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posted by fanblog

2012年01月28日

BUMPとVoyagerとflyby

BUMPの曲、特にアルバム「orbital period」を聴く上で、知っておいたほうが曲を聴くときに世界が広がるのかな、と思われるワードが、「Voyager」。
yahoo辞書で調べましたら、

「1 ((文))航海者,航行者;旅行者;(特に昔の)海の探検者.
 2 ((V-))ボイジャー:米国の無人宇宙探査機.
 3 ((米俗))LSD使用者.」

とのこと。

「orbital period」に収録されている「Voyager」は、2の米国の無人宇宙探査機です。
ボイジャーの任務は主に、外惑星の調査(地球より太陽側にある惑星を内惑星、外側にある惑星を外惑星と言います)。
ボイジャーには1号と2号とあるのですが、両方ともに1977年に打ち上げられ、1979年に木星を通過しています。
なんでボイジャーが1977年に打ち上げられたかというと、ちょうど外惑星が同じ方向に並んだからだそうです。
向かう方向が一緒なら、木星探査のついでに土星、天王星、海王星にも行けるかもしれないし、何よりスイングバイ飛行が出来るからだそうで。
ちなみに、この時を逃すと、あと175年ほど待たないといけなかったらしい。…どんだけやねん。

さて。スイングバイ飛行。フライバイ、とも言うそうです。
完全文系の私には、力学的なことはさっぱり分からないのですが、惑星の重力の力を借りて加速する飛行法のことだそうです。
私たちがいる太陽系は、基本的に太陽の重力にひかれて惑星が太陽の周りを回っています。
太陽系にいる限り、太陽の巨大な重力には逆らえません。
ボイジャー1号が太陽系を出るためには42.1 km/sの速さが必要だったらしいのですが、木星に向かったときの速度では太陽系を出ることは不可能で、木星あたりまでしか行けなかったらしいです。
それを木星でスイングバイ(フライバイ)したため、加速。
今では太陽系を抜け、地球から1番遠いところにいる人工物です。

ちなみに、BUMPのアルバム、「jupiter」のアルバムジャケット写真は、ボイジャー2号が撮ったものです(…と思ったんですが、改めて2つの写真をよく見てみると違う気がする…。嘘ついてる可能性高いです、すみません)。
ボイジャー1号も木星の写真を撮ってます。
土星のチャームポイントである大赤班のどアップという、苦手な人が見たらトラウマになりそうなのを(笑)

雑誌のインタビューで、藤原さんが、自分が生まれた1979年に、ボイジャーが自分の好きな木星を通過したことに感動して(さらに藤原さんの生まれた曜日が木曜日だったこともあり)、「Voyager」と「flyby」という曲をつくったと言っていた記憶があります。

でもってボイジャーには、ゴールデンレコードなるものが搭載されています。
(おそらく、「COSMONATE」のディスクデザインは、このゴールデンレコードをイメージしたものではないかと)

このゴールデンレコードはまだ見ぬ地球外生命体へ向けてのメッセージとして搭載されたもので、様々な自然の音や動物の鳴き声、音楽、55種類の言語でのあいさつ、画像が収録されているそうです。

ただ、宇宙は広い。想像できないほど、途方もなく広い。
ボイジャーが太陽以外の1番近い恒星(太陽みたいに燃えて光り輝いている星のことです)に辿り着くのに4万年かかるそうなので…。
運良くボイジャーがどこかの惑星の知的生命体に発見されても、きっとその頃には人類は滅亡してるでしょう。

それでも、人類がいたことを誰かに知ってもらうための小さな希望と、生命体がいる星は地球だけではないはずだという望みをのせて、ボイジャーは今も静寂の宇宙空間を飛んでいます。

1号は2020年以降、2号は2030年以降に稼動が完全に停止してしまうそうですが、太陽の束縛からも逃れたボイジャーは、ただひたすら宇宙を航海するのでしょう。

藤原さんは雑誌のインタビューで、ボイジャーに感情移入してしまったらしく(笑)、

フライバイ(ここでの意味は最接近通過)したってことは、木星には着陸しなかったってことなんですよ
そこに木星があるのに、近くまで来たのに、そのまま通過したんですよ

と、ボイジャーの哀しみを力説していた記憶があるのですが(うろ覚えです、スミマセン)、その藤原さんのインタビューを読んで、月に近づいていながら月面に降り立つことが出来なかったアポロ13号を思い出しました。

それから数年経って、アポロ11号の乗組員の1人、コリンズの言葉をどこかで見て、感動しましたです。
ボイジャーは、この人だったのかもしれない、と。

コリンズはアポロ11号の他のメンバー(アームストロング、オルドリン)の月面着陸を見届け、自分は船内に残り、2人を見守り続け、無事に回収、地球への帰還を果たしました。
メンバーが月面に降り立っている中、コリンズはただ一人、月の裏側を飛行していたそうです。
月の裏側は、常に地球と反対方向を向いているため、地球を見ることもできません。
そして、地球との全ての通信が一時遮断されたそうです。

以下、コリンズの言葉。

「特に月の裏側にいるときは格別な感情を味わった。
 私は本当に一人だ。
 全太陽系の中で、自分の生まれた惑星すら見ることの出来ない、たった一人の人間」


「 私はいまひとり、まったくのひとりだ。
 すべての既知の生命から絶対的に隔離されている。
 数をかぞえるとするなら、月の向こう側には30億人+二人、
 こちら側には一人+ それ以外の人数は神のみぞ知る。
 私はいまその隔絶を、恐怖や孤独としてではなく、意識、予感、満足、自信、
 そして歓喜にちかいものとして、ひしひしと感じている。
 その感覚が気に入っている」


コリンズの孤独の背後に、地球以外の生命体を感じるすげえ言葉だと思います。
既知の生命からの絶対的な隔離と、未知の生命との感覚としての接近。

そしておそらく、ボイジャーも同じ気持ちなんじゃないかと。
ボイジャーは木星に着陸することよりも、その先を望んだんじゃないかと。
何故ならボイジャーには、彼らをつくった人たちの思いが宿っていると思うから。

最後に、もう一度コリンズの言葉。

「われわれを喜んで親しく迎えてくれそうな場所とはとても思えなかった。
 その領土を、われわれは侵そうとしているのではなかろうか。
 そんな不安な気持ちを抱かせる月だった」


この言葉を発したコリンズの心情はさておき、だからこそ人間は、宇宙に憧れるのかもしれないです。
自分たち以外の生命体が、宇宙のどこかにいるのではないかと。
生命が宿る星は、地球だけではないのだと。
自分たちを喜んで優しく迎えてくれる星が、地球以外にもきっとあるのだと。

思わずつっこみ「月、分譲中。」(https://fanblogs.jp/miaessen/archive/13/0)にも書きましたが、実は、生命は宇宙に歓迎されてないんじゃないかと、宇宙に浮かぶ月を見ていると思ってしまうのです。少数派かもしれませんが。

そうじゃないんだよ、って言って欲しい。
あなたたち生命は、地球にも宇宙にも愛されているんだよ、と言って欲しい。
この広い宇宙のどこかに、あなたたちと心を通わせることが出来る生命体がいるんだよ、と言って欲しい。

そうでないと生命は、あまりにも孤独だから。
地球の生命体を認めてくれる地球外生命体を、人間はどこかで探し続けているのかもしれません。

だからこそボイジャーのゴールデンレコードは、まだ見ぬ、そしてきっと永劫会うことはないであろう、どこかの星の宇宙飛行士への手紙でもあるのかも。


2018.10.20追記
ボイジャーが出たのは「太陽系」ではなく、「太陽圏」のようです。
BUMP「話がしたいよ」とボイジャーと太陽と←詳しくはコチラ
スミマセン…




posted by みあ at 00:04| BUMP・用語編
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日々の中で感じたことを、個人的な偏見を交えて語りたいと思います。 本とか、音楽とか、映画とか、いろいろ。
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