2019年04月06日
ナッツ摂取、糖尿病患者で心血管疾患・全死亡減:大規模前向きコホート
手のひらにくぼみを作って乗るくらいの木の実を食べてください!
ナッツ摂取、糖尿病患者で心血管疾患・全死亡減:大規模前向きコホート
提供元:ケアネット 公開日:2019/03/07
心血管疾患合併や早期死亡の予防に、
ナッツ類(とくに木の実)の摂取を増やすことは、
糖尿病診断後いつからでも遅くはないのかもしれない―。
これまで、心血管疾患をはじめとした慢性疾患発症に対するナッツ摂取の効果が報告されてきたが、
2型糖尿病とすでに診断された患者に対するナッツ摂取の長期的ベネフィットについては、
エビデンスが十分ではなかった。
米国・ハーバードT.H.Chan公衆衛生大学院のGang Liu氏らが、
看護師健康調査(1980〜2014年)と医療従事者追跡調査(1986〜2014年)の参加者のうち、
ベースライン時あるいは追跡期間中に2型糖尿病と診断された1万6,217例について行った試験で明らかにしたもので、Circulation Research誌オンライン版2019年2月19日号で発表した。
本研究は、ナッツ摂取量と冠動脈疾患や脳卒中を含む心血管疾患リスク、全死因死亡率と疾患特異的死亡率の
関連を調べることを目的として行われた。
ナッツ摂取は総量のほか、木の実やピーナッツといった、特定種類の摂取量についても検討された。
なお、ナッツ摂取量は食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて評価され、2〜4年ごとに更新された。
主な結果は以下のとおり。
・延べ追跡期間は22万3,682〜25万4,923人年。
その間に3,336例が心血管疾患を発症し、5,682例が死亡した。
・総ナッツ摂取量の増加は、心血管疾患発生率および死亡率低下と関連した。
・週5サービング(1サービング=28g)以上のナッツ摂取量が多い参加者は、
月に1サービング未満の少ない参加者と比較して、
総心血管疾患発生率(多変量調整後のハザード比[HR]:0.83、95%信頼区間[95%CI]:0.71〜0.98、
傾向のp=0.01)、
冠動脈疾患発生率(HR:0.80、95%CI:0.67〜0.96、傾向のp=0.005)、
心血管疾患死亡率(HR:0.66、95%CI:0.52〜0.84、傾向のp<0.001)、
全死因死亡率(HR:0.69、95%CI:0.61〜0.77、傾向のp<0.001)が低かった。
・総ナッツ摂取量は、脳卒中発症やがんによる死亡率と有意な関連はみられなかった。
・木の実(クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミア、ヘーゼルナッツなど)の摂取量
が多いほど、
総心血管疾患および冠動脈疾患発生率、
心血管疾患とがんによる死亡率、
全死因死亡率が低下していた。
一方、ピーナッツ摂取量の増加は、全死因死亡率の低下のみと関連していた(すべて、傾向のp<0.001)。
・糖尿病と診断後に総ナッツ摂取量を変えなかった参加者と比較して、
診断後に摂取量を増やした参加者は、
心血管疾患リスクが11%、冠動脈疾患リスクが15%低かった。
また、心血管疾患死亡率は25%、全死因死亡率は27%低かった。
・これらの関連は、
性別/コホート、
糖尿病診断時のBMI、
喫煙状態、
糖尿病罹患期間、
糖尿病診断前のナッツ摂取量、
または食事の質によって層別化されたサブグループ分析においても持続した。(ケアネット 遊佐 なつみ)
原著論文はこちら
Liu G, et al. Circ Res. 2019 Feb 19. [Epub ahead of print]
ナッツ摂取、糖尿病患者で心血管疾患・全死亡減:大規模前向きコホート
提供元:ケアネット 公開日:2019/03/07
心血管疾患合併や早期死亡の予防に、
ナッツ類(とくに木の実)の摂取を増やすことは、
糖尿病診断後いつからでも遅くはないのかもしれない―。
これまで、心血管疾患をはじめとした慢性疾患発症に対するナッツ摂取の効果が報告されてきたが、
2型糖尿病とすでに診断された患者に対するナッツ摂取の長期的ベネフィットについては、
エビデンスが十分ではなかった。
米国・ハーバードT.H.Chan公衆衛生大学院のGang Liu氏らが、
看護師健康調査(1980〜2014年)と医療従事者追跡調査(1986〜2014年)の参加者のうち、
ベースライン時あるいは追跡期間中に2型糖尿病と診断された1万6,217例について行った試験で明らかにしたもので、Circulation Research誌オンライン版2019年2月19日号で発表した。
本研究は、ナッツ摂取量と冠動脈疾患や脳卒中を含む心血管疾患リスク、全死因死亡率と疾患特異的死亡率の
関連を調べることを目的として行われた。
ナッツ摂取は総量のほか、木の実やピーナッツといった、特定種類の摂取量についても検討された。
なお、ナッツ摂取量は食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて評価され、2〜4年ごとに更新された。
主な結果は以下のとおり。
・延べ追跡期間は22万3,682〜25万4,923人年。
その間に3,336例が心血管疾患を発症し、5,682例が死亡した。
・総ナッツ摂取量の増加は、心血管疾患発生率および死亡率低下と関連した。
・週5サービング(1サービング=28g)以上のナッツ摂取量が多い参加者は、
月に1サービング未満の少ない参加者と比較して、
総心血管疾患発生率(多変量調整後のハザード比[HR]:0.83、95%信頼区間[95%CI]:0.71〜0.98、
傾向のp=0.01)、
冠動脈疾患発生率(HR:0.80、95%CI:0.67〜0.96、傾向のp=0.005)、
心血管疾患死亡率(HR:0.66、95%CI:0.52〜0.84、傾向のp<0.001)、
全死因死亡率(HR:0.69、95%CI:0.61〜0.77、傾向のp<0.001)が低かった。
・総ナッツ摂取量は、脳卒中発症やがんによる死亡率と有意な関連はみられなかった。
・木の実(クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミア、ヘーゼルナッツなど)の摂取量
が多いほど、
総心血管疾患および冠動脈疾患発生率、
心血管疾患とがんによる死亡率、
全死因死亡率が低下していた。
一方、ピーナッツ摂取量の増加は、全死因死亡率の低下のみと関連していた(すべて、傾向のp<0.001)。
・糖尿病と診断後に総ナッツ摂取量を変えなかった参加者と比較して、
診断後に摂取量を増やした参加者は、
心血管疾患リスクが11%、冠動脈疾患リスクが15%低かった。
また、心血管疾患死亡率は25%、全死因死亡率は27%低かった。
・これらの関連は、
性別/コホート、
糖尿病診断時のBMI、
喫煙状態、
糖尿病罹患期間、
糖尿病診断前のナッツ摂取量、
または食事の質によって層別化されたサブグループ分析においても持続した。(ケアネット 遊佐 なつみ)
原著論文はこちら
Liu G, et al. Circ Res. 2019 Feb 19. [Epub ahead of print]
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