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2016年04月19日

第3回 『黒博物館 スプリンガルド』

どうもみなさん、こんばんは。


空夫でございます。よろしくお願いします。


さて、第3回目は藤田和日郎著 『黒博物館 スプリンガルド』の紹介です。


これは藤田和日郎先生の短編です。分厚めの本で、読み応えバッチリの一冊です。




突然ですが、漫画や本好きには一つの共通点があるかと思います。


それは、自分の好きな作者が本を出した場合、ストーリーもロクに確認せず、無条件にレジに持っていくというものです。


そして、私にとっての藤田和日郎先生がまさにそれでございます。藤田ワールドの住人は、無条件でこの本を読まなきゃもったいないと思います。


藤田ワールドの中毒者は、この絵じゃなきゃ、この物語は読みたくないとすら思うのではないでしょうか。


さてさて、まずはあらすじから参りましょう。


『謎の怪人とおぞましき連続殺人、そしてある“片思い”――霧深き19世紀の倫敦(ロンドン)を大混乱に陥れた都市伝説を元に描く胸躍るゴシック活劇(アクション)!! 『うしおととら』『からくりサーカス』の藤田和日郎、新境地』


青年誌に掲載されていたため、多少大人向けの作品となっております。


この作品の見所は三つほどあります(挙げればキリがありません)


まずは19世紀、産業革命の波にもまれた英国を忠実に再現された世界観。スモッグなどで汚れ、暗い雰囲気が漂っている。そこがまた、お話に説得力を持たせてくれています。


藤田先生のダークで作りこまれた世界観が、ストーリーに重みを持たせてくれているのでしょうね。そこが素晴らしい。


そして陰鬱としたホラ―ちっくな雰囲気を持たせながらも、どこか滑稽で明るく、バトルものであり、謎解きものであるストーリー。


藤田先生の作品に共通して言えることなんですが、読者を飽きさせまいと、とにかく楽しませてくれようとする姿勢がみられます。


毎度毎度、藤田先生の著作見る時は、プレゼントボックスやビックリ箱を開ける気持ちでワクワクします。


そして、なんといっても迫力ある「バネ足ジャック」の活劇です。


バネ足でぴょんぴょん飛び跳ねるなんて、非現実的なことなんですが、その動きが非常にリアルと言いますか、躍動感に満ち溢れているんです。


そのため、バトルシーンやアクションシーンなんか、物凄い迫力があるんですよ。


バネ足で戦ったりするなんて、私は実際そんなん見たことも聞いたこともないけれど、藤田先生にはきっと、見えているんでしょうね。漫画家さんって、本当にすごいなって思います。


この作品は、暗い雰囲気ではありますが、悲劇ではございませんし、救いが無いわけでもございません。


ただ、周りから阿呆呼ばわりされる主人公の真意を知った時、切なさが生まれるかもわかりません。


ですが、それもまた美しく、イイ話なんですよ。


からくりサーカスに比べ絵は大人しめなので、結構読みやすい作品であると思います。


藤田先生の作品が好きな人はもちろん、ダークな世界観が好きな人、アクション漫画が好きな人におすすめした一冊です。


さてさて、今回はこの辺にしておきましょう。


最後は 『黒博物館 スプリンガルド』 の名言で締めさせていただきます。少しネタばれなので、アレルギー反応を起こされる方は、ご遠慮ください。


それでは、また次回お会いしましょう。皆さまが良きマンガに出会えることを、心から願っています。





















「ここから先は敬虔で善良なる者以外立ち入り禁止だ・・・・・・オレたちは入れない」


このセリフ、自分の所のメイドの結婚式を守るために、教会の前で敵さんに立ちはだかり言ったセリフなんです。


このセリフから、自分の今までの行いに対しての罪悪感や、思い人への決別の気持ちが窺えますね。本当、かっこいいわ〜。マジで痺れました。


『うしおととら』と『からくりサーカス』では100パーセント正義な主人公でしたが、ここにきてダークヒーローです。


短編集を見ると、こういったダークな人物が描かれている場合もあったので、藤田先生はどちらも好きなんでしょうね。


そうして違ったヒーロー像を描いてくれるから、飽きがきません。どちらも私の好物ドストライクです。

第2回 『からくりサーカス』

どうもみなさん、こんにちは。空夫でーす!!!!!


さぁ、今日も張り切っていきましょう。


今回は「からくりサーカス」についてのご紹介です。


ええ。2回連続趣味丸出しです。藤田和日郎のターンはあと4ターンは続くので、よろしくお願いします(笑


この作品はね、43巻という長編であるため、○○編みたいに分かれておりまして、一口にあらすじといっても説明が少々難しいのでごぜーます。


だけど出来るだけネタばれ無しでいきたいのでごぜーます。


この作品は伏線が肝であって、「あッ!」と驚かされる展開が醍醐味なのでごぜーます。


なのでネタばれは基本無しです。そのため、話の本筋よりも、できるだけ作品の雰囲気を感じ取っていただければなと思います。


公式のあらすじはこうです。
『遺産相続絡みで命を狙われる少年・勝(まさる)と
人を笑わせないと死んでしまう病にかかった男・鳴海、
そして勝を助けるためにからくり人形を操るおんな・しろがね・・・
三人の運命が交差する時、笑顔の本当の意味が・・・!?
欧風熱血機巧活劇、ここに開幕!!』


正直、これだけじゃわかりませんよね。だけど、なんとなく少年漫画の雰囲気は伝わるかと思います。


とりあえず、簡潔に述べるとするならば、人類の敵は自動人形(オートマータ)であり、それを壊すことだけを目的とした者達がいるんです。勝はその自動人形に命を狙われるようになれ、しろがねはそんな勝を守り、鳴海は兄貴分として勝を守ってあげるんです。



と、見せかけてかーーらーーのーーー??



ところがどっこい、物語は2転3転して、予想外の方向に行ったりします。だが、それがいい。当時読んでいて、本当に先が読めませんでした。続きが気になって仕方ない、本当に仕方なかった。はらはらドキドキですよ。


少年誌ではそういったワクワクドキドキも忘れてはいけない要素の一つですが、この本にはちゃんと詰まっています。


とまぁ、そんな感じで、彼らは数奇な運命に翻弄され、時に心が折れるほどの経験を何度もするが、挫けず希望に縋るわけです。


時に熱いバトル、時に涙、時に笑い、時に心温まる、悲しみの先に希望がある、そんなお話『からくりサーカス』です。


まさにエンターテインメントそのもです。娯楽がたっぷり詰まっております。


それでね勝くんは生い立ちからして可哀そうで、かなり悲劇に巻き込まれていくんですね。マジで途中、読者の心が挫けそうなくらいの絶望と悲劇をブチ込んでくるもんだから、耐性が無い人はキツイかと思います。


アレ絶対読者の心を本気で折りにきてましたよ。


だけど、ちゃーんと救いや希望もございますので、ご安心ください。


かく言う私も、悲劇が少々苦手でございます。特に救いの無い悲劇や絶望が。


そのため、普段はギャグマンガとか日常系のマンガを読み漁っております。


けれども、『からくりサーカス』は、そんな悲劇が苦手な私をも唸らせるわけですから、読んで損は無いと思います。


そして鳴海としろがねはただ勝に巻き込まれていいるだけかと思いきや、なんとも因果な関係で結ばれているんですよ。ここが藤田ワールドの真骨頂です。


藤田先生の魅力は、見事なストーリーと、その独特な絵にあります。


まずはストーリーにおいて大事な要素。伏線と回収です。これほど大風呂敷を広げたのに、ちゃんと畳んじゃうんだもんな。やっぱりすげーわ、藤田先生。


伏線を張るに張り、張れるだけ張って、頑張って頑張って回収に回収重ねられたんですよ。一歩間違えばモヤモヤを残した駄作になるんでしょうが、綺麗に終わった名作です。


それとやはり絵です。この絵が苦手な方はいますが、この絵を敬遠して読まないのはもったいないと思います。それほどまでに、名作なんです。


是非、一読あれ!!


ではでは、今回はこの辺にしておきます。機会がある方は、是非とも全巻一気よみしてくださいね〜〜〜!!!


今回は最後に、私の大好きな名シーンと名ゼリフで閉じさせていただきます。ネタばれを含みますので、嫌いな方は読み飛ばしてください。


それでは、また次回お会いしましょう。



















コロンビーヌは自身の能力でディアマンティーナを追い詰めていた。しかしシャトルから飛び降りる勝とエレオノールを助けるためにディアマンティーナから力を逸らし、その隙を突かれて敗北することになった。
勝の腕に抱かれ、念願がかなったと歓喜した。恋を知りたがったコロンビーヌは歓喜した。

「うれしいな・・・・・。うふふ、やっと男の人に、抱き締めてもらっちゃったァ」

これは当時マジで泣きました。ていうか、このセリフ抜粋するために読み返したら、やっぱり泣きました。
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空夫
どうも、空夫です。「そらお」ではなく、「あきお」です。 2016年4月に入って、蔵書(全部マンガ)の冊数を数えてみたところ、いつの間にか2000冊を超えていました。全て本棚に納めてはいるのですが、少し部屋が手狭になってきた今日この頃です。 一人で楽しんでもよいのですが、皆さまにも楽しんでいただきたい、実際に本を手にとっていただきたいという思いから、このブログを始めてみました。 色々拙い部分はあるとは思いますが、暖かい目で見守っていただけたらと思います。
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