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2020年07月07日
ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて3
次にグループe(1、4、4、4、7)について見てみよう。算術平均は4である。それぞれの値から算術平均を引くと、1-4=-3、4-4=0、4-4=0、4-4=0、7-4=3となる。この算術平均から離れている大きさを平均すると、バラツキの目安が求められる。しかし、-3、0、0、0、3を全部足すと0になるため、それぞれを2乗して、9、0、0、0、9として平均値を求め、5で割って3.6を求める。
但し、元の単位がcmのときに2乗すれば、cm2となるため、3.6を開いて元に戻すと、√3.6 cm2≒1.90 cmというバラツキの大きさになる。従って、グループdの方がグループeよりもバラつきが大きいことになる。
以下では、標準偏差(1)の公式を使用して、作成したヘッセの‟Schön ist die Jugend”のデータに関するバラツキから見えてくる特徴を考察していく。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて」より
但し、元の単位がcmのときに2乗すれば、cm2となるため、3.6を開いて元に戻すと、√3.6 cm2≒1.90 cmというバラツキの大きさになる。従って、グループdの方がグループeよりもバラつきが大きいことになる。
以下では、標準偏差(1)の公式を使用して、作成したヘッセの‟Schön ist die Jugend”のデータに関するバラツキから見えてくる特徴を考察していく。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて」より
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ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて2
1.2 標準偏差
標準偏差は、グループの全ての値によってバラツキを決めていく。グループの個々の値から算術平均がどれだけ離れているのかによって、バラツキの大きさが決まる。
グループd(1、1、4、7、7)の算術平均は4である。それぞれの値から算術平均を引くと、1-4=-3、1-4=-3、4-4=0、7-4=3、7-4=3となる。この算術平均から離れている大きさを平均してやると、バラツキの目安が求められる。しかし、-3、-3、0、3、3を全部足すと0になるため、さらに工夫が必要になる。
例えば、絶対値をとる方法とか値を2乗してマイナスの記号を取る方法がある。2乗した場合、9、9、0、9、9となり、平均値を求めると、5で割って7.2となる。但し、元の単位がcmのときに、2乗すればcm2となるため、7.2を開いて元に戻すと、√7.2 cm2≒2.68 cmというバラツキの大きさになる。
(1) 標準偏差の公式
σ=√Σ (Xi−X)2/n
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて」より
標準偏差は、グループの全ての値によってバラツキを決めていく。グループの個々の値から算術平均がどれだけ離れているのかによって、バラツキの大きさが決まる。
グループd(1、1、4、7、7)の算術平均は4である。それぞれの値から算術平均を引くと、1-4=-3、1-4=-3、4-4=0、7-4=3、7-4=3となる。この算術平均から離れている大きさを平均してやると、バラツキの目安が求められる。しかし、-3、-3、0、3、3を全部足すと0になるため、さらに工夫が必要になる。
例えば、絶対値をとる方法とか値を2乗してマイナスの記号を取る方法がある。2乗した場合、9、9、0、9、9となり、平均値を求めると、5で割って7.2となる。但し、元の単位がcmのときに、2乗すればcm2となるため、7.2を開いて元に戻すと、√7.2 cm2≒2.68 cmというバラツキの大きさになる。
(1) 標準偏差の公式
σ=√Σ (Xi−X)2/n
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて」より
ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて1
1 簡単な統計処理
1.1 データのバラツキ
グループa(5、5、5、5、5)とグループb(3、4、5、6、7)とグループc(1、3、5、7、9)は、算術平均がいずれも5であり、また中央値(メジアン)も同様に5である。算術平均やメジアンを代表値としている限り、この3つのグループは差がないことになる。しかし、バラツキを考えると明らかに違いがある。グループaは、全てが5のため全くバラツキがない。グループbは、5が中心にあり3から7までばらついている。グループcは、1から9までの広範囲に渡ってバラツキが見られる。グループbのバラツキは、グループcのバラツキよりも小さい。
次に、グループd(1、1、4、7、7)とグループe(1、4、4、4、7)だと、どちらのバラツキが大きいことになるのだろうか。グループdは、中心の4から3も離れた所に4つの値がある。グループeは、中心に3つの値があって、そこから3離れたところに値が2つある。
バラツキの大きさを定義する方法で最も有名なのが、レンジと標準偏差である。レンジはグループの最大値から最小値を引くことにより求めることができる。グループdは、7-1=6で、グループeも7-1=6となる。レンジだけでバラツキを定義すれば、グループdとグループeは同じことになるが、グループ内の最大値と最小値だけを問題にするため、他の値が疎かになっている。そこでもう一つのバラツキに関する定義、標準偏差について見てみよう。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて」より
1.1 データのバラツキ
グループa(5、5、5、5、5)とグループb(3、4、5、6、7)とグループc(1、3、5、7、9)は、算術平均がいずれも5であり、また中央値(メジアン)も同様に5である。算術平均やメジアンを代表値としている限り、この3つのグループは差がないことになる。しかし、バラツキを考えると明らかに違いがある。グループaは、全てが5のため全くバラツキがない。グループbは、5が中心にあり3から7までばらついている。グループcは、1から9までの広範囲に渡ってバラツキが見られる。グループbのバラツキは、グループcのバラツキよりも小さい。
次に、グループd(1、1、4、7、7)とグループe(1、4、4、4、7)だと、どちらのバラツキが大きいことになるのだろうか。グループdは、中心の4から3も離れた所に4つの値がある。グループeは、中心に3つの値があって、そこから3離れたところに値が2つある。
バラツキの大きさを定義する方法で最も有名なのが、レンジと標準偏差である。レンジはグループの最大値から最小値を引くことにより求めることができる。グループdは、7-1=6で、グループeも7-1=6となる。レンジだけでバラツキを定義すれば、グループdとグループeは同じことになるが、グループ内の最大値と最小値だけを問題にするため、他の値が疎かになっている。そこでもう一つのバラツキに関する定義、標準偏差について見てみよう。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの‟Schön ist die Jugend”のバラツキについて」より
2020年07月06日
ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”で執筆脳を考える9
5 まとめ
受容の読みによる「安心と忍耐」という出力は、すぐに共生の読みの入力となる。続けて、データベースの問題解決の場面を考察すると、「葛藤と洞察」という人間の脳の活動と結びつき、その後、信号のフォーカスは、購読脳の出力のポジションに戻る。この分析を繰り返すことにより、「ヘルマン・ヘッセと葛藤」というシナジーのメタファーが見えてくる。なお、ヘッセは、1946年にノーベル賞を受賞している。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
日本成人病予防協会監修 健康管理士一般指導員受験対策講座3 心の健康管理 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁/戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 華東理工大学出版社 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家に中国日语教学研究会上海分会論文集 2020
藤本淳雄他 ドイツ文学史 東京大学出版会 1981
佐藤晃一 ドイツ文学史 明治書院 1979
手塚富雄 ドイツ文学案内 岩波文庫 1981
ヘルマン・ヘッセ Wikipedia
Hermann Hesse Schön ist die Jugend Fischer 1985
Kurt Rothmann Kleine Geschichte der deutschen Literatur Reclam 1981
Schön ist die Jugend Wikipedia
受容の読みによる「安心と忍耐」という出力は、すぐに共生の読みの入力となる。続けて、データベースの問題解決の場面を考察すると、「葛藤と洞察」という人間の脳の活動と結びつき、その後、信号のフォーカスは、購読脳の出力のポジションに戻る。この分析を繰り返すことにより、「ヘルマン・ヘッセと葛藤」というシナジーのメタファーが見えてくる。なお、ヘッセは、1946年にノーベル賞を受賞している。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
日本成人病予防協会監修 健康管理士一般指導員受験対策講座3 心の健康管理 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁/戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 華東理工大学出版社 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家に中国日语教学研究会上海分会論文集 2020
藤本淳雄他 ドイツ文学史 東京大学出版会 1981
佐藤晃一 ドイツ文学史 明治書院 1979
手塚富雄 ドイツ文学案内 岩波文庫 1981
ヘルマン・ヘッセ Wikipedia
Hermann Hesse Schön ist die Jugend Fischer 1985
Kurt Rothmann Kleine Geschichte der deutschen Literatur Reclam 1981
Schön ist die Jugend Wikipedia
ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”で執筆脳を考える8
A 情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能は@葛藤である。
B 情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能はA洞察である。
C 情報の認知1はAグループ化、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3は@計画から問題解決へ、人工知能はA洞察である。
D 情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能はA洞察である。
E 情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能はA洞察である。
結果
言語の認知の出力「安心と忍耐」が情報の認知の入力となり、まず何かに反応する。次に、その反応が情報の認知で新情報となり、結局、この場面では、一旦は問題解決に至るため、「安心と忍耐」が「葛藤と洞察」からなる組みと相互に作用する。
記憶については、A、B、C、D、Eすべてが長期記憶になる。この場面では作者の不眠について父に相談することで精神症状と相互に作用するため、ヘッセの執筆脳は、葛藤に特徴があることになる。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
B 情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能はA洞察である。
C 情報の認知1はAグループ化、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3は@計画から問題解決へ、人工知能はA洞察である。
D 情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能はA洞察である。
E 情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能はA洞察である。
結果
言語の認知の出力「安心と忍耐」が情報の認知の入力となり、まず何かに反応する。次に、その反応が情報の認知で新情報となり、結局、この場面では、一旦は問題解決に至るため、「安心と忍耐」が「葛藤と洞察」からなる組みと相互に作用する。
記憶については、A、B、C、D、Eすべてが長期記憶になる。この場面では作者の不眠について父に相談することで精神症状と相互に作用するため、ヘッセの執筆脳は、葛藤に特徴があることになる。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”で執筆脳を考える7
【連想分析2】
表3 情報の認知
A 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能 1
B 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
C 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 1、情報の認知3 1、人工知能 2
D 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
E 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
分析例
(1)“Schön ist die Jugend”執筆時のヘッセの脳の活動を「葛藤と洞察」という組からなると考えている。彼の文体が内面の葛藤を表現できるようなことばを開示するためである。
(2)情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の反応である。
(3)情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。また、未知の情報はカテゴリー化されて、経験を通した学習につながる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
(4)情報の認知3(計画、問題解決)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へ、である。
(5)人工知能1 執筆脳を「葛藤と洞察」としているため、母の半生と感情の表出が重要となり、そこに専門家としての調節が効力を発揮する。@記憶、A感情、Bその他
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
表3 情報の認知
A 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能 1
B 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
C 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 1、情報の認知3 1、人工知能 2
D 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
E 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2
分析例
(1)“Schön ist die Jugend”執筆時のヘッセの脳の活動を「葛藤と洞察」という組からなると考えている。彼の文体が内面の葛藤を表現できるようなことばを開示するためである。
(2)情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の反応である。
(3)情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。また、未知の情報はカテゴリー化されて、経験を通した学習につながる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
(4)情報の認知3(計画、問題解決)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へ、である。
(5)人工知能1 執筆脳を「葛藤と洞察」としているため、母の半生と感情の表出が重要となり、そこに専門家としての調節が効力を発揮する。@記憶、A感情、Bその他
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”で執筆脳を考える6
分析例
(1)不眠について父に相談する場面。
(2)文法2テンスとアスペクト、1は現在形、2は過去形、3は未来形、4は現在進行形、5は現在完了形、6は過去進行形、7は過去完了形。
(3)意味1 1視覚、2聴覚、3味覚、4嗅覚、5触覚、意味2 喜怒哀楽、意味3 洞察 1あり2なし、意味4 振舞いの1直示と2隠喩。
テキスト共生の公式
(1)言語の認知による購読脳の組み合わせを「安心と忍耐」にする。不眠について父に相談する。良いことを考えれば、我慢できるという。
(2)文法2のテンスとアスペクトや意味1の五感には、一応ダイナミズムがある。また、連想分析1の各行の「安心と忍耐」を次のように特定する。
A安心と忍耐=テンスは現在形、視覚、哀、洞察なし、隠喩。
B安心と忍耐=テンスは現在形+過去形、触覚、哀、洞察あり、直示。
C安心と忍耐=テンスは現在形+過去形、視覚、哀、洞察あり、直示。
D安心と忍耐=テンスは過去形、視覚、楽、洞察あり、直示。
E安心と忍耐=テンスは過去形、視覚、哀、洞察あり、直示。
結果 上記場面は、「安心と忍耐」という購読脳の条件を満たしている。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
(1)不眠について父に相談する場面。
(2)文法2テンスとアスペクト、1は現在形、2は過去形、3は未来形、4は現在進行形、5は現在完了形、6は過去進行形、7は過去完了形。
(3)意味1 1視覚、2聴覚、3味覚、4嗅覚、5触覚、意味2 喜怒哀楽、意味3 洞察 1あり2なし、意味4 振舞いの1直示と2隠喩。
テキスト共生の公式
(1)言語の認知による購読脳の組み合わせを「安心と忍耐」にする。不眠について父に相談する。良いことを考えれば、我慢できるという。
(2)文法2のテンスとアスペクトや意味1の五感には、一応ダイナミズムがある。また、連想分析1の各行の「安心と忍耐」を次のように特定する。
A安心と忍耐=テンスは現在形、視覚、哀、洞察なし、隠喩。
B安心と忍耐=テンスは現在形+過去形、触覚、哀、洞察あり、直示。
C安心と忍耐=テンスは現在形+過去形、視覚、哀、洞察あり、直示。
D安心と忍耐=テンスは過去形、視覚、楽、洞察あり、直示。
E安心と忍耐=テンスは過去形、視覚、哀、洞察あり、直示。
結果 上記場面は、「安心と忍耐」という購読脳の条件を満たしている。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”で執筆脳を考える5
【連想分析1】
表2 言語の認知(文法と意味) 不眠について父に相談する場面
A Wie die Umstände lagen, konnte bei meiner leichtlebigen Jugend die Trauer nicht gar lange anhalten. Doch war ich mehrere Tage für keine Lustbarkeit zu haben, lief einsame Wege durch die Wälder, lag lange gedankenlos traurig im Hause herum und phantasierte abends bei geschlossenen Fenstern auf der Geige.
文法2 1、意味1 1、意味2 3、意味3 2、意味4 1
B „Fehlt dir etwas, mein Junge?“ sagte mein Papa zu mir und legte mir die Hand auf die Schulter. „Ich habe schlecht geschlafen“, antwortete ich, ohne zu lügen. Mehr brachte ich nicht heraus. Er aber sagte nun etwas, das mir später oft wieder einfiel. 文法2 1+2、意味1 5、意味2 3、意味3 1、意味4 1
C „Eine schlaflose Nacht“, sagte er, “ist immer eine lästige Sache. Aber sie ist erträglich, wenn man gute Gedanken hat. Wenn man daliegt und nicht schläft, ist man leicht ärgerlich und denkt an ärgerliche Dinge. Aber man kann auch seinen Willen brauchen und Gutes denken.“ „Kann man? Fragte ich. Denn ich hatte in den letzten Jahren am Vorhandensein des freien Willens zu weifeln begonnen. „Ja, man kann“, sagte mein Vater nachdrücklich. 文法2 1+2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1
D Die Stunde, in der ich nach mehreren schweigsamen und bitteren Tagen zuerst wieder mich und mein Leid vergaß, mit andern lebte und froh war, ist mir noch deutlich in Erinnerung. Wir saß alle im Wohnyimmer beim Nachmittagskaffee, nur Fritz fehlte. Die andern waren munter und gesprächig, ich aber hielt den Mund und nahm nicht teil, obwohl ich im geheimen schon wieder ein Bedrürfnis nach Rede und Verkehr spürte.
文法2 2、意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1
E Wie es jungen Leuten geht, hatte ich meine Schmery mit einer Schutzmauer von Schweigen und abwehrendem Trotz umgeben, die andern hatten mich nach dem guten Brauch unseres Hauses in Ruhe gelassen und meine sichtbare Verstimmung respektiert, und nun fand ich den Entschluß nicht, meine Mauer einzureißen, und spielte, was eben noch echt undt notwendig gewesen war, als eine Rolle weiter, mich selber langweilend und auch beschämt über die kurze Dauer meiner Kasteiung.
文法2 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
表2 言語の認知(文法と意味) 不眠について父に相談する場面
A Wie die Umstände lagen, konnte bei meiner leichtlebigen Jugend die Trauer nicht gar lange anhalten. Doch war ich mehrere Tage für keine Lustbarkeit zu haben, lief einsame Wege durch die Wälder, lag lange gedankenlos traurig im Hause herum und phantasierte abends bei geschlossenen Fenstern auf der Geige.
文法2 1、意味1 1、意味2 3、意味3 2、意味4 1
B „Fehlt dir etwas, mein Junge?“ sagte mein Papa zu mir und legte mir die Hand auf die Schulter. „Ich habe schlecht geschlafen“, antwortete ich, ohne zu lügen. Mehr brachte ich nicht heraus. Er aber sagte nun etwas, das mir später oft wieder einfiel. 文法2 1+2、意味1 5、意味2 3、意味3 1、意味4 1
C „Eine schlaflose Nacht“, sagte er, “ist immer eine lästige Sache. Aber sie ist erträglich, wenn man gute Gedanken hat. Wenn man daliegt und nicht schläft, ist man leicht ärgerlich und denkt an ärgerliche Dinge. Aber man kann auch seinen Willen brauchen und Gutes denken.“ „Kann man? Fragte ich. Denn ich hatte in den letzten Jahren am Vorhandensein des freien Willens zu weifeln begonnen. „Ja, man kann“, sagte mein Vater nachdrücklich. 文法2 1+2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1
D Die Stunde, in der ich nach mehreren schweigsamen und bitteren Tagen zuerst wieder mich und mein Leid vergaß, mit andern lebte und froh war, ist mir noch deutlich in Erinnerung. Wir saß alle im Wohnyimmer beim Nachmittagskaffee, nur Fritz fehlte. Die andern waren munter und gesprächig, ich aber hielt den Mund und nahm nicht teil, obwohl ich im geheimen schon wieder ein Bedrürfnis nach Rede und Verkehr spürte.
文法2 2、意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1
E Wie es jungen Leuten geht, hatte ich meine Schmery mit einer Schutzmauer von Schweigen und abwehrendem Trotz umgeben, die andern hatten mich nach dem guten Brauch unseres Hauses in Ruhe gelassen und meine sichtbare Verstimmung respektiert, und nun fand ich den Entschluß nicht, meine Mauer einzureißen, und spielte, was eben noch echt undt notwendig gewesen war, als eine Rolle weiter, mich selber langweilend und auch beschämt über die kurze Dauer meiner Kasteiung.
文法2 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”で執筆脳を考える4
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 “Schön ist die Jugend”のデータベースのカラム
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 喜怒哀楽。
意味3 洞察 あり、なし。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「安心と忍耐」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化またはその他の反応。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報は、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 葛藤と洞察 エキスパートシステム 精神内部で異なる方向の力同士が衝突している状態。およびよく見通すこと。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 “Schön ist die Jugend”のデータベースのカラム
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 喜怒哀楽。
意味3 洞察 あり、なし。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「安心と忍耐」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化またはその他の反応。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報は、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 葛藤と洞察 エキスパートシステム 精神内部で異なる方向の力同士が衝突している状態。およびよく見通すこと。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”で執筆脳を考える3
ユングの心理学については、魯迅の「阿Q正伝」を分析した際に、説明したことがある。(花村2015)ユングは、忘却や抑圧といった個人的無意識により意識されなくなった知覚に対して、個人を超越した普遍的な集合的無意識を提唱した。ユングの心理学は、人間の中にある心象を意識と関連づけることにより、人格全体を回復させようとする。つまり、「秩序」−「無秩序」−「より高次の秩序」という過程で人間の心をとらえていく。エゴ(自我)には一定の秩序があるため、そこに意識が生まれ、その周囲に無秩序状態の無意識があり、それらが統合されてより高次の秩序セルフ(自己)が生まれる。
自身の運命を見出し自分の中でそれを生かしきる自己発見は、ヘッセの小説においてメインテーマであった。シュバーベンの敬虔主義の精神で育ったヘッセは、Rothmann(1981)によると、総じて敬虔な環境に固執するより改宗することで身を守り、マオルブロン修道院でプロテスタントの神学セミナーから逃亡したにもかかわらず、敬虔主義による内面への道に留まることで、宗教的な衝動から自叙伝風の精神の記録を書いた。
文学との関係が崩れたヘッセは、試験的にことばによる手法を用いた。美学的な名誉心を捨てて詩作をせず、まさに告白をした。彼の告白は、わかりやすい宗教のような人生哲学を持っており、様々な再生復活の体験となった。
“Schön ist die Jugend”の購読脳は「安心と忍耐」とし、精神分析の治療の中で患者が抱えている心理的葛藤や性格または考え方の偏りについて、患者自身の洞察により人格構造を変化させたため、執筆脳を「葛藤と洞察」にする。そこでこの小論のシナジーのメタファーは、「ヘッセと葛藤」になる。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より
自身の運命を見出し自分の中でそれを生かしきる自己発見は、ヘッセの小説においてメインテーマであった。シュバーベンの敬虔主義の精神で育ったヘッセは、Rothmann(1981)によると、総じて敬虔な環境に固執するより改宗することで身を守り、マオルブロン修道院でプロテスタントの神学セミナーから逃亡したにもかかわらず、敬虔主義による内面への道に留まることで、宗教的な衝動から自叙伝風の精神の記録を書いた。
文学との関係が崩れたヘッセは、試験的にことばによる手法を用いた。美学的な名誉心を捨てて詩作をせず、まさに告白をした。彼の告白は、わかりやすい宗教のような人生哲学を持っており、様々な再生復活の体験となった。
“Schön ist die Jugend”の購読脳は「安心と忍耐」とし、精神分析の治療の中で患者が抱えている心理的葛藤や性格または考え方の偏りについて、患者自身の洞察により人格構造を変化させたため、執筆脳を「葛藤と洞察」にする。そこでこの小論のシナジーのメタファーは、「ヘッセと葛藤」になる。
花村嘉英(2020)「ヘルマン・ヘッセの“Schön ist die Jugend”の執筆脳について」より