2016年05月06日
実話映画「リリーのすべて」を観て性差別撲滅を考える!
日本でもLGBTの著名人やタレントが活躍し「性転換手術」も当たり前となった現代。しかし、今から80年以上も前となると話は別です。世界で初めて「性転換手術」を受けたリリー・エルベの人生を、映画「リリーのすべて」を観て考えてみてください。
【体は男、心は女】
デンマーク生まれのアイナー・ヴェイナー(男性)は風景画家として活躍、同じ画家のゲルタ(女性)と結婚し、穏やかな生活を送っていました。...が、彼女に女性モデルの代役を頼まれ、ドレス & ストッキングを着用した時、「むむむっ!」...自分の中の「女」の存在を強く意識するようになるのです。
これを機に、数回にわたる「性転換手術」を受け、アイナーを葬り、身も心も女性の“リリー”となっていく一人の人生の実話に基づいた映画『リリーのすべて』をあなたはもう観たでしょうか?自分らしく生きようと闘うリリーの姿は観る者の心を打ちます!そして、変わりゆく“夫”アイナーを変わらぬ愛で包み込み、「女性」として幸せになろうとするアイナーを手助けする妻ゲルタの懐の深さ...
もし、あなたのパートナーや家族が「性転換して生きていきたい」と告げてきたら? あなたはどうしますか?
【無条件の愛】
たとえ夫を失うことになっても、彼の幸せを願い、無条件の愛を捧げる妻ゲルタの気持ちはいかばかりだったでしょうか?想像してみてください...
自己中心的であってはできません
わがままであってもできません
見栄やプライドが邪魔してしまうかもしれません
夫を失ってしまうという理不尽さ
性を超えた人間愛
あなたに真似できますか?
【葛藤に苦しむ二人】
身も心も完全なる女性へと移行していくアイナー
夫を恋しく想うも女性になっていくアイナーを支え続けていくゲルタ
この映画を観た後で、大抵の人は「アイナーは身勝手だ」「自分のことしか考えていない」「ゲルタがかわいそう」と考えるかもしれません。確かにそうとも言えます。しかし、今ほど医療技術の発達していなかった当時、命を賭けてまで「女性になりたい」と願う人の苦悩や葛藤はいかばかりだったでしょうか...
「リリーにならなければ生きていけない!」
そんな深い苦しみを抱えていたアイナーは、身勝手にならざるを得なかったのです。
そして、妻のゲルタは夫の本気を肌で感じ応援してあげることしかできなかった...
【マザーテレサ並みの深い慈悲の心を持ったゲルタ】
普通の女性では到底ゲルタのようには振る舞えません。彼女は、常識をはるかに越えた慈悲深さを持った人だったのでしょう。通常であれば、「女性になりたい」夫に対して怒りや恨みをぶつけるものです。終いには離婚を決断するしかないはずです。だって、ゲルタは女性であり男性が好きで男性と結婚したのですから。それが相手の都合で夫が男性から女性になる...なんて理不尽な...
しかしゲルタは違いました。自分の感情よりも、夫の苦しみを一番に考える大きな心の持ち主だったのです。現在に生きる私たちは、ソーシャルメディアなどに没頭し、みんな身勝手になっています。被災地支援を実行する芸能人たちを「売名行為だ」と非難する人たちはその際たる例ではないでしょうか。そんな人たちにこそ、このゲルタの深い愛を感じて欲しいと思っています。
【パートナーと二人で変化していく人々】
私自身、オーストラリアやロンドン、ニューヨーク、日本でも、性転換した人たちと会いましたし、そんなパートナーを持つ人々にも会ってきました。彼らは例外なく「2人で変化」していっています。当然差別は受けますし、自殺に至る人も少なからずいます。しかし、自身の殻を破り強く生きていくことを決断した彼らは、“違う性”に閉じ込められていた頃よりも断然ハッピーに暮らしていっているのです。障害を愛の力で解放し逞しく生きているのです。
【まとめ】
「リリーのすべて」は愛についての映画です。私たちが抱えている障害を愛の力で解放する、そんな様子を描いています。この映画を観た全ての人が、自分とは異なる人々のために深い慈愛を持津ようになれば、社会はもっと住みよいものになるのではないでしょうか。閉塞感漂うこの社会には今、ゲルタのような寛容さが必要だと思うのです。
【おまけの話】
最後にもう一つ、妊活するレズビアンカップルの話をお届けしましょう。
ある1組のレズビアンカップルは、友人のゲイ友から精子提供を受けたレズビアンカップルに子どもが生まれたことに触発され、「もしかしたら私たちにもできる?子どもを産みたい」と思い立ちます。しかしすでに40代。妊娠する可能性は極めて低いことを医師から指摘されました。それでも、その日から基礎体温を測り始め、二人は妊活を進めていくのです。二人で街を歩けば自然と幼い子どもに目がいくようになり、自分たちの子どもを想像し合うだけで、自分たちを「恋人」から「家族」へ変えてくれるような気持ちになったのです。
二人は妊娠・出産に関する情報を探し合い、タイの病院に国際電話をかけ、出産後の段取りまで話し合っていました。そんな時、タイで起こった大洪水で現地入りが困難に。。。そんな折、姉の夫が精子を提供してくれることになったのです。
1回目の受精は着床に至らず。その後数回着床に失敗し、些細なことで喧嘩するようになります。幼少の頃に母から受けた虐待がフラッシュバックすることも。大きな音に激しく反応し、包丁や刃物が持てなくなってしまった時期もあります。パニック障害でもありました。片や過去にはギャンブル依存症で苦しんでいました。「私たち精神病を患っているのに、子どもを産んじゃっていいのかしら」...不安から、無意識に精神病に対する差別意識を持っていたことに気付かされた彼女たち。その後も何度も着床に失敗していったのです。
その後二人がどうなっていったのかはみなさんの想像にお任せします。ここで考えていただきたいのは「不妊治療に成功しなかった人の情報が少ないこと」「様々な差別が社会には存在していること」
高齢社会の日本においては認知症介護問題で家族が苦しむことも少なくありません。そんな時にこそ、「慈悲深き愛」「無償の愛」があれば苦難を乗り越えられるのかもしれません。
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