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2020年06月02日

フランツ・カフカの「変身」の多変量解析−クラスタ分析と主成分8

【カラム】
A平均1.0 標準偏差0 中央値1.0 四分位範囲1.0  
B平均1.2 標準偏差0.45 中央値1.0 四分位範囲1.0 
C平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.1低い、標準偏差0.23低い、中央値1.0低い、四分位範囲1.0低い 
CD 平均1. 7高い、標準偏差0.5普通、中央値2.0高い、四分位範囲1.5高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
ABの中央値が低く、CDは高いため、視覚、直示そして新情報が多い。 
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。 
@ 6、視覚以外、直示、新情報、未解決 →居間の扉が開いていた。 
A 6、視覚、直示、新情報、解決 →グレゴールは死んだのか。 
B 5、視覚以外、直示、新情報、解決 →給仕女は死体を脇へ箒で払う。
C 6、視覚以外、直示、新情報、未解決 →痩せていて食事もとらなかった。
D 5、視覚、直示、新情報、解決 →グレゴールの体は平らで乾いていた。
【場面の全体】
 全体で視覚情報が10割のため、視覚の情報が問題解決に効いており、新情報が多いことからテンポよくストーリーが展開している。

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの『変身』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

フランツ・カフカの「変身」の多変量解析−クラスタ分析と主成分7

◆場面3 

Inzwischen hatte sich auch die Tür des Wohnzimmers geöffnet, in dem Grete seit dem Einzug des Zimmerherren schlief; sie war völlig angezogen, als hätte sie gar nicht geschlafen, auch ihr bleiches Gesicht schien das zu beweisen. A1 B1 C2 D2

>Tot?< sagte Frau Samsa und sah fragend zur Bedienerin auf, trotzdem sie doch alles selbst prüfen und sogar ohne Prüfung erkennen konnte. A1 B1 C2 D2

>Das will ich meinen<, sagte die Bedienerin und stieß zum Beweis Gregors Leiche mit dem Besen noch ein großes Stück seitwärts. Frau Samsa machte eine Bewegung, als wolle sie den Besen zurückhalten, tat es aber nicht. A1 B1 C2 D1

>Nun<, sagte Herr Samsa, >jetzt können wir Gott danken.< Er bekreuzte sich, und die drei Frauen folgten seinem Beispiel. Grete, die kein Auge von der Leiche wendete, sagte: >Seht nur, wie mager er war. Er hat ja auch schon so lange Zeit nichts gegessen. A1 B1 C2 D1

So wie die Speisen hereinkamen, sind sie wieder hinausgekommen.< Tatsächlich war Gregors Körper vollständig flach und trocken, man erkannte das eigentlich erst jetzt, da er nicht mehr von den Beinchen gehoben war und auch sonst nichts den Blick ablenkte. A1 B1 C1 D2

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの『変身』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

フランツ・カフカの「変身」の多変量解析−クラスタ分析と主成分6

【カラム】
A平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
B平均1.0 標準偏差0 中央値1.0 四分位範囲1.0
C平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.3低い、標準偏差0.27低い、中央値1.5普通、四分位範囲1.0低い
CD 平均1.7高い、標準偏差0.5普通、中央値2.0高い、四分位範囲1.5高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
B以外は、バラツキがあるため、作者は様々なことを考えている。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。 
@ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 →食べることはできる。ミルクの壺から離れる。
A 6、視覚以外、直示、新情報、未解決 →新聞購読の時間でも声が聞こえない。 
B 6、視覚以外、直示、旧情報、未解決 →人がいるのに住居は静かである。
C 7、視覚、直示、新情報、解決 →グレゴールは、こうしたことに誇りを感じている。
D 7、視覚、直示、新情報、解決 →静かな生活がいつどのように終わるのか。
【場面の全体】
全体で視覚情報は4割であり、視覚以外の情報が重要で、新情報が多くても問題解決に届いている。

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの『変身』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

フランツ・カフカの「変身」の多変量解析−クラスタ分析と主成分5

◆場面2

Aber bald zog er ihn enttäuscht wieder zurück; nicht nur, daß ihm das Essen wegen seiner heiklen linken Seite Schwierugkeiten machte - und er konnte nur essen, wenn der ganze Körper schnaufend mitarbeitete -, so schmeckte ihm überdies die Milch, die sonst sein Lieblingsgetränk war, und die ihm gewiß die Schwester deshalb hereingestellt hatte, gar nicht, ja er wandte sich fast mit Widerwillen von dem Napf ab und kroch in die Zimmermitte zurück. A2 B1 C2 D2

Im Wohnung war, wie Gregor durch die Türspalte sah, das Gas angezündet, aber während sonst zu dieser Tageszeit der Vater seine nachmittags erscheinende Zeitung der Mutter und manchmal auch der Schwester mit erhobener Stimme vorzulesen pflegte, hörte man jetzt keinen Laut. A2 B1 C2 D2

Nun, vielleicht war dieses Vorlesen, von dem ihm die Schwester immer erzählte und schrieb, in der letzten Zeit überhaupt aus der Übung gekommen. Aber auch ringsherum war es so still, trotzdem doch gewiß die Wohnung nicht leer war. A2 B1 C1 D2

>Was für ein stilles Leben die Familie doch führte<, sagte sich Gregor und fühlte, während er starr vor sich ins Dunkle sah, einen großen Stolz darüber, daß er seinen Eltern und seiner Schwester ein solches Leben in einer so schönen Wohnung hatte verschaffen können. A1 B1 C2 D1

Wie aber, wenn jetzt alle Ruhe, aller Wohlstand, alle Zufriedenheit ein Ende mit Schrecken nehmen sollten? Um sich nicht in solche Gedanken zu verlieren, setzte sich Gregor lieber in Bewegung und kroch im Zimmer auf und ab. A1 B1 C2 D1

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの『変身』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

フランツ・カフカの「変身」の多変量解析−クラスタ分析と主成分4

A平均2.0 標準偏差0 中央値2.0 四分位範囲2.0
B平均1.2 標準偏差0.45 中央値1.0 四分位範囲1.0
C平均2.0 標準偏差0 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.6普通、標準偏差0.22低い、中央値1.5普通、四分位範囲1.5高い
CD 平均1.8高い、標準偏差0.27低い、中央値2.0高い、四分位範囲1.5高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
AとCのバラツキがないことから、この点に関し作者の考察は一定である。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。 
@ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 →体の下部を用いてベッドから起きようとする。
A 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 →ベッドの柱にぶつかり激痛が走る。
B 6、視覚以外、直示、新情報、解決 →上体を起こして頭をベッドの端に向ける。
C 8、視覚以外、隠喩、新情報、未解決 →落ちた時に不思議なことが起こると思う。
D 6、視覚以外、直示、新情報、解決 →ベッドに留まることにする。
【場面の全体】
 全体で視覚情報がないため、脳に届く通常の五感の入力信号の外れ値の扱いとなり、視覚以外の情報が問題解決の役割を果たしている。

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの『変身』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

フランツ・カフカの「変身」の多変量解析−クラスタ分析と主成分3

◆場面1

Zuerst wollte er mit dem unteren Teil seines Körpers aus den Bett hinauskommen, aber dieser untere Teil, den er übrigens noch nicht gesehen hatte und von dem er sich auch keine rechte Vorstellung machen konnte, erwies sich als zu schwer beweglich; es ging so langsam; A2 B1 C2 D2

und als er schließlich, fast wild geworden,mit gesammelter Kraft, ohne Rücksicht sich vorwärtsstieß, hatte er die Richtung falsch gewählt, schlug an den unteren Bettpfosten heftig an, und der brennende Schmerz, den er empfand, belehrte ihn, daß gerade der untere Teil seines Körpers augenblicklich vielleicht der empfindlichste war. A2 B1 C2 D2

Er versuchte es daher, zuerst den Oberkörper aus dem Bett zu bekommen, und drehte vorsichtig den Kopf dem Bettrand zu. Dies gelang auch leicht, und trotz ihrer Breite und Schwere folgte schließlich die Körpermasse langsam der Wendung des Kopfes. A2 B1 C2 D1

Aber als er den Kopf endlich außerhalb des Betttes in der freien Luft hielt, bekam er Angst, weiter auf diese Weise vorzurücken, denn wenn er sich schließlich so fallen ließ, mußte geradezu ein Wunder geschehen, wenn der Kopf nicht verletzt werden sollte. A2 B2 C2 D2

Und die Besinnung durfte er gerade jetzt um keinen Preis verlieren; lieber wollte er im Bett bleiben. 
A2 B1 C2 D1

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの『変身』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

フランツ・カフカの「変身」の多変量解析−クラスタ分析と主成分2

2 多変量の分析

 多変量を解析するには、クラスタと主成分が有効な分析になる。これらの分析がデータベースの統計処理に繋がるからである。
 多変数のデータでも、最初は1変数ごとの観察から始まる。また、クラスタ分析は、多変数のデータを丸ごと扱う最初の作業ともいえる。似た者同士を集めたクラスタを樹形図からイメージする。それぞれのクラスタの特徴を掴み、それを手掛かりに多変量データの全体像を考えていく。樹形図については、単純な二個二個のクラスタリングの方法を想定し、変数の数や組み合わせを考える。
 作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、グループ分けをする。例えば、A五感(1視覚と2それ以外)、Bジェスチャー(1直示と2隠喩)、C情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。
 まず、ABCDそれぞれの変数の特徴について考える。次に、似た者同士のデータをひとかたまりにし、ここでは言語の認知ABと情報の認知CDにグループ分けをする。得られた変数の特徴からグループそれぞれの特徴を見つける。
 最後に、各場面のラインの合計を考える。それぞれの要素からどのようなことがいえるのであろうか。「変身」のバラツキが縦のカラムの特徴を表しているのに対し、ここでのクラスタは、一場面のカラムとラインの特徴を表している。
 なお、外界情報の獲得に関する五感の割合は、視覚82%、聴覚11%、嗅覚4%、触覚2%、味覚1%とする。(片野2018)

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの『変身』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

フランツ・カフカの「変身」の多変量解析−クラスタ分析と主成分1

1 先行研究との関係

 これまでにフランツ・カフカ(1883−1924)の「変身」執筆時の脳の活動を「適応と反応」とし、シナジーのメタファーを作成している。(花村2020) この小論では、さらに多変量解析に注目し、クラスタ分析と主成分について考察する。それぞれの場面でカフカの執筆脳がデータベースから異なる視点で分析できれば、自ずと客観性は上がっていく。ここではシナジーのメタファーといえば「カフカと適応」を指す。

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの『変身』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について6

4 相関係数を言葉で表す

数字の意味を言葉で確認しておこう。 

-0. 7≦r≦-1.0 強い負の相関がある
-0.4≦r≦-0.7 やや負の相関がある
0≦r≦-0.4 ほとんど負の相関がない
0≦r≦0.2 ほとんど正の相関がない
0.2≦r≦0.4 やや正の相関がある
0.4≦r≦0.7 かなり正の相関がある
0.7≦r≦1 強い正の相関がある

5 まとめ

 フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”のデータベースのうち、言語の認知のカラム、注意が1ある、2ないと、情報の認知のカラム、人工知能で1適応、2反応は、負の強い相関関係になることがわかった。
 
【参考文献】

花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 2019    
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日语教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 フランツ・カフカの「変身」の執筆脳について ファンブログ 2020
前野昌弘 回帰分析超入門 技術評論社 2012
Frannz Kafka Die Verwandlung Reclam 1984

フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について5

表2 計算表

A 1 4 5
偏差 1.5 -1.5 0
偏差2 2.25 2.25 4.5
B 2 3 5
偏差 -0.5 0.5 0
偏差2 0.25  0.25  0.5
AB偏差の積 -0.75 -0.75 -1.5

◆相関係数は、次の公式で求めることができる。

相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和

上記計算表を代入すると、

相関係数 = -1.5/√4.5 x 0.5 = -1.5/1.5 = -1

従って、負の強い相関があるといえる。

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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