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2012年03月24日

森絵都「カラフル」感想

カラフル (文春文庫)




「宇宙のみなしご」より対象年齢は上かな?

不倫とか援助交際などが出てくるのですが、不思議とあまりいやらしい感じはしません。
ただ、でもやっぱりそういうのに嫌悪感を抱く子はいると思うので、中〜高校生あたりが対象になるのかなあ。ううむ。むしろその年代の子のほうが過敏か?

面白かったです。
個人的には「宇宙のみなしご」のほうが好きですが、面白かったです。
まあ、やっぱり文字が大きくて読みやすくて、というのもあるのですが、続きが気になって読みすすめていると、
「あれ?気付けばもうここまで読んでる!」
と驚きました(笑)。

前世で何かの罪を犯して死んだ主人公が、本来であればそのままその罪の故に魂が消滅してしまうところを、(応募してもいない)抽選で大当たり!となり、(半ば強制的に)再び現世に戻ることになった。
ただし、主人公の前世の記憶はなく、現世での憑代(よりしろ)は、天使とそのボスが決めることになっている。前世の罪に応じて、そのホームステイ先は変わるらしいのだが…。


というもの。

前世の記憶を失くした主人公は、自殺を図ったが奇跡的に助かった「小林真」として人生を途中からやり直すことに。


正直、途中からオチは読めてくるのですが、そのクライマックスへ至るまでの爽快感がたまりません。

「来るか?来るか?おお、キターー!!」

って感じです。

先は読めるけど、面白い。

ジェットコースターにも何種類かあって、そのうちの1つに、「先が見えなくてドキドキする」。また1つに、「先が見えるけどドキドキする」があると思うのですが、「先が見えるけどドキドキする」タイプだと思います。

ああ、あそこで急カーブになってる!身構えなきゃ!
あ、もうすぐ落下くるぞ、踏んばらなきゃ!
しばらくなだらかだぞ、ちょっと落ち着こう…
クライマックス、来る、来る、キタ―!!

そんな感じです。

下手に期待を裏切ることなく進んでも、「あー、面白かった!」という魅力にあふれていると思います。


「宇宙のみなしご」もそうだったけど、キャラクター達が、漫画チックではあるけど、なかなかいい味を出しているんだよなぁ。


主人公に関しては、前世の情報がないので、イマイチ想像つかなかったりするのですが、「こういう奴だったと思われる小林真」像と比較するとギャップが面白いです。
でも、小林真と同一化している瞬間は、「小林真」が思い浮かぶ。

ふつーにふつーな「早乙女くん」も、ふつーにふつーなんですが、雰囲気が思い浮かぶ。

援助交際をしている、どことなく頭のゆるそうな「ひろか」も、なんかイメージが浮かぶ。

登場したときは、「電波キャラ!?」と勘違いしてしまった唱子も、だんだんかわいらしく見えてくるし(笑)。

小林真の兄で、真に嫌味を言いまくる「満」も、テンプレートキャラではあるけど、なかなかどうして、いいキャラです。
こういうキャラは、客観的に見るとかわいい(笑)。実際、こういうのが同級生とか兄弟だったりするとムカつくと思うけど(笑)。

真の父親も母親も、やっぱりテンプレートではあるんだけども血が通っているなあ、という感じがします。

難解な話を読みたい方には物足りないかもしれませんが、素直に捻くれることなく物語を読みたい方にはおすすめだと思います。

最後まで読んで、タイトルについて思いを馳せるのもまた一興。

こういう話を読むと、「物語っていいなぁ」とうっとりしてしまいます。
posted by みあ at 00:30|
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日々の中で感じたことを、個人的な偏見を交えて語りたいと思います。 本とか、音楽とか、映画とか、いろいろ。
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