7%E6%9C%9F%E9%96%93%E7%B6%9A%E3%81%8F%E7%90%86%E7%94%B1/ar-AAsS18n
記事から、
日米ともに、今回の局面が、歴史的にも力強い景気回復かというと、そこまでの実感はなく、「実感なき景気回復」と言った方がいい。どちらも、物価や金利は低いままの「低温経済」。だがそのことが実は景気拡大を長持ちさせている秘密だ・・・
利上げによる急ブレーキがかかりにくい分、景気拡大も長持ちしやすいことになっている・・・
昨年は世界的に「3L」(3低)(低成長、低インフレ、低金利)が話題になったが、今年、そのなかの「成長」はそこそこの水準に改善している。
ただし、他の2つの「L:低い」である「インフレ率」と「金利」は依然、続いている。
以上の状況が続くとなると、低インフレのもとで、先述のように利上げペースが緩やかにななることで、米国の景気拡大期間が長引くことに繋がりやすい。・・・
ということで、安定を望むのであれば、ある意味、今は最高に安定している状況だ。
金利が急上昇して利子が付くのはいいけれども、いつ急降下するか分からないハラハラドキドキはもともと日本人の多くは嫌うもの。
しかも、高齢者が多数派の時代だ。そうした安定を望む傾向はますます強まるだろう。
世界が変わったことを無視して、昔ながらの景気回復を再びというのは無いものねだりで間違った夢だろう。
景気の回復が実感できないというが、それで生活は本当に悪くなったのか?
別に悪くはなっていないというのが安倍政権への信認、消費税の+2%増税の公約を認めた国民の本心だ。
参考)
「粗大ゴミ」でもわかる経済の読み解き方
「アベノミクス景気」の正体は?
マネー 2017.5.18 宅森 昭吉 三井住友アセットマネジメント 理事・チーフエコノミスト 宅森 昭吉 PRESIDENT Online
http://president.jp/articles/-/22104?page=2
これによると、
経済統計は「小数点第2位」までみる
なお、最近、詳細にみると、新聞の見出しとは異なった面が見える統計が多い。たとえば、「3月分の完全失業率は2.8%で低水準ながら2月分と同水準にとどまった」というのが一般的な見方であろう。
しかし、小数点第2位までみると1月分で2.95%、2月分2.84%、3月分2.75%で、ほぼ0.1%ずつ毎月着実に低下しているのである。2.8%は94年6月分以来だが、2.75%としてみると93年11月分の2.74%以来の低水準になる・・・
とある。
今は、銀行の金利は0.010%(ゆうちょ普通預金)の時代だ。
金利が数パーセントあった昔の人からすれば、100分の1しか金利が付かない時代。
だが、同時に、住宅ローンなどの金利をみれば(リフォームも同様)で、35年、固定で1.246%という数字。バブル期には8%という時もあったのだから、5分の1の世界だ。
このように、これまで数パーセントで議論していたものの10分の1、100分の1の数字で議論する時代が今なのだ。
おまけに長生きする時代。
http://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/24forum/pdf/tokyo-s3-2.pdf
平均寿命が延びるということは、本来その分生涯賃金を増やさなければならないはず。
これを年金に頼る=若者世代に負担させる、ということをしているから、当然、景気がよくない、景気回復の実感がないとなる。
若者の自立が言われるが、高齢者の自立が今の最大の課題なのだ。
今時福祉の充実を叫んでいるだけでは、物事は解決しないのは明らかだ。
ちなみに、先の寿命の延びている資料で面白いのは、高齢者が何にお金を使いたいかというアンケートへの答え。
高齢者が「優先的にお金を使いたいと考えているもの」は、
・「健康維持や医療介護」、「旅行」、「子どもや孫のための支出」がベスト3
この逆は、
・「家具等の購入」、「通信・放送受信」、「衣料品の購入」がワースト3位
という結果だ。
ワーストから2位の放送受信とは明らかにNHKの受信料の強制徴収だろう。
政治的には、このあたりに対応する=NHKの無償化=民営化による受信料分をCMで稼ぐ、ということが安倍政権の大きなテーマだろう。
安倍政権がやならければ、対抗する野田聖子総務大臣の仕事となるだろう。
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