2009年05月11日
若い女性や高齢者に多い便秘とは?
若い女性や高齢者に多い便秘とは?
便秘とは排便が順調に行われずに、便が長期間、
腸内にとどまる状態です。
3〜4日以上排便がない場合に、
便秘ということが多いですが、
医学的に厳密な便秘の定義は特にありません。
便秘は、発症様式や持続期間により、
急性便秘と、慢性便秘
(1か月以上続く便秘)に分類します。
便秘の分類は極めて難しいのですが、概略的には、
器質性、機能性、薬剤性、症候性便秘に
分類されています。
機能性便秘は発症機序から弛緩性の
便秘、直腸性便秘、けいれん性の
便秘に分類されます。
弛緩性便秘は
緊張や蠕動低下により、
便が長期間停留するため硬い便になるのが特徴です。
直腸性便秘は慢性的に排便を
我慢している人や、骨盤底筋失調症に随伴して、
直腸の排便反射の減弱、大腸の弛緩障害による便秘が
考えられています。
弛緩性便秘では直腸性便秘を高頻度に
合併します。
れん縮性便秘は過敏性腸症候群
(この症候群の便秘型)でみられます。
この種の便は兎糞
(ウサギの糞)状のコロコロした、
硬い便がよく見られます。
薬剤性、症候性便秘も機能性のことが多いのですが、
一度は正確な便秘の原因診断を受けるべきです。
中高年で比較的短期間に増強する便秘では
大腸癌が、経過が長く増悪する傾向がないものでは
機能性便秘が疑われます。
血便、便潜血陽性、体重減少、
発熱、腹部の腫瘤や圧痛などを伴えば、
大腸癌などによる器質的な
便秘を疑って、最終的には
大腸内視鏡検査する例が多いです。
手順としては腹部単純レントゲン検査で腸管ガス像の異常の
有無を評価し、必要に応じてバリウム注腸レントゲン検査、
大腸内視鏡検査、腹部超音波検査、腹部CT検査などを行います。
外来で遭遇する機会が多いのは機能性便秘です。
機能性便秘では生活習慣、排便習慣の改善、
食物繊維を豊富に含む食品や十分な水分の摂取、
運動や腹壁のマッサージが勧めれます。
なお高度の便秘で大量の便塊が大腸内に貯留している場合には、
内服のみでは効果の期待は無理で、腹痛やまれには、
虚血性大腸炎を起こす可能性さえあります。
この場合には、60〜120mlのグリセリン浣腸をします。
指による肛門診で直腸に硬い便塊が充満して、
浣腸でも効果がない場合には、手袋を着けて、
指で摘便する必要があります。
私も研修医の頃、頑固な便秘に悩む、
22才の若い女性の摘便をしたことがあります。
彼女は最初はとても恥ずかしがっていましたが、
便がすっかり出たらニッコリと微笑んでいました。
パソコンに入りびたりで、運度不足も便秘の原因に
なるでしょう。
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