2008年12月11日
ヌードマウスとは?
ヌードマウスとは?
ヌードマウスとは第11番染色体のnu遺伝子座の変異によるマウスで、
無毛と無胸腺を表現系とする自然突然変異系統マウスである。
無毛のため、ヌードとよばれる。
nu遺伝子座には転写因子の一種であるwhnが存在し、
nu変異ではDNA結合ドメインを欠損した蛋白質が作られる。
無毛はケラチン化の異常により、
また胸腺の欠損は第3咽頭のう外胚葉に由来する
胸腺原基の発生異常によることが明らかにされている。
ヌードマウスは、その形質からヒトにおける、
ディジョージ症候群に類似しているが、
副甲状腺など第3咽頭のう由来する他の器官の異常はみられない。
胸腺の欠如により、腸管上皮内T細胞を除いて、
T細胞の分化がみられない。
一方,ナチュラルキラー細胞やマクロファージなどの
機能は亢進している。
ヌードマウスの免疫不全形質を利用して、
ヒトの癌細胞の移植などに利用されているが、
ナチュラルキラー細胞やマクロファージの機能亢進により、
骨髄系細胞の移植は困難である。