2008年10月31日
自殺の原因、うつ病」はやたらに多い!
最近は、自殺の原因となる、うつ病はやたらに多い!
内科外来を受診する患者の30%はうつ病そのもの、
またはうつ病を合併しているとさえ言われている。
電車内やホームで”人身障害のため運転を見合わせています”
という放送をよく聞くが、この人身障害の中には、
多数のうつ病患者の線路内への飛び込み自殺がありそうだ。
どなたか、正確な人数をご存じでしたら、教えて下さい。
さらに、日本の自殺者数は年間30,000人というのは確からしい。
日清戦争での日本の戦死者が8,000人というから、
現在の日本の自殺者数は日清戦争の3倍より多い。
自殺者だけで、毎年3回以上の日清戦争が起きていることになる。
躁うつ病は最近では双極性障害とよばれている。
英語では「Bipolar Disorder」である。
発病から最後までうつ病の人もいるが、「うつ」と「そう」を、
繰りかえす場合は典型的な双極性障害だ。
躁状態は、英語では「 Manic State」という。
双極性障害は一般には、躁状態とうつ状態を反復する疾患で、
躁うつ病は統合失調症より予後がよいと考えられていた。
しかし、双極性障害は再発性の高い疾患で、
活動性が亢進する躁状態では、しばしば逸脱行動を起こす。
また、躁状態後のうつ状態が遷延して自殺につながる危険性も高い。
なので、従来考えられていたほどには双極性障害の予後が、
よくないことが判明しており、積極的な治療が必要だ。
躁状態の治療をいかに行うかが双極性障害の予後を左右する、
といっても過言でない。
躁状態では、爽快気分、観念奔逸、多弁・多動、誇大性、
睡眠欲求の減少、性欲の亢進、性的逸脱行為などを認めるが、
不機嫌を示す場合や抑うつを伴う躁うつ混合状態になることもある。
脳器質疾患、内科的疾患や薬物の作用によっても、
躁状態は出現するから、特に初回エピソードでは、
身体的な診察と検査が必要だ。
躁状態の治療の原則は、刺激を避け、十分な睡眠をとることだ。
その後の再発予防を含めて考えると、薬物療法の中心は気分安定薬で、
リーマスについては実証性が最も高い。
しかし、最近はデパケンについての研究が進み、
有効性が確立している。
また、同じ抗けいれん薬であるテグレトールも効果が期待できる。
重症の躁病では入院が必要であり、気分安定薬のみでは治療が
困難な場合が多い。気分安定薬と抗精神病薬の併用が必要になる。
多弁・多動による消耗などの全身状態に注意を払い、
経口摂取が困難であれば,セレネースの筋注や静注も行う。
一般的には、病状が改善するにつれ、抗精神病薬を減量し、
気分安定薬中心に切り替えていく。